エンジニアの中国ブログ

中国の広東省在住、現地企業勤務のエンジニアです。中国生活で体験したことや趣味の話を中心に発信していきます!

【実験】マキネッタでクレマをつくるのに、ロブスタ種が効果的であるのか確かめてみた!【マニア向け】

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深センの自家焙煎の喫茶店で飲んだエスプレッソ

 

今回の記事では、ロブスタ種 (ロブスタコーヒーノキ) のコーヒー豆でエスプレッソを淹れる際の、コーヒー表面にできるクレマ (細かく乳化した泡) のつくり易さ (もしくは安定性) を検証してみました。(マニア向けの話です)

ロブスタコーヒーノキ - Wikipedia

クレマとは - Wikipedia

 

通常、クレマは機械式のエスプレッソマシンで抽出しないとうまくできませんが、コンロで使用する直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であっても Kamira (カミラ) であればそれなりにクレマはできます。(カミラやその使い方に興味のある方は、下記の記事もご参照下さい!)

 

 

今回はマキネッタであるそのカミラを使用して、ロブスタ種がクレマのつくり易さに効果があるのか確かめてみました。(上記をマキネッタで確認した例がウェブ検索しても出てこなかったので...)

なぜロブスタ種 (Robsuta) なのかというと、下記のように普通の機械式エスプレッソではロブスタ種がクレマ (crema) に対して良い影響があることが知られています。(元客員教授の方のサイトからの引用ですが、きちんと研究論文を引用して述べています)

The second element which fights against a good crema is the oils and small (hydrophobic) particles in the coffee. It is well-known that Robusta coffees are easier to foam than Arabica - that's because the Arabica has ~3x more strongly hydrophobic oils and oils can be good antifoams. Because Arabica has more overall flavour, and because the o/w emulsion (created within the espresso process) adds to the richness of the overall drink, it is worth the extra effort required to get a good crema with the Arabica. 

Latte Foams | Practical Surfactants Science | Prof Steven Abbott

 

上記の引用には、クレマがつくり易いロブスタ種ではなくアラビカ種 (Arabica) がエスプレッソによく使用される理由も述べられていますが、簡単に言えばアラビカ種の方がロブスタ種よりもコーヒーとして風味が豊かだと認識されているからです。

これはエスプレッソだけでなく普通のハンドドリップなどで淹れるコーヒーでも同様で、アラビカ種の方がロブスタ種よりも風味豊かだと認識されています。

 

▼参考

なぜロブスタを使うの? | 秘蔵!コーヒー豆知識

コーヒーの植物学 | コーヒー百科 | 知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲

コーヒーの品種と特徴 | AGF®

 

そのため、ロブスタ種は通常は単品では使用されずに、味の調整やコストダウン目的でブレンドコーヒーで使用しようされたり、インスタントや缶コーヒーで使用されたりすることが一般的です。

個人的にはクレマに与える影響だけではなく味の方にも興味があり、ものは試しに100%ロブスタを一度飲んでみたいと思っていました。(ロブスタ種でも品質がよいと言われているものもありますので...)

というわけで、今回はロブスタ100%で、カミラを使って直火式のエスプレッソを淹れてみた結果を報告します!

 

使用したロブスタ種について

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今回に使用したロブスタ種については下記の通りで、品質はできるだけよいものを選びました。

  • 産地 :インドネシアのジャワ (ジャバ)
  • 等級 :WIB - G1
  • 処理法:水洗式
  • 価格 :約420円/500g  (そんなに安くはないです...)

 

上記のロブスタを中深煎りに自宅焙煎しました。(上記の写真の右)

焙煎には最近ハマっている片手鍋を使用しました。

 

比較用には、常飲している雲南コーヒーを同じく中深煎りで用意しました。(精製方式は水洗式のものを使用、品種はアラビカ種のカチモール)

 

なお、ロブスタ、雲南コーヒー共に焙煎してから2日後の焙煎豆を、今回の実験に使いました。

焙煎豆は、手挽きミルのタイムモアG1Sで調節ダイヤルを15クリック目にセットして挽き、細挽きにして使用しました。

 

カミラでエスプレッソを抽出してクレマを比較 (ロブスタ種 vs 雲南コーヒー)

抽出中の様子

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上の写真はカミラでの抽出終盤の様子で、左がロブスタ種右が雲南コーヒーです。(フィルターホルダーはダブルを使用しています)

見てわかりますように、抽出中のロブスタ種のクレマの高さは普段飲んでるアラビカ種の雲南コーヒーのクレマよりもかなり高かったです。

抽出時の圧力はロブスタ種がMax3.2気圧、雲南コーヒーがMax3.8気圧で、雲南コーヒーの方が少し高めでした。

 

抽出直後の様子

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上の写真は抽出直後の様子で (抽出終了から30秒ほどたったところ)、先の写真と同様に左がロブスタ種右が雲南コーヒーです。

写真のオレンジ色の斜線の部分は抽出末期の水蒸気由来の大きい泡が混入した部分なので、今回は炭酸ガス由来のクレマとは区別し、この部分は比較には考慮しません

写真映えを気にするのであればこの大きい泡が出る前に抽出を止めるところですが、見極めが難しいため、今回はこの大きい泡が出始めたところで抽出を終了しました。

 

比べてみると、抽出後のクレマの高さはロブスタ種と雲南コーヒーアラビカ種とでは大差無く、クレマ表面の光沢も雲南コーヒーの方が強い感じがします。

雲南コーヒーの方が光沢が強いということは、雲南コーヒーの方が泡のサイズが細かいのかもしれません。

 

抽出終了から3分後の様子

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上の写真は抽出終了からの3分経過後の様子で、先の写真と同様に左がロブスタ種右が雲南コーヒーです。

比べてみると、やはりクレマ表面の光沢はロブスタ種よりも雲南コーヒーの方が強い感じがしますし、残ってるクレマの量も雲南コーヒーの方が多いです。

泡は細かい方が安定性が大きいので、やはり雲南コーヒーの方がクレマの泡のサイズが細かいということでしょう。(抽出圧力がロブスタ種 (Max3.2気圧) よりもやや高め (Max3.8気圧) だったからかもしれません...)

 

結論

以上、見てきましたように、抽出後クレマの高さや持続時間で比較すると、今回の結果からマキネッタでロブスタ種を使用してもクレマがつくり易いとは言えませんでした。(印象としては抽出条件を多少検討しても、それほどアラビカ種に対して有利になるとは思えません...)

 

機械式のエスプレッソとは抽出条件が異なるので (マキネッタの方が条件がマイルド)、ロブスタ種の方は泡の安定化に寄与する成分の抽出が機械式に比べたら不十分だったのかもしれません。(おそらくは抽出速度が遅い高分子量成分が泡の安定化に寄与していると考えています)

また、先に挙げた文献ではロブスタ種のクレマの泡が安定な理由として、オイル分の少なさも挙げられていますが、今回の抽出条件ではそれほど有効ではなかったようです。

 

また、今回カミラで抽出した100%ロブスタ種のエスプレッソを飲んでみると、パンチのある苦味はそれほど感じられなかったので、残りはハンドドリップのブレンド用に調味料代わりに使用しようかと思います。

これは不思議でカミラで抽出した100%ロブスタは、結構、普通にブラックでも飲めてしまい、それほど特徴的な味には感じられませんでした。(ちょっとお湯で希釈しましたが...)

しかし、ハンドドリップで淹れた100%ロブスタは超~苦くて、砂糖無しでは飲めませんでした。(しかも、苦味の種類がアラビカ種の深煎りとも異なる感じで強烈...)

 

これは意外でした...やはり抽出方法でコーヒーの味は結構変わってしまいますね...

手鍋のお自宅焙煎の方も片かげで出来具合が安定してきたので、今後もう少し異なった抽出方法も試してみるつもりです。

自分としては、今回の実験で疑問が一つ晴れたので満足です!(まさしく自己満足です)

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました。

 

 下記は本記事の続編で、ナチュラル式のロブスタを使ってクレマの出方を確認してみました。(本記事では水洗式のロブスタを使っています)

 

 

 

以降では本ブログのコーヒー関連の他の記事を紹介しています。よろしければどうぞ!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。クレマを上手くつくるにはコーヒーミルでの粒度調整は非常に重要です。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。特にカミラ用に豆を挽くときは細挽きなので、一段と豊かな香りが楽しめます!

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使うとカミラのなめらかなクレマも非常につくり易いです

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

あっさりが特徴と言われる雲南コーヒーですが、カミラで抽出すると濃厚で飲みやすいコーヒーが淹れられます。雲南コーヒーとカミラの組み合わせは非常に良好です!

 

 

 

【メンテナンス】TIMEMORE (タイムモア) 手動コーヒーミルの普段の手入れ・掃除

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※本記事ではTIMEMORE (タイムモア) のコーヒーミルの日常メンテナンス・ 掃除について紹介します。

 

今回はコーヒーミル関連の記事です。(この辺を検索して読んでくれる方は、本ブログとしては多いので...)

これまでに下記の記事でTIMEMORE (タイムモア) 製の手動コーヒーミル (G1C) を紹介させてもらいました。(実際に私が使用しているコーヒーミルです)

 

上の記事にした後から現在までの数か月間、これらのミルを使い続けているので、今回、現状の普段の手入れや使用中に気付いたことを補足したいと思います。(上の記事に追記しようかと思いましたが、それぞれ5,000字越えと長くなってしまったので記事を分けることにしました...)

また、読んでくれた皆さま、ありがとうございました!

興味のある方は、こちらもご覧ください!

 

普段の手入れ (分解しない)


TIMEMORE | How to clean C1 Grinder!!!!!

 

最初に毎回のミルの使用後に実施している手入れ内容です。(たまにしないときもありますが...)

それは前回の記事にも引用させてもらった上のタイムモアの動画にあるような (最初から~28秒まで)、簡易的にササっと掃くだけです。

これはG1もCも同様ですが、Cの方は少し注意する点があります

何かというと下の写真の左側のように付属のブラシが太くて、ミル本体の筒の中にブラシが入りません...

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そのため中の粉を取りたいときは、上の右側の写真のような細いブラシエアーブロワーを使用しています。

エアーブロアーだけではイマイチで、ブラシで掃いた後にエアーブロアーで吹き飛ばす感じです。

エアーブロアーは反対側のダイヤル付近の掃除にも使用できるので、一つあると便利です。(パソコンのキーボード等の掃除に使用するスプレータイプでもいいかもしれません...) 

 

 

また、使用しているとカスカスと音がすることがあります。

おそらく大部分は臼刃の部分のバネにコーヒーの欠片が挟まっているためだと思いますが、下の動画のように刃を押して刺激を与えるとだいたいは音が消えます。

粒度調節のダイヤルを粗挽き方向に緩めておくと、刃を押し易いです。

これでダメな場合は仕方が無いので分解へ...


手動コーヒーミルに詰まった豆のカスの取り方

 

動画中ではクルクルとミルを回して、音を確認しながらカスを取っています。

これはタイムモアG1だと可能ですが、Cのように外れやすいモデルでは危険ですので、回さないでの清掃をおススメします。(ただG1を回してみたかっただけです...)

動画の後半は1ZpressoのJe-plusですが、回せないモデルはこのようにエアブロアーと併用で清掃しています。

 

このように分解せずに掃き掃除とエアブロアーで、粉をできるだけ取り除くのが普段の手入れです。

なお、エアブロアーは完全に分解してシャフトを外した際、シャフトを固定している筒の内側の粉を取る際に真価を発揮します。(ここでの使用が一番役に立っていると感じています)

特に細かい粒度で挽くことが多い方にはおススメです。(何か月か使用していると、シャフトを固定しているの筒の中にも微粉が入ってきているようなので...)

 

普段の手入れ (少し分解)

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さらに、もう少し清掃する場合は、上の写真のようにダイヤルとばね、臼刃の内側だけ取り外します。(二、三ヵ月に一度くらいの頻度)

シャフト (軸) はベアリング部にコーヒーの粉が入ると掃除が面倒なので、あまり抜き取りたくありません...(基本的に横着です...)

下の写真のように子供用の歯ブラシを使って、臼刃の外側部と付近を掃除します。

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この辺が一番コーヒーの粉が溜まり易いところで、細かい挽き目のダイヤル設定ほど粉が溜まり易くなる傾向です。

粉を挽き終わってもなにか擦れるような音がするときは、ここに粉が溜まっているはず

ハンドルを回して、何度か刃を回転させればたいてい取ることができますが、挽き目が細かいとなかなか取れないことがあります。(といっても極細挽きぐらい細かいときですが...)

そんなときも、ここだけ取り外して掃除した方が早いかもしれません。(面倒になって音がしても無視して使い続けることもありますが…)

 

ちなみに下の写真は左がG1Sの挽き目が6クリック (極細挽き)で、右がCの24クリック (中挽き) です。

裏から光を当てて外刃と内刃の隙間がわかり易くしてあり、左のG1Sの方が隙間が狭いのがわかります。

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だいたい挽き目が6~8クリック (極細域) だと、粉が溜まり易く感じます。(擦れるような音が鳴り易い)

刃自体は一ヵ月間ほぼ毎日使用しても大して汚れているようにはみえませんので、粉をササっと掃くだけで終わりにしています。

下の左側が掃除前の刃で、右側が掃除後です。

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ちなみにタイムモアの微信サイトの説明 (中国語しかありません...) を見ると、刃は水洗い可能ですが推奨はしないとあります。(よく乾燥させる必要があるのと、手を切り易いからだそうです。下がその原文の引用です。)

 

然后我们要清洗一下磨芯

虽然镀钛磨芯稳定性高、耐腐蚀、可水洗

但是不推荐水洗!

因为风干时间久、用纸巾等擦拭可能会划伤手指

 

というわけで、簡単ですが以上のような感じで、普段、ミルの手入れをしています。

慣れればそんなに手間ではないと思いますし、手間以上に挽きたてのコーヒー豆の香りが好きです!(はっきりいうと淹れたコーヒーの香り以上です)

 

以上、ご参考になれば幸いです!

 

 

以降では本ブログのコーヒー関係の記事を紹介しています。よろしければご覧ください!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。クレマを上手くつくるにはコーヒーミルでの粒度調整は非常に重要です。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記ではあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーを紹介しています。現在、お気に入りのコーヒー銘柄です。

 

 

 

【作業性向上】直火式エスプレッソメーカー "Kamira (カミラ)" のファンネル

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今回は、先日、下記の記事で紹介させて直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) に関する記事です。

特にコーヒー豆をフィルターホルダーに充填 (ドーシング) する際の作業性改善がテーマです。

 

前回の記事のカミラをカッコいいと言ってくれる方もいらしたので、もう一度、写真を載せてしまいます...

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で、今回はこのカミラの何についての記事かというと、上の写真の右下に写っているフィルターホルダーへのコーヒーの粉の充填性を改善するためのツールの話です。

普通のエスプレッソなんかでは、フィルターホルダーの上にファンネル (ドーシングファンネル) という一種の漏斗をセットしてコーヒーの粉がこぼれないようにします

このファンネルのカミラ用が欲しかったんですが、売っていなかったので、今回はお手軽に工作してみました。(普通のエスプレッソ用はサイズが合いませんので...)

 

ファンネルって何?

Googleで検索すると、普通のエスプレッソ用のファンネルは、下のようにすぐに出てきます。(2020年1月12日現在)

 

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で、このようなものでカミラに使用できるものが欲しかったので、試しに英語 (Kamira + funnel) で検索すると、下のような結果でした。(英語で最初に検索したのは、このカミラという製品が輸入品だからです)

まさしくカミラのフィルターホルダーにファンネルを装着した写真がでてきて、かなり期待できそうな印象を持ってしまいました...

 

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お、これはもしかしたら、簡単に入手できるのかなと思い、即座に日本語でも検索してみました。(ちなみに上の写真のカミラのファンネルは3Dプリンタで自作されたもののようでした...)

で、「カミラファンネル」でググってみると、こんな感じです...(2020年1月12日現在)

 

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・・・

・・・

νガンダム - Wikipedia

・・・

・・・

確かにファンネルだよな~と...カミラのカの字もない結果にショックでしたね。(どこにファンネルが写っているのか、わかりますか? νガンダムのフィン・ファンネルが...)

「Kamina+ファンネル」でも検索しましたが、結果は似たようなものでした...

しかも懐かしさのあまりクリックして結構時間を使ってしまい、検索者の意図を全く考慮していないGoogleの検索アルゴリズムを肯定してしまったかもしれません...

 

ちなみに百度での検索結果は下記のようになりました。

こちらの方は、キーワード「Kamira+漏斗」で検索しました。

 

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上の左側が百度の検索結果で、Googleの日本語検索よりもよっぽど検索者の意図を理解しているような気が...

こちらも3Dプリンタによる個人のDIYで一個250円ぐらいで販売しているのですが、サイト登録が必要なのでとりあえず保留しました。

また、淘宝 (タオバオ) で探してみても出てきません。

タオバオでカミラを取り扱っているショップにも問い合わせてみましたが、あっさり無い (没有) と言われてしまいました... (上の右側がそのチャットの様子です)

 

話が少しそれますが、中国のタオバオで買い物をする際、良いなと思う点は上のように気軽にアプリ上のチャットで問い合わせができる点です。

ショップに問い合わせをすると、直後~数時間でほとんどの場合、返事がきます。

Amazonなんかだと何処に問い合わせればいいのかもよくわからないことが多いですから...

 

とりあえず自作してみる

で、結局、購入はとりあえず諦めて自作してみることに...

自作と言っても中国にはホームセンターがないので、とりあえずあり合わせの材料でやってみることにしました。(中国人の同僚に一度ホームセンターの写真見せたら、中国にもあるよって言われて連れていかれたのが、深センにあるIKEAでした...)

 

それで、今回、ファンネルもどきの材料にしたのは下記のスプーンです。(他のコーヒー器具のおまけにもらったものです)

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こいつを強引にぶった切って、自作のファンネルもどきは下のような感じになりました...

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実際にコーヒーの粉を充填するのに使ってみると、何も無いのよりはだいぶ楽に充填できるようになりました。

私の場合、ダブルのフィルターホルダーで1回に17gほどのコーヒー豆を使用しますが、一度に入れずに3回ぐらいに分けて入れています。

 

そのうちもう少し見栄えの良いもの作りたいですが、しばらくはこれで我慢することにします。

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ちなみにたまたまですが、この色、赤ですね。

この赤いイメージカラーから何を連想しますか?

私はこれを連想しました。(強引ですが...)

 

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サザビー (ガンダムシリーズ) - Wikipedia

 

もはや検索キーワードからカミラが抜けていますが... (ちゃんと赤いファンネルが飛んでいるのが確認できます...)

これから数か月後に、ググった結果、νガンダムの横に私の赤いファンネルもどきの写真が並ぶことを密かに期待しています... (もちろん検索キーワードは「カミラファンネル」です)

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました。(最近、やっとブログにも慣れてきたのか、大したことない内容で1800字以上も使ってしまいました...すみません...)

 

 

以降では本ブログのコーヒー関連のおススメ記事を紹介しています。よろしければどうぞご覧ください!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。直火式ながら調整次第でなめらかなクレマもつくることが可能です!

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。特にカミラ用に豆を挽くときは細挽きなので、一段と豊かな香りが楽しめます!

 

下記は現在お気に入りの手動コーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記の記事はタイムモアの手動コーヒーミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使うとカミラのなめらかなクレマも非常につくり易いです。

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記の記事で紹介している雲南コーヒーはあっさりが特徴と言われていますが、カミラで抽出すると濃厚で飲みやすいコーヒーが淹れられます。雲南コーヒーとカミラの組み合わせは非常に良好です!

 

 

【手鍋焙煎2.0】片手鍋にも良し悪しがある!選択のポイントは?【コーヒーの自宅焙煎】

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前回、自宅用のコーヒー焙煎器具として片手鍋が一番!という内容の下記の記事を書きました。その片手鍋も使っているうちに課題が見えてきたので、今回はその課題と解決方法について書きたいと思います。

 

 

結論を先に言いますと、前回の鍋の蓋部分はそのまま流用し、鍋本体をアルミ製の底の薄い鍋に変えました。(鍋底サイズは同一の直径16㎝で、蓋無しで500円ほどでした...)

使い勝手は良好で、当分はこれに落ち着きそうです...

 

前回の片手鍋の課題は?

検討した中ではトータルで考えて前回の片手鍋が一番良かったんですが、使っているうちに自分としてはまだ下記の2点で改善したいな~という気持ちが湧いてきました。

  • 軽量化         :もっと軽い鍋がいいかな?(現状は蓋込みで約1㎏の鍋)
  • 煎りムラ低減   :練習不足なのか鍋のせいなのか?

で、再度自分の鍋をよく見たときに、これらの課題と関係ありそうなのが鍋の底

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写真を見てわかる通り、鍋底が厚いんです。(製品説明によると鍋底は3層構造)

この厚い底は保温効果を目的としたもので、本来の用途であるスープを作ったりミルクを温めたりするときに、それらが冷めにくいようにこのような設計になっています。

また、厚い底は熱容量が大きい、すなわち熱を蓄える量が多いということで、薄い底よりも温度が下がるのが遅い反面、火に掛けたときの温度上昇も遅くなります

 

というわけで、再度、タオバオをチェックして、今度は底の薄さにも着目して鍋を探してみました。

そして、選んだのがこれ!(ここまで真剣に鍋を選んだことは、今までの人生で経験がありません...)

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選んだといっても単なるアルミ製の片手鍋ですが、送料込みで470円で入手できました。

日本だったらもう少し高くなるかもしれません...

そして、先に購入したステンンレス製鍋の蓋との相性もバッチリで、むしろガタツキが減って焙煎時に蓋が動く音がわずかになりました。

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アルミ鍋の効果は?

まずは重量の変化を見てみましょう。

  • 軽量化 :1,010g → 620g (蓋:358g / 鍋本体:262g)

というわけで、約40%の軽量化となりました。

蓋の方が重くてバランスが悪いように見えますが、コーヒー豆を含めれば鍋本体の方が重くなるので、バランス的にも問題はありません。

 

次に焙煎の煎りムラですが、180gの焙煎でも煎りムラはかなり減りました

少しわかり難いかもしれませんが、下がその写真です。

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1ハゼ前後から温度をコントロール ()するのが容易になった印象で、1ハゼから2ハゼにかけての時間を調整し易いようです。(中煎りなんかはやり易くなりました...)

※温度コントロールは蓋の開け閉めと火加減の調整で行います。

また、中深煎り程度まで煎っても、時間が経ってからの豆からのオイルの滲みが出しがかなり減ったように感じます。

 

というわけで、底の薄いアルミ鍋に変更したことにより、煎りムラが減り、1ハゼから2ハゼの時間調整 (温度調整) がし易くなった効果を実感しています。

さらに、煎りムラが減ることは可能な焙煎量の増加にもつながります。

 

また、下記のようアルミとステンレスでは熱伝導率が大きく、10倍程度も異なります。(アルミの方が10倍ほど熱を伝えやすいということ)

  • アルミ  :約230W/m・K
  • ステンレス:約20W/m・K

底の厚みの薄さに加えて、この素材としての熱の伝えやすさの違いが焙煎のコントロールのし易さに影響を与えているのかもしれません。(コンロで加熱された部分の熱が速やかに鍋底の面方向に広がり、鍋底の温度が均一になり易いイメージ

底厚のアルミ鍋を探せば底の厚み方向の熱伝導率の影響も検証できますが、そこまでは今はやる気なしです... (現状で不満を感じていないので...)

 

冷却の際に注意することは? (ドライヤーよりも重要なこと)

上記で焙煎量の増加に触れましたが、その際に注意した方が良いことがあります。

それは焙煎後の豆の冷却についてですが、ポイントとしては焙煎後、なるべく豆同士が重ならないようにすぐに広い容器に打ちあけることです。

狭い容器でドライヤーなんかを使うよりもよっぽど効果が高く、ジャラジャラと容器を振っているだけでもすぐに冷えていきます。(さらに団扇や雑誌で扇げば十分です)

 

参考までに、私の場合、下記のような目開きが5mm程度 (6目) の篩に焙煎後の豆を打ちあけています。

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左の篩が直径20㎝で、右が直径30㎝です。

だいたい焙煎量が100g以下のときは左側の篩を、それ以上のときは右側の篩を使用しています。(冷えるのが早いので、現在は量によらず右側の大きい篩を使用しています...)

下記のように類似品はAmazonでも販売されています。ご参考までに... (ホームセンター等にもあると思います)

 

追記】最近は下のように目開きの異なる二つの篩を組み合わせて使用しています。

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単に二つの篩を重ねて振るだけですが、上側に目開きが6目の篩を、下側に200目の篩をセットして使っています。

チャフのほとんどが下側の篩に落とされて溜まるので掃除が簡単です。

自宅焙煎の一つの懸念はチャフによる汚れとその掃除の大変さですが、片手鍋と上のような二つの篩の組み合わせで、掃除は非常に簡単になりました

 

2020年6月27追記】さらに上記を発展させて冷却器を導入しました... (篩の下側でファンで吸い込む仕組みになっています)

 

結論

底が薄いアルミ鍋は、底が厚いステンレス鍋よりもコーヒーの焙煎に向いているという検証結果となりました。(しかも底が薄いアルミ鍋の方が安い!)

今回、確認した底が薄いアルミ鍋のメリットとしては下記の通りです。

  • 煎りムラの減少 (その結果、焙煎量の増加)
  • 焙煎のコントロール性の向上 (特に1ハゼ以降の温度コントロール)

 

ここまで、真剣に鍋を検討したことは初めてでしたが、そこそこ納得のいく焙煎器具が得られたと思います。

コーヒーの鍋焙煎に興味を持たれた方の参考になれば幸いです!

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました。

 

2020年5月31日追記:上記の鍋を使用していて微妙に不満がでてきました。持ち手が短く熱いという問題です。対策としては鍋が安いので買いなおしました。この辺りも注意した方がいいかもしれません。

下の右側の13.5mmの方が上で紹介した鍋で、左側の15.5mmの方が買いなおした鍋です。

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以降では本ブログのコーヒー関連の記事を紹介します。よろしければどうぞ!

 

下記はこの記事の前編にあたる記事で、片手鍋での焙煎に行きついた経緯などをまとめています。

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は電動の鍋型焙煎機についての記事です。鍋焙煎が気に入っているので、同じような感じで焙煎できそうな電動焙煎機を買ってみました。焙煎条件は限定されますが、まずまずの買い物でした。

 

下記の記事では焙煎器具として電子レンジを使用しています。短時間で焙煎する際には鍋焙煎では芯残りや表面の焦げが課題になりますが、電子レンジではそれらは問題になり難く、クリアな風味の焙煎が可能です!

 

下記の記事では、お気に入りの直火式エスプレッソメーカーのカミラを使い方を中心に紹介しています。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使用すると、直火式ながらなめらかなクレマがつくれます。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記はあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーの紹介です。現在、私のお気に入りの銘柄です。

 

 

【手鍋焙煎】自宅用焙煎器具、コーヒー屋さんのおススメは蓋付き片手鍋だった!【灯台下暗し】

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今回は自宅用のコーヒー焙煎器具に関する下記の記事の続きです。

 

前回から残された課題であった焙煎量のスケールアップについて一応の答えを見出したので、ご参考までに報告します。(下の方に前回の記事のまとめも記載しました)

先に答えを言ってしまいますが、焙煎器具は上の写真にあるように片手鍋でOKでした... (初めからこれを知っていれば...という感じです...)

これからコーヒー豆の自家焙煎を始められる方は、ぜひ参考にして下さい!

 

<前回の記事のまとめ>

 家庭用のコーヒー焙煎器具の入門用としてよく取り上げられる「煎り上手」と「手網」を、私が重要と感じている下記の3点で比較しました。

  • 煎りムラが少ない
  • 再現性が高い
  • 焙煎できる量が多い (大体120〜180gが目標)

 

結果として、煎りムラと再現性に関しては「煎り上手」は良好ですが、その焙煎量には不満という状況です。

また、「手網に」は上記3点のいずれににおいても「煎り上手」以下と感じています。(あえて「手網に」のメリットを探せば器具の価格が安いところです)

  • 煎りムラが少ない → 煎り上手に軍配
  • 再現性が高い → 煎り上手に軍配
  • 焙煎できる量が多い (大体120〜180gが目標) → どちらにも不満

 

上記の三つの課題を同時に満たす焙煎器具を見つけたい!というのが前回からの引き続きの課題です...

 

ネット上で家庭用のコーヒー焙煎器具を調査してみた結果

前回の記事では、焙煎量のスケールアップ対策として、アウベルクラフトの回転式焙煎器に興味があることをお伝えしました。(下の動画の焙煎器です)


遠赤コーヒー焙煎キットの使い方

 

しかし、これ、中国で購入するとしたら2万円以上するんですよね...

ちょっとテンションも下がってしまい、もう少しネット上で焙煎器を探してみました...

すると、なんだか興味が湧いてくる動画が見つかりました。(私が心を読まれやすいのか、最近のYouTubeのおススメ機能は結構いいところを突いてきます...)

下記の動画です!


家庭でできる珈琲の焙煎方法をお伝えします!【煎りたてハマ珈琲】

 

なんと、普通の片手鍋でコーヒー豆を焙煎しています!!

しかも、鍋をずっと振りっぱなしではないところが特に驚きで、このような一定のリズムで鍋を置いたり、振ったりを繰り返すやり方で、ムラがほとんど見られない綺麗な焙煎のお手本を示してくれています!

ちなみに動画作成者のハマ珈琲さんは、喫茶店、業務用の焙煎機製造、焙煎教室などもされています。

焙煎機の製造|珈琲豆の通販|珈琲教室なら【HAMACOFFEE】

え、こんなんでいいの!?という感じだったんですが、費用も別に大して必要無いのでとりあえずやってみようと、なぜか思い立ってしまいました... (今、振り返ると不思議です...)

 

とりあえず両手鍋で焙煎してみた

上の動画を見つけた当時、片手鍋はもっていなかったので、とりあえず家にあった蓋付きの両手鍋で検証してみました。

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両手に軍手着用で、親指で鍋蓋を押さえながら焙煎してみたところ、結構、上手くできました。

むしろ、出てきた水分によって蒸し焼き状態になるので、効率よく焙煎できてると思います。

意外でした…

とりあえず焙煎仕立てのコーヒーを味わってみたい方は、家にある蓋付きの鍋を使えば、何とかなるのではないかと思います

蓋無しのフライパンも一度試しにトライしてみましたが、開放系で熱が籠もらないためか煎りムラが大きめの印象です。(でも手網よりはマシな感じはします。蓋付きのフライパンだったらもっと良い結果だったかもしれません...)

 

結論として、片手鍋にかなり可能性を感じたので、片手鍋を購入することにしました。

 

コーヒー豆の焙煎に適していそうな片手鍋を探してみた

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両手鍋による検証を元に、片手鍋の選定にあたり考慮した部分を下記にまとめてみます。

  • 蓋が動きづらいこと:選んだ鍋は下の写真のように蓋の端が鍋部分に入り込む部分が長く (22mm)、焙煎時に多少乱暴に振っても外れません。
  • 蓋に穴があること:豆から出た水がスムースに出ていくように穴があった方がいいです。(蓋を開けても水は出せますが、温度変化が大きいので再現性が低下すると思います)
  • 蓋の材質 (ガラス製):中の豆の色の変化がわかるように当然ガラス製を選びました。
  • 鍋のフッ素コーティングは不要:焙煎は空焚きみたいなものなので、どうせ直ぐにコーティングはダメージを受けると考え、コーティングは無いもを選びました。
  • 大きさ・重さ:直径は14~16㎝ぐらいでできるだけ軽い方が好ましいですが、結局、直径16㎝で重さが蓋込みで約1㎏の手鍋に落ち着きました。(特に蓋が外れにくいことを重視して選んだ結果です。もう少し軽いものが欲しかったんですが...)

 

私の場合、上記のようなことを考慮してタオバオで片手鍋を探しました。(タオバオでは ‟Momscook牛奶锅” で検索すれば、私の選んだ鍋は出てきます。価格は2,800円程でした)

で、選んだ片手鍋は下記のものになります。

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ただの片手鍋ですが、使っていくうちにだんだんと愛着も出てきました…

底も分厚くて必要以上に堅牢な気も…長持ちしそうです... (ただし、底が厚いと熱容量が大きくなってしまうので冷えにくく、焙煎のコントロールに影響があるかもしれません...ありました...)

 

【手鍋焙煎2.0】片手鍋にも良し悪しがある!選択のポイントは?【コーヒーの自宅焙煎】 - 現地採用エンジニアの中国ブログ

 

片手鍋に興味が湧いてきた方は、上記も参考にして探してみて下さい!

 

 

あとは練習あるのみ|自家焙煎

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左が片手鍋で焙煎中の様子で、右がその焙煎で得られたコーヒー豆です。

焙煎量の目安

ハマ珈琲さんに質問したところ、片手鍋で焙煎できる豆の量の目安は下記のとおりとのでした。

  • 直径14cm鍋:生豆で最大150g程度
  • 直径16cm鍋:生豆で最大200g程度

 

私の場合、まだ16㎝鍋で120g程度しかうまく焙煎できません。(量を増やすと豆の平たい部分が焦げたものが増えてきてしまうので...)

※現在は200g程度は問題無く焙煎できるようになりましたが、この辺の量からは2ハゼに到達するような焙煎度だと煙と匂いが気になります...

しかし、すでに「煎り上手」の約2倍の量の焙煎はできています。

今後、もっと攪拌の練習をして焙煎量を増やしていくつもりです。

 

焙煎練習に役立つ動画

また、基本の中深煎り以外の焙煎度の焙煎に関しても、同じくハマ珈琲さんの下記の動画を参考にして練習しています。

 


【片手なべ焙煎】コロンビア・マグダレナ・スプレモ 中煎り

 


【片手鍋焙煎】マンデリン・ビンタンリマ深煎り

 


【片手なべ焙煎】浅煎り《前編》コロンビア・マグダレナスプレモ

 


【片手なべ焙煎】浅煎り《後編》エチオピア・グジ・ゲイシャ・ジャスミンG1

 

まとめ

下記の点を重視して手軽な家庭用の焙煎器を探しましたが、なんだ結局ただの片手鍋で良かったのか...という感想です... (焙煎用と謳われている器具が、実力以上によく見えてしまっていたということですね、たぶん…)

  • 煎りムラが少ない
  • 再現性が高い
  • 焙煎できる量が多い

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片手鍋による焙煎で得られたコーヒー豆です。

 

今でも、「煎り上手」は軽くて扱いやすいので (空重量で約250g)、軽さを重視する方にはいいと思いますが、もし軽い片手鍋が見つかればそれでいいと思います...

そして、片手鍋には上記3点 (煎りムラ再現性焙煎量) で優れているのに加えて、安価中が見えやすいコンロ周りが汚れ難い焙煎後に豆が出し易いという更なるメリットもあります。(「煎り上手」や「手網」に対する比較です)

 

ただし、鍋蓋に関しては何らかの安全対策を考慮した上での使用が望ましいです。

具体的には蓋が外れ難いものを選定する、保護具の着用などです。(外れたら足の上に落ちてくる可能性もありますから…)

 

というわけで、これからコーヒーの自家焙煎を始めてみたい方や、「煎り上手」や「手網」に不満をお持ちの方には、

焙煎器として片手鍋がおススメです

(今では転式の焙煎器を試してみたいという気持ちは完全に消え去りました...)

 

また、コーヒーミルをまだ持っていない方は、浮かした費用でできるだけグレードの高いコーヒーミルを購入するのもよいのではないかと思います。(私はタイムモアのコーヒーミルが気に入っていて、下の方で紹介記事のリンクも貼ってあります)

焙煎したてのコーヒー豆をミルで挽いた瞬間は、最も香りが楽しめる瞬間です!

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

下記は本記事の続きです。焙煎用の片手鍋をさらに選定し直しました...鍋底は薄いものの方がいいようです。(価格も安いです)

 

下記の記事では、鍋型の電動コーヒーロースターを使用して気付いたことをまとめました。気に入っている手鍋を使用した焙煎と原理的には同じだと思ったので、試しに買ってみました...

 

下記は焙煎後の豆を冷やすために冷却器を導入した話です。一度の焙煎量が増えてくると欲しくなってくると思います。

 

下記の記事では焙煎器具として電子レンジを使用しています。短時間で焙煎する際には鍋焙煎では芯残りや表面の焦げが課題になりますが、電子レンジではそれらは問題になり難く、クリアな風味の焙煎が可能です!

 

 

以降では本ブログの他のコーヒー関係の記事を紹介しています。よろしければどうぞ!

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています。

 

下記の記事では、お気に入りの直火式エスプレッソメーカーのカミラを使い方を中心に紹介しています。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使用すると、直火式ながらなめらかなクレマがつくれます。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記はあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーの紹介です。現在、私のお気に入りの銘柄です。

 

 

 

【Before手鍋焙煎】自宅用コーヒー焙煎器具の「煎り上手」と「手網」の違いを比較検証【レビュー】

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左が煎り上手 (発明工房)、右が手網 (新越ワークス)

 

以前に下記のような自家焙煎に関する記事を書きました。

 

今回、はコーヒーの自家焙煎をこれから始めようとする人の多くが迷うのではないかと思われる焙煎器具についてのトピックです。

焙煎器具にはいくつか種類がありますが、ここでは現在私が使用している煎り上手手網を比較検証してみます。

焙煎器具選びに迷っている方のご参考になれば幸いです!

 

煎り上手と手網の違い

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まずこれらのような手軽にコンロで焙煎する器具 (コンロの上で焙煎器具を持って振るだけ) に望ましい特性で、特に重要なものを3つ挙げると次のようになります。(実際に半年以上使ってみた経験から)

  • 煎りムラが少ない
  • 再現性が高い
  • 焙煎できる量が多い (大体120〜180gが目標)

 

上記に挙げた3つの特性を一つずつ見ていきます。

【煎りムラ】

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多少の煎りムラに関しては私の舌では違いがわかりませんので、極端なケースの話です。(上の写真でいうと極端に黒いような豆です。特に平べったい側が焦げやすいのですが、焦げた豆が入っていると私でも飲んでわかります (これは取り除かないとマズイです...))

煎りムラの原因に関しては、仕込む豆の量の過不足、攪拌不足、火の強さ、直火 (特に焦げやすい) が挙げられます。

 

仕込む豆の量の過不足

仕込む豆の量と煎りムラの関係は煎り上手と手網に共通で、量が多すぎれば豆が器具内で攪拌し難くなるのでムラの原因になり、また量が少なければ熱が逃げやすいため強目の火で焙煎にすることになり、これもまたムラの原因になります。

強火と弱火を比べると強火の方がムラになりやすいですが、弱火で時間を長くとるとコーヒーの風味が弱くなっていきますので、適当なポイントを自分で見極める必要があります。

仕込み量に関しては、適量は煎り上手で50~70gといったところで、手網に関しては各種サイズがありますが (私が使用している手網は底の直径が14㎝ほどですが、仕込み70~100gといったところです)、コンロのサイズに対して大きすぎる手網を使用すると、これもまたムラの原因になりやすいと思います。(手網はスカスカで熱が籠りませんので、強火にすることになり、より難しくなります)

 

攪拌不足

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上の写真は左が煎り上手で右側が手網です。

写真を見てわかりますように煎り上手には底がフラットではなく、真ん中がやや鋭角に突き出るような形状になっています。

この形状により煎り上手は左右に振るだけで、豆が効率よく攪拌されるような仕組みです。

 

一方、手網ですが、こちらも写真でわかるように高さ2㎜程度の突起部が底に形成されていますが、この程度では豆の攪拌にはあまり役に立たず、焙煎時には左右の縁に強く豆を当てて攪拌するような感じになります。

はっきり言って、手網の方が疲れます...

下記のブログの方のように網の形状を自分でカスタマイズされている方もおられますが、気持ちはよくわかります。

IMG_7016

 手網焙煎入門〜家でサードウェーブコーヒーを再現する方法〜 | オニマガ

 

なので、煎り上手と手網の購入時の状態では煎り上手の方が攪拌効率は高いわけですが、手網の方は自分でカスタマイズする楽しみはあるかもしれません。

 

火の強さ

火の強さは当然ですが、煎りムラに大きく影響します。

火の強さが強いほど焙煎反応が早く進むためより早い攪拌が必要になるのに対し、火を弱くすると焙煎反応はマイルドになるので攪拌もその分ゆっくりでよくなります。

しかし、火の強さをある程度強くして手短に焙煎を終了しないと、風味も減ってしまいますので、ここのバランスが重要になります。

上で見たように攪拌自体は煎り上手の方が効率がよいので、煎り上手の方が強火を使いやすいです。

手網で強火を使うと攪拌にかなりの労力を要し、はっきりいって再現性は煎り上手よりも低いかなという印象です。

 

直火

そもそも煎り上手を先に購入した私がさらに手網を購入した理由が「直火」です。

直火で焙煎すると風味がどう変化するのかなと純粋な興味からです。(手網は安いですし...)

ですが、これは失敗でした...

直火で焙煎するのは難しく、ムラどころか、簡単に焦げたり燃えたりします... (煎り上手と同じ感覚でやると火が出ます...)

 

調べてみると、火を当てないように熱風で焙煎しなければならず、手の高さもより高いところで手網を振り続けなければなりません。(手網は冷えやすいので、サイズが大きいとコンロもそれに比例して大きなものが必要になると思います)

焙煎の最後に表面を軽く直火であぶるなどすれば、もしかしたらよいのかもしれませんが、少なくとも焙煎の最初から直火は扱いにくいですね...

一方の煎り上手は豆には金属からの伝熱と熱放射で熱が加わり、容器もある程度は熱が籠る設計なので、加熱の調整がし易く、小さいコンロでも十分に焙煎可能です。

 

以上、煎りムラに関して、その原因である仕込む豆の量の過不足、攪拌不足、火の強さ、直火について詳しく見てきましたが、まとめると下記のようになります。

  • 仕込む豆の量の過不足手網の方が多めに焙煎できる可能性はあるが、コンロのサイズにも依存する。
  • 攪拌不足      :煎り上手の方が攪拌しやすい
  • 火の強さ      :煎り上手の方が強火を扱うのに有利(直火でないのも大きい)
  • 直火        :デメリット多い (手網が不利)

 

というわけで、煎りムラに関しては煎り上手の方が対応しやすく、良好です。

 

【再現性】

再現性に関しては説明するのが難しいですが、主に時間で判断しています。(1ハゼ、2ハゼまでの時間、それに加えて主観的ですが風味も)

これに関しても煎り上手の方が再現性は高くて良好です。

12月のこの時期、手網の方は近く窓を開けて焙煎しても時間が大きく変動しますし、振るのに疲れるので、焙煎の際の火からの高さも一定にし難いです。(私は...)

 

【焙煎できる量に融通がきく】

焙煎できる量に関しては、煎り上手と手網のどちらも融通がきかないですね...

上にも書きましたように煎り上手で50~70g、私の持っている底の直径が14㎝の手網で70~100gといったところで、量が多くても少なくても焙煎に悪影響なので、あまり調整はできません。

現状は、煎り上手の方が簡単なので、煎り上手で何度も必要な分だけ焙煎していますが、何とかしてスケールアップしたいですね。(今後の課題です)

 

【その他】

中身の視認性

上で見てきたように、煎り上手に対して手網のメリットは特性的にはほぼありません。(手網の価格的なメリットは大きいですが...)

あとは私が手網を使用する前に、手網に期待していたことに焙煎時の豆の色の変化がわかり易いのではないかということです。(煎り上手の入り口は狭いですから...)

で、写真で比較してみます。

 まずは煎り上手から。

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このような感じです。

焙煎するときは、一瞬手を止めて、明るい方に中をかざして、豆の色を見るようにしています。

続いて手網です。

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こんな感じです。

ハッキリ言って、中の豆の色の変化は、煎り上手よりも手網の方がわかり難いです。

私が使用している手網は目開きが1.5mmですので、中の豆の色の変化もよく確認したい方は目開きがより大きいものを選択した方がいいでしょう。(例えば目開き2.5mm以上とか...)

また、フタを手元で押さえながら使用するものもあり、このようなタイプであれば途中でフタを開けて中を確認できます。

 

掃除

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コンロ周辺に落ちる薄皮 (チャフ) の量は手網の方が多いですが、掃除機を使えば煎り上手でも手網でも掃除の簡便さは大差はありません

ただし、コンロ周りが油で汚れていると掃除困難ですので、あらかじめ油汚れはできるだけ除去しておいた方がいいです。

 

手網ならスケールアップできるか?

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現状、煎り上手に私が感じている課題はスケールアップです。

大体120〜180gぐらいは一度に焙煎したいと考えています。

手網には直火以外にスケールアップの可能性も期待していたんですが、実際に手網を使用してみて、手網という形態でスケールアップは難しいという印象です。

そこで、ネットで色々探してみて下記の動画の焙煎器に今のところ興味を持っています。

 


コーヒー豆を自家焙煎するよ! ☆ Roasting green coffee beans at home

 

なんか、普通に焙煎してコーヒー飲んでるだけなんですが、すごくおいしそうに見えます。(視聴数が20万超えていますね...)

動画中の回転式焙煎器はアウベルクラフト社製のものだそうです。

今後、さらにスケールアップできそうな焙煎器を調査してみようと思っています。

※追記:調査しました。(答え:片手鍋でした...)

 

自家焙煎初心者にどちらがおススメか?

※追記:私自身の一番のおススメは片手鍋となりました。(気になる方は上記の記事を参照してください!)

実際に煎り上手と手網を使用してみた感想ですが、私としては煎り上手の方が使いやすいので好みです。(火加減をつかむのも早いと思います)

しかし、価格が大きく異なります...(3倍前後でしょうか...)

予算的にOKであれば、これから焙煎をしたい人にはもちろん煎り上手を勧めます。

 

ただし、手網焙煎でも焙煎後に、煎りムラ豆をハンドピックしたりすれば十分に美味しく飲めますし、人によっては苦も無く手網を振り続けられるかもしれません。

ちょっとお試し程度に焙煎したてのコーヒーを楽しみたいのであれば、手網でも全然OKだと思います。

 

下記は私が持っている手網と同じ会社のものですが、フタを指で押さえる形式になっていて、中の焙煎の色は確認しやすそうです。ご参考までに。

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

以降では本ブログのコーヒー関連の他の記事を紹介しています。よろしければどうぞ!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使用すると、直火式ながらなめらかなクレマもつくれます。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。

 

下記は今回の記事の続編にあたり、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記はあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーの紹介です。現在、私のお気に入りの銘柄です。

 

 

 

【どちらが模倣?】タイムモア SLIM (スリム) vs ザッセンハウス Barista Pro【手挽きコーヒーミル】

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今回は、私が最近気に入っているコーヒー器具ブランド “タイムモア (TIMEMORE)" のトピックです。

といっても今回は製品レビューではなく、中国の新興企業であるタイムモア自社の手動コーヒーミル製品の盗作 (?) に憤り、150年の歴史を誇るドイツの老舗ザッセンハウス (ZASSENHAUS) に対して訴訟を起こしたと報じられたので、その件について紹介します。

 

德国老牌抄袭中国原创?!|微信ニュース

‟SLIM磨豆机抄袭事件”跟踪报道|微信ニュース (続報)

 

ドイツの老舗と中国の新興企業

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引用:https://media.weibo.cn/article?id=2309404443195558723602

ドイツの老舗であるザッセンハウスとは?

ザッセンハウスは150年の歴史を誇るドイツのコーヒーミルのメーカーですが、2006年に倒産してしまい、2007年から新しい経営体制 (調理器具メーカーの傘下)で再スタートしています。(ホームページがドイツ語しかありません...)

その品質には高い定評があり、最高峰という声も... (私は名前は聞いたことはありますが、使用したことはありません)

日本での販売元はメリタジャパンが担当しています。

 

タイムモア (TIMEMORE/泰摩) とは?

タイムモアの公式ホームページによると、タイムモアは2012年に数人のコーヒー愛好家が集まってスタートした会社で、創立間もないコーヒー器具メーカーとのことです。(器具に加えて焙煎豆なんかも販売しています)

たぶん手動 (手挽き) コーヒーミルが一番有名で、私は二つ持っています。

中国メーカーらしくコストパフォーマンスが高いですが、質感やデザインも優れています。

ちなみに下記は本ブログのタイムモアのコーヒーミルに関する記事です。(G1シリーズはタイムモアのハンディタイプのフラッグシップで、Cがエントリーモデルです)

 

問題となっている手動コーヒーミルを見てみる

問題のコーヒーミルはこちら。

まずはザッセンハウスからですが、ホームページに該当製品 (Barista Pro)の紹介があります。(これは日本では販売されていないようです販売が決定したようです)

 

▼参考 (Barista Proの日本での販売について。価格設定はかなり強気に見えますね...)

 

 

次はタイムモア。

ホームページに該当製品 (SLIM (スリム)) の紹介はありませんでしたが、YouTubeの方にはありました。


TIMEMORE: SLIM Manual Coffee Grinder | Easy to hold | 泰摩Slim咖啡磨豆机

 

タイムモアは1200元 (約20,000円) でザッセンハウスのBarista Proを購入したそうで、比較写真が引用元の記事に多数掲載されています。

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引用:https://media.weibo.cn/article?id=2309404443195558723602

 

上の左がザッセンハウスのBarista Pro右がタイムモアのSLIMですが、判別するのかなり難しく (というか無理)、粉受けの裏のブランドマークぐらいしか違いがわかりません。

中身はどうでしょうか?

下記がそれぞれを分解して並べた写真です。

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引用:https://media.weibo.cn/article?id=2309404443195558723602

 

先と同様に左がザッセンハウス右がタイムモアですが、内部のパーツまでそっくりです。

しかも粉受けは互換性があり、互いの粉受けを交換して着用することも可能だそうで...

また、下記は粒度の調整ダイヤルの写真です。

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引用:https://media.weibo.cn/article?id=2309404443195558723602

 

ここまで似ていると (同じだと)、偶然の一致で片づけるにはかなり厳しいような気がします。

 

問題を時系列で整理

2016年     :タイムモアが手にかかる負荷の低減をコンセプトにSLIMを設計

2017年3月23日:タイムモアが中国でSLIMのデザインに関する特許 (注1) を申請

2017年3月末 :上海HOTELEX展示会でタイムモアのSLIM (プロトタイプ) がデビュー

2017年9月29日:さらに細部のチューニング後、天猫モールで販売開始 (この2年で1万個以上を販売)

2018年12月3日:ザッセンハウスがSLIMを包括するデザインに関する下記の特許をドイツで申請 (Design No. 402018204052) 注1)

 

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~~~~~~~~~~

 

2019年5月  :タイムモアが海外のサイトでSLIM (スリム) にそっくりなザッセンハウスの新製品 (Barista Pro) を発見。ここからタイムモアとザッセンハウスのやり取りが始まります

 

注1)実際に中国の特許庁でTimemoreのSLIMに関する外観設計専利 (外观设计专利、日本における意匠に相当) の出願時期を確認してもザッセンよりも速いですね。

 

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中国ブランドは決して「パクリ」の代名詞にはなりません (by TIMEMORE)

以下、微博記事からの抜粋の和訳です。

我々 (タイムモア) は各種のオリジナルデザインの証拠をザッセンハウスに出しました。

ザッセンハウスは (アウトソースのデザインパートナーに) きっと騙されたとのだと思いました。

そして、ザッセンハウスの歴史に敬意を払い、友好的に解決案を検討を申し出ました。

今考えてみると、我々は幼稚すぎたのかもしれません。

ザッセンハウスは返信の中で、このミルは確かに彼らが完全に設計したのではないと認めていますが、彼らも多くの努力を割いたと...

そして、ザッセンハウスはSLIM (スリム) のサンプルを見せてくれと言ってきました。

我々はSLIMのサンプルを提供しました。

それから解決策を何度も問い合わせましたが、手に入れたのは、度々の言い逃れだけでした。


返事がない…

休暇をとる...

忙しい…

止めどない遅延…

高慢な言い訳...

半年近くが過ぎました...


相手の冷ややかな対応により、我々はこの模造品の件がだんだんと沈静化しつつあると思っていました。

ひょっとして彼らは真相を理解し、この製品 (Barista Pro) のプロジェクトを中止したのでしょうか?

~~途中略~~~~

2019年のイタリアのミラノ展示会で、参加者の皆さんから熱いフィードバックをいただきました。

我々の製品がヨーロッパに認められたことに喜びを感じています。

ところが、急にスイスのあるお客さんがSLIMを指差して歩いてきました。

「あなた達はオリジナルですか? この製品は明らかにザッサンハウスのものに見えます!」

この言葉で、我々の心の中は突然悔しさと憤懣が満ち溢れてきました。

そして、我々は販売店に通知を出して、彼らのサポートやアドバイスを期待しました。

しかし、我々のいくつかヨーロッパの販売店と大口の取引先は、特許紛争を心配して、続々とSLIMの多額の注文書をキャンセルしてきました。


これらのヨーロッパの販売店は、2018年12月以前から、我々の製品をとっくに販売しています。(※ザッサンハウスの特許の申請日が2018年12月のため、これ以前に特許に含まれている製品が販売されていれば、その特許は新規性が無いので無効です)

あなた方は、まだ私たちを信じられないのですか?

この時、「中国ブランド」に対して海外の深い偏見を感じました。

販売店関係者は我々を信じても、一般の人は信じないのでしょう。

ヨーロッパの人々にとって「中国製」は模造品と同じです。

ドイツの老舗ブランドが、中国メーカーを模倣するとは信じられません。

二つの製品が同じなら、きっと中国製の方が模造品だと思うのでしょう。

~~途中略~~~~


目の前の現実は残酷です。

このような偏見は依然として根強く残っています。

中国ブランドとドイツの老舗ブランドの間にトラブルがあった場合、いくら証拠を出したとしても我々の言葉は無力です。

しかし、我々は自慢できる製品を持っています。

中国ブランドとして勇敢に海外に出て、実力を示したいです。

~~途中略~~~~

私たちはデザインのために、製品のために努力と汗を払いましたが、偏見の前に、容赦なく踏みにじられました。

我々は盗作の被害者であるのに、反対に盗作者と見なされます。

私たちはもう泣き寝入りしないと決めました。

国際特許訴訟に向かいます。

我々は盗作者の特許を無効化し、我々の海外の販売店を安心させ、我々の製品をグローバルに思う存分販売してもらいます。

~~途中略~~~~

 
中国ブランドは決して「パクリ」の代名詞にはなりません。

 

というわけで、タイムモアとザッセンハウスの特許係争が始まりました。

実質、タイムモアの特許は中国国内、ザッセンハウスの特許はドイツ国内でしか有効ではないので、お互いにそれぞれの国でビジネスをしなければ特許的には問題はありません。(ザッセンハウスの方がMade in Chinaであれば問題になるかもしれませんが...)

 

むしろタイムモアの方はドイツのザッセンハウスの特許の無効化し、ドイツの老舗ブランドにコピーされるようなブランドとして、自らのブランドイメージの回復や向上を狙っているのでしょう。(ヨーロッパ向けのよいプロモーションになることを期待しているはずです)

 

これまで中国メーカーのブランド価値を低下させたのは中国メーカーの自業自得な面もあると思いますが、個人的には今回の件はタイムモアの方を応援しています。

中国で働いているので肌で感じていますが、中国メーカーもピンキリで、中国メーカーを一括りで応援する気には甚だなれませんが...

ただし、オリンピックではないので日本メーカーに対しても、日本だからという理由で一括りで応援する気持ちもないです。

 

SLIMと同社の他モデルとの比較|タイムモアのミルの種類

今回、タイムモアのSLIMをあらためてチェックしてみて、気付いたのは日本でエスプレッソ向けSタイプが販売開始されたことです。

日本だとSタイプがNanoしかありませんでしたが、Nanoの場合、一度に挽ける豆の量が約15gで、エスプレッソでダブルにした場合や、マキネッタでいうとモカエキスプレスの3cup以上やカミラ (Kamira) といった用途では挽ける豆の量的に十分ではありませんでした。

一方、SLIMの一度に挽ける豆の量は約20gで、これらの用途にも対応できます。

そのため、タイムモアのミルでエスプレッソ向けが欲しかった人には、SLIM(S)の方がおススメです。

 

また、その他のSLIMの特徴としては、まとめると下記の通りです。(G1SCでの使用感からコメントしています)

  • 持ち易さ :直径が45mmとシリーズ中で最細 (他は直径約52mm)、かつ表面の滑り止め立体パターン → シリーズ中一番持ち易く、手が小さい人にはうってつけだと思います。
  • 質感   :アルミ削り出しの本体ボディ+木製パーツ → G1やNano相当
  • 豆挽き性能:ダブルベアリング機構と共通の臼刃 → G1やNano相当 (私はエントリーモデルのCでも違いはあまり感じられませんでした...)

 

  • 重量   :G1 (560g) / SLIM (440g) / C (430g) / Nano (360g)
  • Sタイプ  :日本にも導入済み
  • 豆挽き量   :G1 (約25g) / SLIM (約20g) / C (約20g) / Nano (約15g)

 

  • 豆の投入 :Cで若干気になったのは、ハンドリング側のベアリング固定部品が豆の投入時に若干邪魔になることですが、SLIMはベアリングが奥まったところにあるので問題なさそうです。(これはアルミ部品の強度が十分にあるため、G1やNanoと同様にこのような配置ができるのだと思います。Cは樹脂パーツなので負荷を低減するため、ハンドルに近づけているのでしょう)
  • 価格     :NanoとCの中間 (ハンドルのギミックが無い分だけNanoよりも安い)

 

以上、タイムモアのSLIMが気になる人のご参考までに... (私はもしG1Sを持っていなかったら、このSLIMのSタイプを購入したと思います...後継機種を購入しました...)

 

現在、楽天やYahoo ショッピングではSLIMの取り扱いがないかもしれません。Amazonでは色とノーマルかSタイプかの選択ができます。

 

2020年10月05日現在、中国ではSLIMやG1のノーマル刃とSタイプの臼刃が新規の臼刃で一本化され、新グレード (Plus) がリリースされました。(中国現地調べ)

 

ご興味のある方は、下記の記事をご参照ください!

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

以降では本ブログのコーヒー関連の他の記事を紹介しています。よろしければどうぞ!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。クレマを上手くつくるにはコーヒーミルでの粒度調整は非常に重要です。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使うとカミラのなめらかなクレマも非常につくり易いです

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記ではあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーを紹介しています。現在、私のお気に入りのコーヒー銘柄です。

 

下記はちょっと毛色が異なりますが、中国語のコーヒー用語をまとめました。

 

 

【レビュー】タイムモアC 手挽きコーヒーミル | 質実剛健なエントリーモデル【TIMEMORE】

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上の写真のコーヒーミルはタイムモアC。シンプルなデザインですが表面の凹凸パターンは滑り止めの役目も果たしています。

 

以前に下記のTimemore (タイムモア) の手挽き (手動) コーヒーミル G1を記事にしましたが、思いのほか読んでくれる方も多く、記事にした甲斐がありました。(当ブログとしてはかなり多かったです)

 

 ▼参考:Timemoreのミルの種類一覧も下の記事に追記しました。(2021年1月現在)

 

最近、実はハンドドリップ用にもう一つ手動コーヒーミルが欲しくなり、Timemore Chestnut C (タイムモア C / 栗子C) の方も購入してしまいました。(G1Sを直火式エスプレッソ向けに固定)

直火式エスプレッソとハンドドリップ向けの変更のたび、いちいち挽き目調整でダイヤルを大きく動かくのが面倒になったのと、以前からあったポーレックスは会社に持っていこうかなと...

 

そのようなわけで、今回は前回の記事を読んでくれた皆さまへの感謝の意味も込めて、タイムモアCのレビューをさせて頂きます!

 

【追記】2020年からTimemore Japanの公式サイトがオープンしています。

  ▶ TIMEMORE JAPAN (公式サイト)

 

上記の公式サイトからも製品の購入も可能です。

現状、Timemore製品の購入を検討中の方は、Amazonなどの通販サイトだけでなく公式サイトの確認もおススメします。(AmazonにもTimemore Japanからの出品はありますが...)

なお、上記の公式サイトはTimemoreが所有権を持ち、運営を中国 (深セン) の正規代理店が任されているそうです。(サイト担当の方は日本語OKでした)

 

▼Timemore Japanの公式サイトにユーザーレビューを寄稿しました。

【TIMEMORE Black Mirror】スケール導入で自宅コーヒー環境がより快適に!

 

また、AmazonにはTimemore専門店という名称でブランドショップが開設されていますが、こちらもTimemoreの公認だそうです。(運営は中国の正規代理店)

TIMEMORE C2@Amazon-Timemore専門店 (リンク先ページ内の ”TIMEMOREのストアを表示” で取り扱い商品一覧が表示されます)

※Timemore JapanとTimemore専門店の運営は、それぞれ別の中国の正規代理店です。

 

まずは挽いてみよう!|妥協していない挽く性能

まずは、コーヒーミルの最も重要な特性である豆を挽く性能について見てみます。

TIMEMORE "C" は過剰な機能・材料を省き、残すべきところ (切れ味) を残して価格を下げたエントリーモデルです。

そのためCの豆を挽く性能に関しては、評判通り上位機種のG1 (ノーマル刃) と大差を感じさせないほど良好です。(ただし、全体的にG1よりもミルの剛性が低いためか、挽いているときにやや安定感に劣るような印象はあります)

※2021年6月現在、既に上位機種はノーマル刃から改良された刃に変更されています。(ただしNanoはノーマル刃が残っている模様)

 

この切れ味の良さは実際に挽いてみれば一目瞭然なのですが、文章では上手く伝えられなくてすみません...

下の写真はCで挽いたコーヒー豆 (中国雲南産、中煎り) です。

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上の写真で、左端が10クリック (#10) の粒度でエスプレッソ向け、真ん中が15クリック (#15) の粒度でハンドドリップ向け、右端が24クリック (#24) の粒度でフレンチプレス向けに挽いたものです。(15クリックはドリップ用としては細かく見えますが、実際細かいですね)

なお、タイムモアのミルは内部のダイヤルのクリックで粒度を調節しますが、説明書にある粒度のクリックの目安は下記の通りです。(数字が小さいほど粒度が細かい)

  • エスプレッソ 6~12クリック (5以下は刃の破損防止のためメーカー非推奨)
  • ハンドドリップ:15~24クリック
  • フレンチプレス:25-27クリック

 

上記の推奨のクリック数ですが、現在は下記のように改訂されていました。(2020年9月現在)

  • エスプレッソ 10~14クリック
  • ハンドドリップ18~24クリック
  • フレンチプレス25-27クリック

 

挽き豆自体の出来栄えはG1と遜色無く、粒度が揃った挽き豆がサクサクと得られます。

ハンドドリップではお湯の通りも良好で、抽出を調整しやすいです。

使用する豆やフィルターとの兼ね合いもありますが、私自身はハンドドリップでは18、19クリックあたりを使うことが多いです。(クレバードリッパーを使いだしてからは22~24近辺が多いです)

 

ただし、さらに粒度が細かくなるにつれて下表のように急に挽くのに要する時間が急激に増加していきます。(このときの条件は中煎りの豆を各15g、安定的に同じペースでゆっくり挽いたときの時間)

 

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豆の種類によっても異なりますが、だいたい9クリック (#9) もしくは10クリック (#10) のあたりを境に、挽くのに要する時間は急激に増加する傾向です。

この傾向はG1も同様で、設定粒度が細かくなると臼の中に豆がなかなか入っていかないような感触になります。(一度、粗挽きにしてから、もう一度ミルに入れて極細挽きというのも試してみましたが、あまり効果はありませんでした...)

 

そのため、やはりG1と同じくCもエスプレッソ用途についてはそれほど向いているとは思えません。(時間をかければ細かい豆は挽けますが、粒度の微調整はかなり困難です。粒度が揃っている分、見た目が細かくても圧力は抜けやすい感触です)

エスプレッソ向けはお試し程度に考えておいた方がよいと思います。

 

清掃と分解|シンプルで作業性良好


TIMEMORE | How to clean C Grinder!!!!!

 

ミルの清掃に関しては、Timemore公式チャネルの上の動画が参考になりますので、サラッと見てみて下さい!

シンプルで作業性も良好な部類です。

 

私はG1で慣れてしまったので、もう大した手間とは感じていません...

むしろポーレックスを使っていた時よりもミルに愛着ができて、清掃頻度は増えました...

 

また、普段のメンテナンスは下記の記事にもまとめました。 

 

分解に関してはCの場合、G1のようなトルクス型の特殊ドライバーは必要ありません。

通常の+ドライバーで粒度調節ダイヤル周辺の4本のネジを外せば、下の写真のように臼刃一式取り外せます。

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下の写真が限界まで分解した写真です。(+ネジまで外すことは稀だと思いますが...)

見慣れてしまったのか、それほど部品が多いとは感じません。

ポーレックスのようなセラミック刃と比べてCの金属刃は鋭いので、取り扱い時には注意が必要です。

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優れた切れ味を有し、かつ粒度が揃う仕組み

Timemore G1 (ノーマル刃) も持っているので自信をもって言えますが、豆を挽く性能に関してはCは上位機種のG1と遜色ありません。(エスプレッソ挽きがイマイチなのも一緒...)

 

優れた切れ味

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まずはCの切れ味が優れている理由ですが、使用している刃の形状・サイズ・材質 (ステンレス) が上位モデルと同じだからです。違いはチタンコーティングの有無のみです。(上の写真の左がCの刃で、右がG1の刃です。仕様をみる限り、このCの刃は現行Nanoや一世代前のG1と同じ刃のようです)

さらに、G1のチタンコーティング刃をCにセットして数回使用してみましたが、明確な違いは感じられませんでした。(メーカーの説明ではより省力で挽けるとの記載でしたが...)

 

ちなみに、中国現地でスペアの臼刃の販売価格は約2,000円、C自体は約4,500円で、Cの原材料費に占める臼刃のコスト比率はかなり高そうです。(価格は2019年10月現在のタオバオ調べ)

エントリーモデルといっても、切れ味に決定的な影響をもつ臼刃には良いものをケチらずに使用しているようです。

 

ちなみに、2019年10月現在、日本製ポーレックスの価格も中国の方が安く、Cと同程度の価格です。(日本におけるポーレックスの価格は、日本でのポーレックスのブランド力の強さなどを反映しているのではないかと思います。昔はもっと安かったですし…)

 

粒度が揃う仕組み

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次に粒度が揃う仕組みですが、上の写真に見られるように上下の二つのベアリングで軸をガッチリと固定しているためです。(左が臼刃側で、右が投入口側です)

ポーレックスのように臼刃側しか固定できないと、軸のブレが大きくなり、挽き豆の粒度がバラツキやすくなります。(ゆっくり回せばいく分マシになりますが...)

 

ただし、G1のベアリングは "JAPAN" の表記がありますが、Cの方はその表記が無いので、おそらくコストダウンのため中国製になっていると思います。

上の写真の右側がハンドル側のベアリングで、G1と違い樹脂の下に隠れていて、こちらの交換は無理そうです。(樹脂部を取り外せないので…)

 

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引用:タオバオのTimemore直営店の製品説明から (左がタイムモア C、右がタイムモア G1)

 

また、Cの製品説明で引用されている下記の特許はG1と同じ特許であり、Cが上級モデルであるG1と同じ設計思想に基づいている製品であることもわかります。

 

CN205795545U - Manual bean grinder - Google Patents

 

その他、G1と大きく違うところ

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上の写真のようにCは使用している樹脂部品が多いです。(赤い部分が樹脂で、ポリカーボーネート樹脂です。ただし、下の方のマイナーチェンジ情報で説明していますが、樹脂部分は段々と減っています)

なので、アルミ削り出し部品やクルミの木なんかを使用しているG1の方が当然のごとく質感は高いです... (そもそも価格が倍以上異なっていますから...)

※追記:月に50~70回ほどのペースで約1年使用していましたが、特に異常は見当たりません。

 

また、上の写真で左上の内部写真をみて貰えば分かるように、Cはシャフトのベアリング部を樹脂で本体内側に3点止めしていて、かなり外側 (豆の投入口) に近い場所です。

このため、豆の投入時に樹脂部に当たり易く、気を付けないと豆が飛び跳ねます。(これはシャフト上部もベアリング固定している構造的なデメリットかも…)

ただし、G1はもっと奥まったところで、剛性の高いアルミの2点止めなので、豆が飛び跳ね難いです(下記の製品説明にもあるようにG1の方は意図された設計です)

 

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 タオバオのG1の製品説明から引用

さらに、G1の蓋なんかは金属音も立てずに “シュポッ” としっとりと閉まったりして (高級車と大衆車のドアのような違い)、細かいところでG1は高級感が光ります。(全体的にG1の方が剛性も高く感じます)

かといって、Cの黒いアルミ製のボディでも安ぽっさを感じることはなく、ミルとして必要十分です... (細かい点は2つのミルを直接比較してみないと気付かなかったと思います)

 

樹脂の多用はコストダウンのため仕方ないと思いますが、重量的にはG1が約560gCが約430gと軽量化のメリットもあります。

また、Cは挽き豆を受ける桶の内部が樹脂製で (上の写真の右上)、静電気による粉の付着も心配しましたが、特に気になるほどでもなかったです。(アルミ製のポーレックスやG1と比べても大差無し。ただ細挽きだと少し気になるかもしれませんが、それは他のミルも同様です)

 

マイナーチェンジ情報 (適時改訂:2021年3月現在)

2020年7月現在、中国で販売されているCの粉受けは樹脂を使用しないアルミのみの構成に変更されています。

色は白と黒のみになり、樹脂パーツの色は持ち手部分も含めてボディに合わせた色に統一されています。(価格含め、その他の変更点はありません)

 

下記の写真はタオバオのタイムモア直営ショップからの引用です。

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同じくこちらもタオバオのタイムモア直営ショップからの引用です。

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このデザインも 外观设计专利 (外観設計専利/日本における意匠) として中国の特許庁に登録されています。(最近は中国メーカーも知的財産権を意識しています)

(製品名称は小栗...社内の開発コードネームかも...)

 

なお、日本のAmazonなどではTimemoreのC1C2といった表記がありますが、中国では製品名称はずっと "C" のままであり、C1やC2という表記での販売はされていません。

 

そのため中国モデルと日本モデルの名称は異なってはいるのですが、中身は基本的に同一であるため、いずれ上記のように粉受けはオールアルミ製に変更されていくと思います。

また青色や赤色に関しては今後ラインナップから外れていくのかもしれません。

気になる方はAmazon等でご確認をお願いします。(下記のリンク先は既に製品説明にアルミ製の粉受けが反映されています)

 

タイムモア 栗子C2 手挽きコーヒーミル (Amazonでチェックする)

 

また、中国サイドでは臼刃のバリエーションが追加され、エスプレッソを考慮したCEとというモデルが新たに追加されました。(2021年1月現在、CEは廃盤になった模様です)

CEの臼刃は現行G1SやNanoSの臼刃と形状が似ていますが、材質は異なっています。(CEはステンレス、Sタイプは炭素鋼にチタンコーティング)

 

下記がその臼刃です。(こちらもタオバオからの引用です)

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2021年3月現在、粒度調整ダイヤルの素材がアルミに変更されました。

樹脂部分がさらに減り、質感が高くなったように感じます。(上記機種は元々アルミ製)

 

なお、変更されたパーツに関しては互換性があり、旧製品にも使用可能とのことです。(TIMEMORE JPに確認済み)

 

▼参考:TIMEMORE JP、またはAmazonでパーツの購入も可能です。

 

2021年7月現在、タンクと粉受けの容量が20g→30gへと増えたC2 Maxがリリースされました!刃など、容量以外はC2と同一とのことです。(ただし重量も430g→505gにアップなので注意)

 

 

 

サイズ|一度に約20gの豆を挽くことが可能

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サイズはポーレックスと比較すると上の写真のような感じで、ミルの直径は外径でポーレックスが47mm、Cが52mmで、若干Cの方が太いです。

どちらも握り易く持ち易さはそれほど違いを感じませんが、表面の凹凸加工によりCの方が滑り難いです。(この凹凸はデザイン面と実用面の両方を意識したものです)

 

一度に挽ける豆の量はポーレックスが約25gに対し、Cは約20gです。(G1は約25g、Nanoは約15g)

ちなみにマキネッタでいうとモカエキスプレスの3cupで一度に約20g、カミラ (Kamira) で約17g使用しますので、Cはこれらの用途にも対応できます。(Nanoでは少し不足すると思います)

蓋を外したときに上の写真の右下のようにシャフトが上に出っ張っていないCの方が、豆をスムーズに入れられます。(シャフトとスプーンにぶつかり難いので)

ただし、Cは上部のベアリング部を固定している樹脂に豆が当たると飛び跳ねることがあるので、その点は少し注意した方がいいです。

 

手の小さい人であれば、持ち易さはポーレックスの方がやや良好なのかもしれません...

しかし、挽く際の手にかかる負荷は断然Cの方が小さくCの本体表面の凹凸パターンは滑り止めの役目も果たしています。

ポーレックスで問題なく持てている人であれば、Cは問題なく取り扱えると思います。

 

他社のエントリーモデルとの比較

タイムモアCも発売されてから1年以上が過ぎました。(G1は4年以上)

中華圏にある競合他社も同じ (?) 臼刃を使用したモデルをラインナップしつつあります。

下記はその例です。(Timemore C以外はそれぞれタオバオからの引用です)

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見てのとおり刃は見事なまでに同じ形状で、1ZpressoのQ2はサイズも明記されていて外径38mm、内径29.5mmとあります。

ちなみにタイムモアCの刃のサイズを測ってみるとQ2とそれと全く同じです。

また、これらのモデルは全てベアリングを採用していることも共通で、豆を挽く性能に関してはタイムモアCとほぼ同等であると推測しています。(ハンドルの長さや形状、全体の剛性の違いで、挽く際のフィーリングが若干異なるとは思いますが...)

 

それぞれの特徴を下記にまとめますので、興味のある方は調べてみて下さい。(特徴は私の印象に基づいていますので、ご参考までに)

  • タイムモアC :最も低価格、耐久性は一年近く使用していて特に問題なし。

       ▶ タイムモア 栗子C2 (Amazonでチェックする)

 

  • 1Zpresso Q2 :日本でも知名度が上がってきたブランドで、金属仕様の質感がとても高いです。Q2はエントリーモデルですが、国内代理店を通じて購入すると価格がかなり上がってしまいます... (最近、私自身は1Zpressoの別のモデルを購入したので別途紹介予定です) 

       1Zpresso Q2 (Amazonでチェックする)

 

  • Hero S03    :タイムモアCよりもコンパクトで、ハンドルが収納できるのが特徴です。Heroは中国のコーヒー用具のブランドで、他の記事で紹介していますが、私自身はこのブランドの電気ケトルやミルクフォーマーを使用しています。

       ▶ Hero S03 (Amazonでチェックする)

 

  •  minos    :現在、国内で購入できるサイトは見当たりませんが、YouTubeで日本の紹介動画があったので例に加えました。挽き目調整の方法に特徴があります。

     ▼参考動画 (YouTube)

     便利な挽き目調整!minos ミノス マニュアルコーヒーグラインダー試し切り。

 

一言でまとめると、他社メーカーは後発なのでタイムモアCと差別化するため、同レベルの挽く性能+α の仕様になっているように見えます。(価格はCよりも高い)

また、タイムモアとしては挽く性能でのさらなる差別化のために新たな臼刃の開発もしていて、2020年の10月末には下記の右側のような新設計の刃を使用したフラッグシップモデルの栗子Xが投入されました。(2020年9月現在、栗子Xに先立ってG1とSLIMにもベースが異なる臼刃の改良品が導入されました...)

※エントリーモデルのCに関しては当面刃の改良予定はないとアナウンスされています。

 

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引用:タイムモアの微信公式アカウントより (https://mp.weixin.qq.com/s/HyIkZmMNYZxFif_lRlmHeQ

 

質実剛健なタイムモアのCがおススメな人

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豆を挽く性能に関しては、Cはノーマル刃の上位モデルと遜色ありません。(両方購入し、使用した上での感想です)

挽きたての豆で淹れたコーヒーだけでなく、豆を挽く過程でも香りや挽く感触を楽しめると思います。(ゆとりを持って挽けるので)

 

2020年10月追記:上位モデルは臼刃が改良されたので特徴はCと異なるようになりました。

一言でいうとXを除く上位モデル (Plusグレード)は、極細挽きの挽ける速さが格段に改良されています。(実際にSLIM plusを購入しました。Sタイプより速いです!)

 

ハンドドリップ向けに関しては、挽いた豆の粒度の見た目の揃い方はCに使用している従来のノーマル刃の方がいいような気がしますが、微粉はPlusグレードの刃の方がj若干少ないです。(私の確認した限りでは...)

風味も異なるように感じますが、そこは好みの問題であることと、ドリップ方法による違いによる変化の方が大きいと実感しているので、個人的にはハンドドリップ向けをメインに想定しているのであれば、Cで上位モデルと大差ない挽き豆が得られると思います。(ただし、栗子Xに関してはTIMEMOREの自信をヒシヒシと感じるので、Cと遜色ないとは言えないと思います...価格もかなり違いますし...)

 

▼参考:TIMEMOREの臼刃の特徴に関しては下記にまとめました。

 

また、最初の方にも書きましたが、 "C" は過剰な機能・材料を省き、残すべきところ (切れ味) を残して価格を抑えたモデルです。

表面の凹凸パターンもデザイン面と実用面 (滑り止め) の両方を意識したもので、まさに質実剛健といった感じです。

上位モデルに比べて材料や部品の噛み合わせなどの質感は劣りますが、むしろ気兼ねなく使える感じもします。(G1だと塗装剥げる心配とかしてしまったりするので...)

 

一番注意する点としては、やはりエスプレッソ挽きしたいかどうかだと思います。

 

試しに挽いてみる程度であればいいですが、Cで日常的にエスプレッソ挽きしたいとなると後悔するかもしれません。(深煎り近辺の柔らかい豆だったら何とかなるかもしれませんが、それだったらポーレックスでもそれほど悪くないです)

2020年10月現在、Sタイプが廃盤のため、細~極細挽きにはPlusシリーズがおススメです。(従来のSタイプと同一形状の刃を使用したCEがラインナップされていましたが、廃盤のようです)

 

▼参考:Plusシリーズについては下記の記事を参考にして下さい。

 

SLIMは容量が約20gとNANOよりも5gほど多いので、私だったらSLIM plusを選びます。(例えば、マキネッタのモカエキスプレス3cupやカミラ (Kamira) ではNANOの15gでは足りないです。 2020年10月現在、SLIM Plusを使用しています!)

 

2020年10月追記:エントリーモデルのエスプレッソ向けのCEを検討の場合は下記の記事もご覧下さい!

2021年1月追記:CEは廃盤

 

▼参考:Sタイプは廃盤のため、Sタイプと同一形状の刃を使用したCEとノーマル刃を使用したCの違いを把握するのに参考にしてください。(SタイプをCEに置き換えて解釈して下さい)

 

やはり、Cはハンドドリップやフレンチプレス主体に使う人の方が、心地よく使えるはずです。(マキネッタ (モカエキスプレス) に使うぐらいの細挽きも大丈夫です)

使っていて気になるのは、豆を投入する際に少し飛び跳ねることがあるくらいです。

 

ハンドドリップやフレンチプレス主体で、ポーレックスクラスのミルと比較して、シンプルに1ランクもしくは2ランク上の挽き心地を求めている人、こういう方であればTIMEMORE Cはかなりおススメです!

 

ご参考までに、下記は本ブログのG1シリーズに関しての記事です。G1シリーズも見てみたい方はこちらもどうぞ!

【レビュー】TIMEMORE G1シリーズ | デザインよし!切れ味よし!の手挽きコーヒーミル - エンジニアの中国ブログ

 

▼ご参考までにリンク先はノーマル刃のG1です。

 

また、さらにタイムモアSLIMについて、そのデザインに関連する記事も追加しました。

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

以降では本ブログのコーヒー関係の記事を紹介しています。よろしければご覧ください!

 

下記は浸漬法のクレバーコーヒードリッパーについての記事です。タイムモアCと組み合わせて愛用しています。(色も合わせました...)  浸漬法といってもお湯の注ぎ方でも味は変化するので初心者がお湯を注ぐ練習もできますし、特に香り豊かなコーヒーが簡単に淹れやすいです。

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。クレマを上手くつくるにはコーヒーミルでの粒度調整は非常に重要です。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

2020年夏、タイムモアのG1とSLIM、それぞれのノーマルタイプとSタイプが共に廃止され、新規な臼刃を採用した新グレードに一本化されました。期待通りに進歩しています!

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は1Zpressoのコーヒーミル "JE-plus" についての記事です。現地の価格でCの4倍するハイエンド側のミルです。ミルでコーヒーの風味が変わるのが一番の気付きでした。

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記ではあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーを紹介しています。現在、お気に入りのコーヒー銘柄です。

 

下記はちょっと毛色が異なりますが、中国語のコーヒー用語をまとめました。

 

 

【特徴がない?】中国での自家焙煎には雲南コーヒーがおススメ【淹れ方次第】

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中国産のコーヒーをご存知でしょうか?

今回は、私が普段よく飲んでいる中国の雲南省産のコーヒーを紹介します。

ちなみに周辺の中国人は、雲南省でコーヒーを栽培していることは知っていても、飲んだことがある人はほとんどいません... (美味しいの?って聞かれます...)

 

中国のコーヒーの生産量

中国のコーヒーの生産量は下記のように段々と増えてきていて、ほとんどが雲南省で栽培されています。(データ出典:Food and Agricultural Organization of United Nations)

 

・2007年度:26,000トン

・2012年度:92,064トン

・2017年度:115,150トン (世界14位)

 

雲南コーヒーは品質も向上してきていて大半が輸出向けです。

大手のスターバックスやUCCでも使用しているということで、日本でも知らずに飲まれているかもしれません。

 

toyokeizai.net

 

雲南省の位置

世界中のほとんどのコーヒーはコーヒーベルトと呼ばれる赤道付近のエリアで栽培されていて、中国の雲南省もそこに含まれています。

 

コーヒーベルト - Wikipedia

 

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出典:コーヒー豆を選ぶ | おいしいコーヒーの淹れ方 | 知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲

 

ちなみに私の住んでいる広東省も緯度が雲南省とほぼ同じで、コーヒーベルト地帯に入っていますね...

住んでいるところから西に1000キロほど行くと雲南省で、タオバオで雲南コーヒーを注文すると陸路で2~3日で配達してもらえます。(産地直送です。農園が通販もやっていて、長期の船便輸送による品質低下の心配もありません)

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 出典:Google Maps

 

ちなみに広東省は標高がそれほど高くないのでコーヒー豆は栽培されていませんが、かなり熱いので熱帯の果物も栽培されていて、例えばバナナやドラゴンフルーツなんかも栽培されています。(以前に下記のような記事も書いたことがあります...)

 

 

というわけで、雲南コーヒーも地元というか中国南部で栽培されている果物の一種で (コーヒーはコーヒーノキという果物のです)、新鮮で安く入手できるので、日常的に飲んでいます。(私個人の話であって、この辺の中国人が日常的に飲んでいるという話は聞いたことがないです...コーヒー飲む人自体が少なく、銘柄まで意識する人は身近にはいません...)

 

雲南コーヒーの特徴

風味の特徴|さわやかな酸味、香り、飲みやすさ

雲南省で栽培されている代表的な品種は、風味の良いアラビカ種病害に強いロブスタ種の血統が混じったカチモールという品種です。(アラビカ種の1種に分類されます)

このカチモールという品種は病気に強く収量が多い反面、風味に劣ると言われることもあります。(いいとこ取りはなかなか難しく栽培条件にも左右されるようです)

 

一方、いくつかのサイトで紹介されているの雲南コーヒーの特徴の共通点としては、さわやかな酸味と香り飲みやすさ (線が細い、苦味やコクが強くない) が挙げられます。

例えば下記は上海で喫茶店を営んでいらっしゃった方のコメントです。

 

華奢さ、繊細さ、透明感、
爽やかさ、酸味、艶、
線が細い分コクやボディが少なく、
アルトコーヒー北外灘店での試飲会でよく言われるのは
珈琲が苦手な人でも飲めるという意見です

飲んだ瞬間は爽やかさと線の細さを感じ、
飲み込んでいくときにすっと味が消えていくイメージ…

余韻の繊細さは上品できれいです

雲南省珈琲豆の繊細なおいしさを存分に引き出すのは、
やっぱり松屋式ドリップ のヒタヒタで淹れた透明感がオススメ。

>> 中国雲南省珈琲豆とは おいしく入れるコツ

>>  松屋式ドリップ | 株式会社 松屋コーヒー本店 (まだ試したことがないです...)

 

この特に飲みやすさの部分はカチモール種の風味に劣るという特徴 (特徴がないというような言われ方もあります) にも起因しているようで、農園側は風味に劣ると判断されないように栽培条件を工夫しているようです。

風味に劣るコーヒーと言われるか、飲みやすいコーヒーと言われるかは好みにもよりますが紙一重です... (コーヒーを飲みなれていない中国人にはむしろよいかも...)

 

ちなみに、私としては雲南コーヒーは標準的な豆の使用量だとやや薄味に感じるので、豆の使用量を1.5倍くらいにして贅沢に使っています。(苦さも舌に残り難い感じで、すっきりしています)

自家焙煎で飲んでいることもあり、香りの方はかなり豊かに感じます。(基本的に焙煎後7日程度で飲み切り)

中煎りだったら穀物系、深煎りだったらバニラ系といった焙煎度によって異なる香りも楽しめます。

 

精製方法による違い

コーヒーは果実の収穫後、精製工程を経てコーヒーの生豆になりますが、この精製工程によっても味わい・香りが変化します。

一般的にな精製方法は①水洗式、②半水洗式 (ハニー)、③自然乾燥式 (ナチュラル) の三種で、外観でも下の写真のような違いがでます。(下記は実際に私が購入した3種類の雲南コーヒーです (農園も同一) )

 

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同じ農園の雲南コーヒーで、それぞれの精製方法の豆を試してみましたが、単に雲南コーヒーと一括りにできないほど味わいや香りはそれぞれ異なります。

①→②→③の順に果物っぽさが増していき、③の自然乾燥式の生豆までくると、やや発酵臭が混じっています。(逆に①←②←③の順で澄んだ味になります)

 

そして特に③の場合は焙煎後もフルーティー感が強く、コーヒー抽出後のカスでさえ、虫が群がってくるほどでした。(会社の部屋で窓を開けっぱなしにして帰ったら、翌日、ゴミ箱のコーヒーのカスがそんな状態でした...③の自然乾燥式はややクセが強いかもしれませんが、とにかくフルーティー...)

ただし、最近購入した自然乾燥式の雲南コーヒーは同じ収穫時期でありながら、ほとんど発酵臭も感じられず、風味もクセがなく、マイルドでした... (生豆の保管条件・期間でも変わるのかもしれません...)

 

自然乾燥式 (ナチュラル) のコーヒーの風味に関しては、下記のブログが非常に参考になります。

| パパ日記 | 堀口珈琲 HORIGUCHI COFFEE

 

 

現在、私がよく飲む雲南コーヒーは①水洗式の中煎り、②半水洗式の中深煎りで、基本濃い目 (豆増量) に落ち着いています。

私としては、雲南コーヒーの風味の全体的な特徴としてはフルーティーな酸味だと思います。(ブラジル系と比較したら特にそう感じます)

 

豆の形状による違い

コーヒー豆には一般的な平豆と収量が5%程度の丸豆 (ピーベリー) があります。

最近では雲南のピーベリーを自宅焙煎に使うことも増えてきたので、下記の記事にまとめました。

 

雲南コーヒーの自家焙煎での特徴

コーヒー豆の自家焙煎は比較的短時間で仕上げた方が風味豊かな傾向ですが、初心者では短時間焙煎の場合、渋くなったり、苦すぎたりとコントロールが難しいです。

しかし、雲南コーヒー豆は短時間焙煎でも渋みが出難いです。

 

なぜかというと、雲南コーヒーの場合、焙煎時の水抜き作業 () が難しくなく、あまり気を使わずにガンガン焙煎できてしまいます。

水抜き作業というのは、焙煎初期にマイルドに豆の含水量を減らす工程のことで、含水量が多い状態で本格的に焙煎を始めると、渋み成分が大量に生成しています。

 

そのため雲南コーヒーは焙煎初心者でも手軽に焙煎しやすく、鮮度のよい自家焙煎コーヒーの醍醐味を楽しめます。

焙煎した豆の香りを嗅いでいるだけでも心地よくなれます。(飲まないときでも、つい保存瓶の蓋を開けて香りを確認してしまいます...)

ただし、③の自然乾燥式の雲南コーヒーは焙煎反応の勢いがつきやすく 、適当なところで焙煎を止めるのがやや難しい感じでした。(私の腕の問題もありますが...)

 

そんなわけで、雲南コーヒーは中国に住んでいる焙煎初心者にはおススメです。(特に水洗式か半水洗式)

価格は品質のよいものでも600円/kg程度~購入可能で、コストパフォーマンスは高いです。(中国は通販の送料も安いですし)

 

 

雲南コーヒーの味の確認

上記で色々とコーヒーの味のことに触れましたが、実は喫茶店で雲南コーヒーを飲んだことはありませんでした。(中国でコーヒーの銘柄が指定できるような喫茶店も行ったことがないです)

つまり、最近まで自分で焙煎した雲南コーヒーしか飲んだことが無かったんです。

世間一般の雲南コーヒーの風味を確認したくて、帰国した際、浅草の有名店カフェ・バッハで実際に雲南コーヒーを飲んでみました。(ここの経営者の田口氏の本読みながら、焙煎を試行錯誤します...)

 

Cafe Bach カフェ・バッハ 自家焙煎珈琲|公式ホームページ

 

 

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やはりお店で飲むコーヒーはとても上品に感じました。(とても澄んだ感じです)

口に含んでしばらくすると、家でいつも飲んでいる雲南コーヒーの風味が思い出されましたが、やはりお店で飲んでも味は薄く感じてしまいます。(好みの問題ですが、このお店では雲南コーヒーを薄いというよりも、飲みやすいと感じるお客が多いということだと思います)

 

そもそも雲南コーヒーを自分で淹れるときは、満足できるまで豆の量を増やしていることもあり、やはり物足りなかったです。

正直、雲南コーヒーに関しては自家焙煎で家飲みする方が美味しいかな...と思いました。(別の日に飲んだケニアは美味しかったですけど...)

 

というわけで、中国にしばらくいる方は新鮮な雲南コーヒーを自家焙煎してみてはいかがでしょうか?

産地直送で自家焙煎、なかなか味わえない味です!(しかも経済的)

 

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

下記は本ブログの食べ物関係の人気記事です!

 

以降では本ブログのコーヒー関係の他の記事を紹介しています。よろしければご覧ください!

 

下記はお手軽に濃厚なコーヒーを淹れられる直火式エスプレッソメーカーについての記事です。雲南コーヒーとの相性もいいです!(濃厚でありながら苦くなく、風味たっぷりな感じになります)

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は浸漬法のクレバーコーヒードリッパーについての記事です。特に浸漬法でいれたコーヒー自体の特徴がすっきり、香り豊かということもあり、このドリッパーで雲南コーヒーを入れるとその特徴が一層引き立ちます。4~5分浸漬させるのがおススメです。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使うとカミラのなめらかなクレマも非常につくり易いです

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記はちょっと毛色が異なりますが、中国語のコーヒー用語をまとめました。

 

 

TIMEMORE コーヒーミル|エスプレッソ向けとハンドドリップ向けの違いを検証!【粒度分布や微粉の影響を考察】

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一ヵ月ほど前の記事で、中国メーカーのTIMEMORE (タイムモア泰摩咖啡) の手動 (手挽き) コーヒーミル (コーヒーグラインダー) “G1” と “G1S” を紹介しました。(下記です)

 

 

今回はその補足的な話ですが、TIMEMORE (タイムモア) の手動コーヒーミル “G1” と “G1S” の刃の違いをさらに比較検証しました。

ハンドドリップ向けの “G1” とエスプレッソ向けの “G1S” で、それぞれコーヒー豆を挽いた際の違いを具体的に見てみます。

基本的に上記の刃の違いは同社のNano” と “NanoS” や “Slim” と “SlimS” の違いにも当てはまります。(G1シリーズと同種の刃なので)

内容的に検索需要はそれほど多くなさそうですが、趣味なので気にせずにいきます...

ただし、上記の刃の違いが気になっていた人には選択の基準がよりクリアになるはずです…多分…

 

直火式エスプレッソメーカーで使用する際の比較


直火式エスプレッソでもなめらかクレマが出る!

 

ただ単に挽き豆を比べただけではイメージが湧かないと思いますので、実際の挽き豆でコーヒーを淹れて比較してみます。

コーヒーの抽出方法として最近ハマっているのが、上の動画の直火式エスプレッソメーカーのカミラです。(この動画では抽出の様子と抽出時の内部圧力を映しています)

まずはこのカミラでだいたい同じような抽出条件 (抽出圧力と抽出時間) になるように、G1とG1Sのそれぞれで挽き豆を調整した際の、ミルの粒度設定挽くのに要した時間を比較してみます。

ここで比較に使用した豆の焙煎度は中煎り〜深煎りのものを使用しています。

 

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 挽き豆粒度は上の写真の右下のダイヤルを回して調整します。

上記のカミラでコーヒーを淹れる際、G1とG1Sのそれぞれで、最適だった粒度目盛りのクリック数は下記のとおりです。(最適とした基準は抽出圧力の最大値が3~4気圧 (カミラは安全弁が4気圧で作動するのでそれ以下) で、抽出時間が90~120秒ほどに収まることです)

  • G110~11クリック/タンピング強め/豆は15g程度充填 (フォルダーに詰まる量はこれでほぼ限界)
  • G1S15~16クリック/タンピング弱め/豆は16g程度充填 (詰めようと思えば17g程度まで充填可能 () )

 

メーカーの説明によるとG1Sの方が微粉が多いとのこと (粒度分布が広い)。おそらくG1Sの方では粒子同士の隙間に微粉が入り込み、均一な粒度のG1よりも高密度に充填できています。(これは粉体工学的には一般的な概念です)

 

▼参考

球充填 (特に6の多種球充填の項目) - Wikipedia

粉の充填性(空間率)に及ぼす粒度分布の影響 - 兵庫県立大学 粉粒体工学研究室

粉体の密充填におよぼす粒子物性の影響|J. Soc  Powder Technol., Japan, 40, 348-354 (2003)

 

▼粒度分布に関してはこちらをご参照ください。

株式会社関西コーヒー |美味しさの探求のための、粉の挽き目について

 

ここで、TIMEMORE (タイムモア) のG1/G1Sの説明書にある粒度のクリックの目安は下記の通りです。(数字が小さいほど粒度が細かい)

  • エスプレッソ6~12クリック (5以下は刃の破損防止のためメーカー非推奨)
  • ハンドドリップ15~24クリック

 

実際に設定できる目盛りの下限は6クリックなので、上のカミラでの検証結果ではG1Sの方がさらに挽き豆を細かくする (言い換えればさらに抽出圧力を高める) 余裕を残しています。(G1Sはまだハンドドリップ領域での粒度設定です。G1の方の挽き豆は、見かけは細粒ですが抽出時の圧力が上がり難いです)

 

また、15gの中煎りの豆を、無理をしないで楽に挽く (あくまで私の主観) のに要した時間は下記の通りです。(中煎りの豆は中深煎りや深煎りに比べて豆が硬く、手動ミルには厳し目の条件です)

  • G1:15クリックで約70秒 (通常のハンドドリップで使用する粒度としてはかなり細かい方)
  • G1:10クリックで約270秒
  • G1S:15クリックで約90秒 ()

G1Sは挽けるのは速いですがそれなりにハンドルの抵抗も大きいので、ミルを斜めにして臼刃に入る豆の量を減らし、比較的に楽に挽ける状態で挽いた時間です。ミルを垂直に立てて挽けば、より早く約70秒で挽けます。一方、G1の方はミルを垂直に立てたまま挽いてもハンドルは軽快ですが、挽ける速度は遅いです。

 

上記のように同じクリック数であれば挽くのに要する時間はそれほど大差がありませんが、例えば上記のカミラで同じくらいの抽出条件にしたいといった、より実用的な基準で比較すると、G110クリック/約270秒に対し、G1S:15クリック/約90秒と、G1Sの方が圧倒的に短時間で挽けるのがわかります。(G1Sの刃を購入した甲斐がありました...)

 

ただし、G1で細挽きの際でも深煎りの豆であれば挽く際に手に感じる抵抗はぐっと減るので、頑張れば挽く時間を半分ぐらいに短縮することは可能です。(G1Sもさらに早く挽けますが…)

 

挽き豆の粒度分布の比較|粒度分布は狭い方が良いのか?

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上の写真はG1とG1Sそれぞれで、カミラで同じような抽出条件になるよう粒度を調整した挽き豆です。(左がG110クリックで挽いた豆、右がG1S15クリックで挽いた豆)

左のG1の方がやはりやや細かく見えます。

 

次に上記の挽き豆の粒度分布を、実際に20目~200目の篩を使って確認してみました。(下がその写真です)

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写真の上段がG1、下段がG1Sで、篩は数字が小さいほど目が粗くなります。

 

なんとなくG1Sの方が粒度分布が広いのがわかると思いますが、よりハッキリさせるため、篩上の粉を計量して%表示に換算したのが下の表です。

 

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上の表からG1、G1S共に粒度の最も多いところは40目の篩上の粉で、50目以下の細かい粉の比率はほぼ同じなのがわかります。

ただし、G1Sの方は30目の篩に残った粉も多く、ブロードな粒度分布になっています。

 

つまりこのブロードな粒度分布によって、G1Sの挽き豆はより粒子間がギュッと密着し、粉体が高密度な状態になっている () といえます。(フォルダーに詰められる粉の量はG1Sの方が10%以上多いです)

適度にブロードな粒度分布をもった粉体の高密度化は、粉体工学的には一般的な事柄です。

▼ 参考

粒子径分布の幅が広くなると大粒子間の隙間に小粒子が入り込むので空間率は減少し、密充填できるが、分布が広がることにより充填しにくい微粒子の比率が多くなると、かえって空間率が増加してしまう場合がある。

粉体の密充填におよぼす粒子物性の影響|J. Soc  Powder Technol., Japan, 40, 348-354 (2003)

 

大きな粒度の割合が高くとも、高密度な粉体であることが抽出圧を効率的に上げられる理由で、これはハンドドリップでは湯通りが悪くなり悪影響になるかもしれませんが、エスプレッソの挽き豆としてはいい働きをしています。

 

この2つのミルはキャラが全く異なるわけで、G1 がシャープな粒度分布をもつような挽き豆を得ることを意図しているのに対し、G1Sの方は適度にブロードな粒度分布をもつ挽き豆を、効率よく (速く) 得ることを意図した設計方針であることがうかがえます。

 

ここで、挽き豆の粒度分布についてですが、粒度分布が揃っているから (シャープだから) 良いというものではなく、業務用コーヒーミルで名高いドイツの “マールクーニック EK43” の下記の製品説明をみても、適切な粒度分布を考慮しているのがわかります。

 

  • Outstanding particle size spreads feature high extraction rates and the best possible taste

  • Premium cast steel burrs

  • Robust grinder with high grinding capacity

  ~~以下省略~~

 https://www.mahlkoenig.de/en/node/31

 

というわけで、ただ単に粒度分布が狭ければいい、微粉が少なければいいとも言えず、用途や好みによって正解は異なると思います。

 

まとめ

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〈ハンドドリップ〉

ハンドドリップではある程度お湯の通りが良い方が、注ぐお湯の量やタイミングで抽出を調整しやすいので、やはり微粉の少ない “G1” の方が使いやすいはずです。(硬い豆でも中挽き、粗挽きであれば、挽く時間も全く問題なく快適です)

 

〈エスプレッソ〉

エスプレッソであれば粒度での抽出調整は必須なので、(極) 細挽き領域での調整の幅の広さと挽ける速さから “G1S” の方が断然有利。

G1” でのエスプレッソ向けの細挽きは、中深煎り、深煎りに限られてくるでしょう。(それでも挽き豆の密度が低めのため、G1Sよりもさらに細かい粒度が必要になり、その労力もそれなりに大変で、かつより強いタンピングも必要になってくるでしょう)

 

というわけで、TIMEMOREの推奨通りの結論で、結果としては当然なのですが、G1とG1SもしくはNanoとNanoSで迷っている場合、自身の用途にどちらが向いているのかイメージがより湧きやすくなったのではないでしょうか? (まだG1Sが日本に導入されてないようなので、エスプレッソ向けはNanoSが選択肢になるのかもしれませんが...)

※エスプレッソ向けはSLIM (スリム) のSタイプも選択肢として増えました。またNanoで挽き豆量が足りないと思う方はSLIMも検討されてみてはいかがでしょうか?

 

 今回、実際に比較してみて、G1とG1Sは個性の違いがはっきりしていて、G1SがG1の上位互換でないことはよくわかりました。

ある意味、ハンドドリップとエスプレッソ向けでは求められる要求性能が相反するものなので、考えただけでオールマイティなミルはなかなか無さそうです...

 

ご自身の用途に上手くフィットすれば、TIMEMOREのコーヒーミルはますます快適に使えると思います! 

 

G1Sも日本に導入されました。

 

こちらはNANOです。

 

こちらがエスプレッソ向けNANO(S)です。

 

また、SLIM(S)は一度に挽ける豆の量が約20gとNANOシリーズに比べて5g程多いため、エスプレッソやマキネッタ (モカエキ3cup以上、カミラなど) の用途で使いやすいと思います。(私は15gでは足りないので)

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

以降では本ブログのコーヒー関係の記事を紹介しています。よろしければご覧ください!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。クレマを上手くつくるにはコーヒーミルでの粒度調整は非常に重要ですが、今回紹介したタイムモアのコーヒーミルは役に立ってくれています。。

 

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。

 

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記ではあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーを紹介しています。現在、お気に入りのコーヒー銘柄です。

 

 

【直火式】カミラ エスプレッソ|自分の味を追求できるユニークなマキネッタ【高圧抽出】

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直火式エスプレッソメーカーのカミラ

 

今回は、ここ4ヶ月程、毎日のように使っている大変ユニークな直火式エスプレッソメーカー "Kamira (カミラ)" を紹介します。(特に使い方に重点をおいて)

こんな奇妙なコーヒーの淹れ方もあるのか?と心に留めておいてもらえれば幸いです!(いつか興味が出てきたときに続きを...)

検索でこの記事にたどり着いたマニアの方は、お好きなところからどうぞ!

直火式エスプレッソをお手軽に自宅で飲みたい方コーヒー道具が好きな人のために書いています。

 

はじめに (カミラを使い始めた経緯)

このKamira (カミラ) は直火式エスプレッソメーカーと呼ばれていて、ガスコンロやIHヒーターを使って濃厚なコーヒー () を淹れるイタリア製のコーヒー抽出器具です。

 

Kamira Espresso (公式ホームページ)

 

) 抽出条件等、イタリアエスプレッソ協会 (INEI) の定義するエスプレッソには当てはまりませんが、本ブログでは、直火式で淹れたこの濃厚なコーヒーのことも含めてエスプレッソと呼んでいます。

参考までにそのINEIの定義するエスプレッソの基準も下記に挙げておきます。(INEIのパートナーである国際カフェテイスティング協会 (IIAC) のホームページにその記載があります)

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引用:IIAC ( http://www.coffeetasters.jp/espresso_day.html )

 

本題のカミラですが、下の動画は公式チャネルのカミラの簡単な紹介動画です。(22秒のコンパクトな動画にKamiraを使ってコーヒーを淹れてるところがまとまっています)


Kamira il caffè espresso cremoso sul fornello di casa

 

それで、なぜこんな奇妙なコーヒーメーカー (コーヒー抽出器) を使っているの?ということになるわけですが、それは私の中国生活にも関係しています。(日本にずっと住んでいたらカミラの存在すらも知らないままだったかも...)

 

実はこのカミラを入手するに至った背景の流れは下記の通りです。

  • 中国でもインスタントではなく、まともなコーヒーが飲みたい
  • まともな喫茶店が近くにない焙煎豆をどこで買っていいかわからない、周辺の中国人はコーヒーに興味がないので頼りにならない
  • 仕方がない、自家焙煎でもしてみるか
  • 自家焙煎が上達するまで、誰が淹れても差がでないようなコーヒーメーカーを使いたい → ビアレッティのモカエキスプレス (略してモカエキ) を選択 (この形状のコーヒー抽出器具はマキネッタとも呼ばれる 。下図参照)  

 

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モカエキはこんな感じのコーヒーメーカーで、簡単に言えば水とコーヒー豆をセットして、火にかけるだけ。(水の量を減らすとか、お湯をセットするとか細かいテクニックがあるにはありますが...)

 

  •  モカエキの機構自体は面白くて好き (下のGIF画像をご参考下さい)、しかし比較的高温・細挽き豆でのコーヒーの抽出になるので酸味のあるコーヒー豆は苦手、モカエキはどちらかと言えば苦みのあるコーヒーの抽出に向いている (自家焙煎初心者だった当初は無難な (苦い) 深煎りにすることが多く、モカエキが合っていた)

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                    By Alborzagros - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Moka_Animation.gif

 

  • 濃厚なコーヒー自体は好きだがもっといろいろな味を楽しみたい → モカエキの抽出温度を下げたい、モカエキの機構的に難しいので他のツールを探すしかない
  • ネットでいろいろと物色、直火式エスプレッソメーカーのカミラの評判が良さそう! (機械式エスプレッソマシンはメンテナンスに不安を覚えて躊躇...)

 
というような流れで、このユニークなカミラにたどり着いています。

使ってみてかなり気にいってしまい、下の写真のように圧力計を付けたり持ち手を木製にしたりもしてしまいました。(自分ではインテリアとしてもイケているのではないかと...あらためて自分が結構アナログなツール好きなのに気付きました...集めるだけでも楽しいかも...)

 

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 カミラの圧力計と木製ハンドル

 

コーヒーマニアでない方は、ここまでご覧いただきどうもありがとうございました!

ここから先はコーヒーマニアのために、特にエスプレッソが好きだけど機械式マシンの購入を躊躇している人のために、このカミラをより詳しくレビューします!

また、お手軽に直火式エスプレッソでなめらかなクレマ を出したい人 (下の写真を参照) やコーヒー道具が好きな方もどうそご覧下さい! 

 

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抽出中のカミラ

 

上の写真はカミラでエスプレッソを淹れているところで、なめらかなクレマができているのが分かります。

特に左側の写真では、なめらかなクレマの下に薄っすらとボディ、ハートの層も見られ、三層に分かれています。

ご参考までに、さらに下の方には実際に抽出している場面の動画もリンクしてあります。

 

"カミラ" と "普通のマキネッタ" との違い

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カミラとモカエキスプレス

高圧抽出によって、より濃厚に淹れられる

カミラはコーヒーの抽出器具としては、普通のマキネッタ (いわゆるモカエキスプレスやその類似品) と同じく直火式エスプレッソメーカーに分類されます。

しかし、普通のマキネッタでは抽出時の圧力は1〜2気圧ですが、カミラは4気圧まで圧力がかけられますので、より濃厚で深い香りのエスプレッソが淹れられます。(当ブログで気圧といっているのは圧力計のゲージ圧のことで、大気圧を基準点として0としています)

当然、装置の作りもカミラの方がガッチリしています。(分解はできません。消耗部品を除いた本体部分は、5年保証を謳っています)

抽出条件の調整次第で、カミラの味は機械式マシンの味にかなり近づけられますし、もちろん普通のマキネッタに近い味も可能。(機械式エスプレッソとモカエキのような普通のマキネッタで淹れたコーヒーの味の違いが分かる人であれば、カミラと普通のマキネッタで淹れたコーヒーの違いも分かると思います)

 

抽出温度が高過ぎないから雑味が少ない、酸っぱくなり難い

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 カミラのお湯の流れ

 

カミラは大きな特徴であるアヒルの首のようなこの部分で、上昇してきたお湯の温度を下げる仕組みを設けています。

そのおかげで抽出温度が普通のマキネッタ (モカエキの類) よりも低くできるため、雑味を抑えたり、過剰ではなく適度に酸味のある濃厚なコーヒーも淹れられます

また、香りに関しても普通のマキネッタと異なり、甘い系の香りが出やすいです。(中深煎りや深煎りの豆で特にそう感じます)

現状、私は浅煎りエスプレッソに挑戦中...

 

熱効率が高いから淹れるのに時間がかからない

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カミラの独特な形状

 

上の写真のカミラの形状を見てわかるように、ボイラー部が平べったく、使用する水の量もダブルで60mlと少ないです。

そのため熱効率が高く、普通のマキネッタと比べると、カミラは格段に早くエスプレッソが淹れられます。(私の場合、ダブルで火にかけてから3~4分程です)

朝の忙しい時間でもカミラは使えます!

 

カミラの使い方のコツ

水の入れ方


直火式エスプレッソメーカー “Kamira (カミラ) ”|水の入れ方

 

カミラは手作りのため個体差があり、水の入りにくい個体もあるとのこと。

私のカミラは普通にタンクに水を入れただけでは、なかなか水がボイラーに入っていかないので下記のようにして水を入れています。(上の動画も参考にして下さい!)

 

  1. コーヒー粉を詰めたポルタフィルターを先に本体にセット (セットしなくてもある程度効果はあるので、先にセットしないで一通りやってみて下さい)
  2. レバーバルブは開けた状態にしておく (下向き)
  3. 弱火でボイラーを10秒程加温
  4. 火を消してレバーバルブを閉じる (横向き)
  5. タンクに水をセット
  6. レバーバルブを開ける
  7. 水が入っていけばOK、入っていかなければボイラーを揺するか、平らな部分を団扇で扇いで冷やす
  8. タンクの水が僅かになったら本体を持って揺する。

 

これで速やかに水が入っていくはずです。

2〜4の作業でボイラー内の空気を軽く膨張させておいてからタンクに水を入れ、続いて7でボイラーの冷却により空気を収縮させて負圧を生じさせます。

つまり空気の膨張と収縮を利用して、水を吸い込ませています。

3で加熱時間が長いと、水が入っていったときに気泡がボコボコと勢いよくでてきて水が飛び跳ねるので要注意。

 

カミラの普通のクレマ (?) 出し方


カミラ Kamira エスプレッソメーカー~クレマたっぷりの美味しいエスプレッソができる~ ガス火・IH対応 ハンドメイド・イタリア製【動画】

 

上の動画がいわゆるマニュアルに沿ったカミラの使い方です。

水もさらりと入れていますが、私のカミラはそんなにあっさりとは入ってくれませんので、先ほどご紹介したような入れ方をしています。

クレマに関しては上の動画で紹介されているのは、エスプレッソで一般的な炭酸ガスによる泡でなく、抽出の後半で発生する空気と水蒸気でできる泡です。

 

空気は炭酸ガスに比べてコーヒーに溶け難く、泡が比較的に長時間持続するのですが、泡がボソボソでなめらかさに欠けます。

また、抽出後半で発生するため、不味い成分も含んで来やすいので、アメリカーノにして飲むのがメインの私はこの泡があまり好きではありません。(豆の粒度を粗くして短時間で抽出するときは、この泡も不味いとは思いませんが...)

そこで、下の動画のようななめらかな泡を出すようにしています。

 

なめらかなクレマの出し方


直火式エスプレッソでもなめらかクレマ!

 

上の動画は実際にカミラでエスプレッソを淹れているところです。

圧力計の表示も見えるように映していますが、安全弁が作動する4気圧まで圧力を上げなくとも、なめらかなクレマが出ているのがわかります。

それでも、このようなクレマを作るには抽出圧力が最も影響大で、これはコーヒー豆の粒度タンピングで調整します。(タンピングは微調整の役割)

焙煎の鮮度も重要なはずですが、古い焙煎豆は使用したことがないので影響度は何とも言えません…(今まで使った中で一番古い焙煎豆は焙煎後2週間ほど経ったものですが、問題なくクレマができました。逆に新鮮でも抽出圧力が低ければ (2気圧以下)、なめらかなクレマはできません...)

 

また、コーヒー豆の銘柄や焙煎度もクレマの出来に影響を与えそうですが、それほど違いは感じていません。(挽き豆の粒度を調整して、焙煎後時間が経っていなければOK)

自分の試した銘柄の中であえて言えば、コロンビアのゲイシャ、マンデリン、雲南、ブラジル、タンザニアの中では、ゲイシャやマンデリンのクレマが気持ちなめらかで丈夫そうな印象です。

 

参考までに、エスプレッソのクレマ (crema / espresso coffee foam) に関しての研究論文が下記です。

Neglected Food Bubbles: The Espresso Coffee Foam | SpringerLink

 

コーヒー豆の銘柄とよいクレマの関係は明らかでないようですが、アラビカ種とロブスタ種であればロブスタ種の方がクレマに対してよい影響があるようです。(そのうちに試してみます...試しました)

 

 

というわけで、なめらかなクレマを出すためには抽出圧力をコントロールするため、挽き豆の粒度が重要になるわけですが、細挽きや極細挽きといった粒度の違いはコーヒーミルによっても大きく異なるので、実際に色々な粒度を試してみて判断するしかないです。(微粉の有無にも影響を受けます)

豆の銘柄や焙煎度を変えても挽き具合 (粒度) の微調整が必要な場合 (圧力が上がり過ぎたり、低すぎたりすること) もあるので、豆は飲む直前に自分で挽いて粒度を調整するのがおススメです。(その方が香りも良いですし...)

 

現在、私自身は手動のコーヒーミルで豆を挽いていて、Timemore (公式HP) のミルを気に入って使っています。(下記がそのコーヒーミルについての記事です)

 

また私の感覚ではタンピングした方が抽出圧力や抽出時間を微調整し易いです。

タンピングしないと圧力上昇が遅く、圧力が上がりきる前に抽出が終わってしまうような感じなので…

タンピングする際はできるだけ一定の強さで (自分でいつも安定的に押せるくらいの強さがよいと思います)、その強さでタンピングしても抽出時に詰まらないように豆の挽き具合を調整しています。(安全弁は4気圧程度で作動します)

 

抽出時の圧力は一定ではなく、火にかけてしばらくしてから、だんだんと上昇していきます

参考までに、下記は上手くいったと自分で思っているときの圧力。(単に上手くクレマが作れたときの圧力であり、仮に3.2気圧以下で抽出完了したからと言って不味いわけでもありません。また、安全弁が作動するような条件では抽出時間も長くなり、過剰抽出になる傾向ですので、圧力が高くなり過ぎないように気を付けています)

  • 抽出開始:0.7〜1.2気圧
  • 抽出完了:3.2〜3.9気圧 (抽出中、この範囲の圧力にある時間はおおよそ10秒未満)

 

安全弁は4気圧程度で作動。安全弁が作動しても気体を逃がしながら音が鳴るだけなので、鳴ったら慌てずに火を弱めるなり、消すなりすればOKです。

また抽出時間は抽出開始 (液が出始めてから) から完了まで90〜120秒程度 (ダブルの場合) を目安にしていて、抽出時間が長過ぎても苦過ぎなコーヒーになってしまいますし、逆に抽出時間が短か過ぎても薄いコーヒーになってしまいます。

 

カミラの公式ホームページに載ってようなたっぷりの泡は、なめらかなクレマの後に出てきます。(極端に出すと下の写真のような感じです)

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私はこのややボソボソっとした泡の発生を目安に抽出を止めていますが、大量に泡が欲しい人は続けて抽出して下さい。(見た目は面白いんですが、実用性は......飲んでみて判断してください...)

この段階になったら、コンロの火は消しておいた方が泡が勢いで飛び散らずにキレイに出てきます。

 

クレマがつくれるマキネッタとしてはビアレッティ社のブリッカも有名ですが、ここまで見てきたようにカミラの方がより本格的なクレマがつくれます。

▼参考

本場イタリア人に教わったマキネッタによる美味しいモカエキスプレスのコツ│暁屋 akatsukiya coffee (記事後半がブリッカに関してです)

マキネッタブリッカで手軽にエスプレッソ!クレマを出すのは難しい! | HOME CAFE

  

抽出温度のコントロール

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カミラのバルブ操作

 

最初からバルブレバーを閉めた状態 (横向き) で火にかけると、かなりヌルい状態で抽出が始まってしまいます

私の場合、バルブレバーをしばらく開放 (下向き)しておき、沸騰するような音が聞こえてきてから (火にかけてから50~60秒程度:ダブルの場合)、バルブを締めることが多いです。(この時間もコーヒーの味次第で、30秒程度まで短縮することもあります)

こうすることで、抽出温度をより高くできます。

また、沸騰してからもバルブを開けておいて、装置全体をもっと温めてからバルブを閉め、抽出温度をさらに上げることも可能です。(酸味が強い豆の場合は抽出温度はあまり上げない方がいいでしょう。また温度が高すぎると雑味も増してきて、せっかくのカミラの特徴が生きてこないかも...)

なお、私の場合、コンロの火加減は初めから最後までほぼ弱火です。(最初の方は気持ち強めでもいいかも)

 

連続して抽出するとき

これは説明書に記載されているように、カミラを水場に持っていき、直接水をかけて冷却しています。

全体を十分に冷却後、再度同じようにしてコーヒーを淹れています。

 

粉のフォルダーへの充填方法 (番外編)

粉の充填作業を改善するため、ファンネルもどきを自作してみました... (自作というレベルでもないですが...)

興味のある方は下記の記事をご参照下さい!

 

 

2021年1月追記)粉の計量から直火式エスプレッソ抽出までの一連の手順を、最近の気付きと共に下記の記事にまとめました。(動画有り)

 

 

カミラの手入れ

普段は使い終わったらカミラを逆さにして水を出し、少し火にかけて乾かして終了。(水が残っていた場合です。たいていは余熱で水は乾燥してしまっていて、その必要はないです)

パッキンはコーヒーの粉が付いているので、毎回取り外して洗っています。(パッキンは簡単に外せます)

そもそもほとんど分解はできない仕組みなので、洗うとしても水を入れて火にかけて排出させるだけです。

 

説明書には装置内に付着した水垢は定期的に酢を注入して取るようにと記載がありますが、まだ実施したことはないです。(半年ほど使っているので、そろそろ酢で洗ってみてもいいかもしれません...)

また、消耗品は下の写真にあるシリコーンのパッキンや安全弁ぐらいなので、維持費は安いです。(念のため、予備はストックしています)

 

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 カミラのパッキンと安全弁

 

まとめ

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直火式エスプレッソメーカーのカミラ (左) と抽出の様子 (右)

手軽に自分の味が追求できる直火式エスプレッソメーカー

普通のマキネッタ並みにお手軽で、もっと美味しい濃厚なコーヒーを淹れるためにはどうすればいいのか?

それに対する一つの解答がカミラです。

公式サイトに下記のようなコメントがありますが、個人的にはその通りだと思います。

Kamira is the answer to Nino Santoro’s question “why isn’t it possible to make a good coffee on the stove?”. Kamira is a home-made solution to drink a good and creamy Italian coffee at home or at work.

Kamira Espresso Cremoso | Kamira

 

圧力、温度、豆の種類、粒度、焙煎度、タンピング、抽出タイミングといった条件を検討しながら、自分の好みの味を作り上げていくのがとても面白く、カミラを入手して以来かなりハマっています。(最近はコーヒー淹れるのにもうほとんどカミラしか使っていないです...大体はアメリカーノにして飲んでいます)

そして準備や後始末といった器具の取り扱い自体は非常に簡単でありながら、忙しいときでもお手軽に本格的なエスプレッソを淹れることができます。

普通のマキネッタに比べれば価格が高めですが、コーヒー好きの方には是非おススメしたい一品です。(エスプレッソマシンを買うのに比べたら大分安いですし、自家焙煎したらすぐに元は取れます...)

 

入手先はどうするの?

購入検討は費用の観点では下記のAmazon.com (US) がおススメです。(AmazonGlobal Priority Shippingの対象製品のため、日本への配送費用も11ドル程度で済みますし、直接メーカーとやり取りする訳ではないので、万が一の場合の返品手続きも難しくはありません)

購入するためにはAmazon.com (US) のアカウントを作る必要がありますが、15分程で作れます。(ただし日本に輸入する場合と配送費用が異なるので、中国在住の方には淘宝をおススメします)

>> KAMIRA Moka Express 1/2 Cups Stovetop Espresso Maker|Amazon.com

 

もし返品したいような状況が生じたとき、下記のブログも参考になります。

>> Amazon.comへの返品は思っていたよりも簡単だった|Aibar's.com 

 

それでも国内の輸入業者を通じて購入検討したい方は、下記のリンク先も見てみて下さい。

 

また、下記の日本のAmazonのリンク先は現在カミラを取り扱っていないようですが、製品説明とレビューはまだ見ることができます。ご参考までに...

>>カミラ Kamira エスプレッソメーカー (Amazon.co.jpで見る)

 

また、下記のショップのカミラの紹介は歴史等がかなり詳しいです。

ただし、使用方法に関しては紹介されている方法通りにすると、圧力は2気圧もかからないのではないかと思います。(下記はショップ内のユーザーレビューです)

ところが、すぐにやってみても全くクレマが出ず(ガックシ!)それどころか圧がまるで感じられずに、ぬるい味の薄いコーヒー風味のぬるま湯のでき上がり。

2日目:いやそんな筈は無いと、コーヒー粉の詰具合や火加減を工夫していると、少しだけ出てクレマした。
・・・で、あちこちのサイトでクレマについて調べると、コーヒー粉自体の鮮度や細かさが非常に重要である事が判りました。

カミラ エスプレッソメーカー ~クレマたっぷりの美味しいエスプレッソができる~ |eurokitchenKASAI

 

やはり試行錯誤が必要なようです...

 

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

下記の二つの記事は本ブログのカミラ関連の記事です。よろしければどうぞ!

まず、下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

続いて下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記はカミラを使ってラテアートをした話です。絵に関してはまだ未熟ですが、味の方は自分ではかなり満足しています。カミラの楽しみ方のオプションが一つ増えました。

 

粉の計量から直火式エスプレッソ抽出までの一連の手順を、最近の気付きと共に下記の記事にまとめました。(動画有り)

 

 

以降では本ブログのコーヒー関連の他の記事を紹介しています。よろしければどうぞ!

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。特にカミラ用に豆を挽くときは細挽きなので、一段と豊かな香りが楽しめます!

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は手動のポンプ式のエスプレッソメーカーの紹介です。モリモリのクリーミィなクレマのおかげなのか、濃厚なエスプレッソなのに苦味をあまり感じません。砂糖を使うとデザート感覚で、カミラよりも濃くしっかりした風味です。これはこれで好みです。

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使うとカミラのなめらかなクレマも非常につくり易いです

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

あっさりが特徴と言われる雲南コーヒーですが、カミラで抽出すると濃厚で飲みやすいコーヒーが淹れられます。雲南コーヒーとカミラの組み合わせは非常に良好です!

 

下記はちょっと毛色が異なりますが、中国語のコーヒー用語をまとめました。

 

 

【レビュー】TIMEMORE G1シリーズ | デザインよし!切れ味よし!の手挽きコーヒーミル【Chestnut G1】

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前回、手動コーヒーミルの使い方についての記事を書きましたが、その使い方による味の変化に気付いてからミルへの興味が高まってしまい、勢いで新しい手動 (手挽き) ミルを購入してしまいました... (上はその開封時の写真です)

 

更新日時:2020年10月05日

【追記1】現在のTimemoreのミルの種類一覧を追加しました。(目次のトップに配置しましたので、ご参考までに)

【追記2】中国では一足先にG1とG1Sが、新グレード (Plus) に一本化されました。(中国現地調べ)

栗子Xとは刃の特性が異なりますが、同様なコンセプトで開発された新規の臼刃が新グレードには採用されています。

 

そのため、G1シリーズを購入検討の方は、新グレードの方も考慮した方がよいと思います。(なお刃以外は基本的に変更なく、価格はSタイプに比較してややアップしています)

新グレードにご興味のある方は、下記の記事もご参照下さい!

 ▼参考

 

【追記3】待望のTimemore Japanのサイトがオープンされました。

  ▶ TIMEMORE JAPAN (公式サイト)

 

上記の公式サイトからも製品の購入も可能です。

現状、Timemore製品の購入を検討中の方は、Amazonなどの通販サイトだけでなく公式サイトの確認もおススメします。(AmazonにもTimemore Japanからの出品はあります)

なお、上記の公式サイトはTimemoreが所有権を持ち、運営を中国 (深セン) の正規代理店が任されているそうです。(サイト担当の方は日本語OKでした)

 

▼Timemore Japanの公式サイトにユーザーレビューを寄稿しました。

【TIMEMORE Black Mirror】スケール導入で自宅コーヒー環境がより快適に!

 

また、AmazonにはTimemore専門店という名称でブランドショップが開設されていますが、こちらもTimemoreの公認だそうです。(運営は中国の正規代理店)

TIMEMORE C2@Amazon-Timemore専門店 (リンク先ページ内の ”TIMEMOREのストアを表示” で取り扱い商品一覧が表示されます)

※Timemore JapanとTimemore専門店@Amazonの運営は、それぞれ別の中国の正規代理店です。

 

 

 

Timemoreのミルの種類|2021年夏のラインナップ一覧

最初にタイムモアのコーヒーミルの種類の一覧を記載しておきます。

全部で5シリーズ、現地価格で高い順に紹介しています!(出典は基本的にタオバオのTimemore旗艦店(泰摩旗舰店)です)

 

1. 栗子X 

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引用:微信のTimemore公式アカウントより

  • 外観   :従来のG1に似ていますが、ハンドルはNANOに類似の折り畳み構造
  • ミルの豆の容量 :X (≦35g)G1 (≦25g) / NANO (15g) / SLIM (20g)
  • 重量      :X (760g) / G1 (560g) / NANO (360g) / SLIM (440g)
  • 刃のタイプ:上記のように新規設計の臼刃で、 " Spile to Cut (S2C) " すなわち切り裂いて粉砕という2段階粉砕のコンセプトに基づいて設計
  • その他  :ハンドドリップ向けに臼刃を最適化しているので、極細挽きは挽ける速度が遅いです。※入手済みです。レビュー記事も追加しました。

     

2. 栗子G1 Plus (従来のノーマルとSタイプは廃止)

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引用:タオバオのTimemoreの旗艦店より

  • 外観 :刃以外は従来と同様 (刃以外は従来のG1と同じなので、本記事もご参考下さい。刃に関しては下部に参考記事をリンクしました) 
  • ミルの豆の容量 :G1 (≦25g) / NANO (15g) / SLIM (20g) / C (20g)
  • 重量      :G1 (560g) / NANO (360g) / SLIM (440g) / C (430g)
  • 刃のタイプ           :栗子Xと同じく " Spile to Cut (S2C) " コンセプトに基づいた新規設計のE&B (こちらの刃のベースは従来のノーマルの刃です。(刃に関しては下記の記事をよろしければご参考下さい))

 

   

3. 栗子NANO/ Plus

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引用:タオバオのTimemoreの旗艦店より

 

NANOに関してもノーマル刃に加えて、2020年11月からPlusグレードラインナップされました。(先にG1とSLIMにPlusグレードがラインナップされました)

なお、NANO Plusの刃はSLIM同様にチタンコーティング無しのタイプです。

  • 外観                   :変更なし
  • ミルの豆の容量 :G1 (≦25g) / NANO (≦15g) / SLIM (20g) / C (20g)
  • 重量      :G1 (560g) / NANO (360g) / SLIM (440g) / C (430g)
  • 刃のタイプ           :従来のノーマル刃/E&B (チタンコート無し)

※NANOはTimemoreのミルの中で最も小型で、折り畳みハンドルが特徴です。NANOに関しては所有しておりませんので、必要であれば詳細は他サイトをご参照下さい。(豆の容量の15gがネックでした...)

 

 

4. 栗子SLIM Plus (従来のノーマルとSタイプは廃止)

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引用:タオバオのTimemoreの旗艦店より

このモデルは購入済みなので、詳細は別記事で!

  • ミルの豆の容量 :G1 (≦25g) / NANO (≦15g) / SLIM (≦20g) / C (≦20g)
  • 重量      :G1 (560g) / NANO (360g) / SLIM (440g) / C (430g)
  • 刃のタイプ           :栗子Xと同じく、 " Spile to Cut (S2C) " コンセプトに基づいた新規設計のE&B (新規の刃の詳細は下記の記事にまとめました)

 

 

5. 栗子C (日本で販売されているC2がCに相当)

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引用:タオバオのTimemoreの旗艦店より

  • ミルの豆の容量 :G1 (≦25g) / NANO (≦15g) / SLIM (≦20g) / C (≦20g)
  • 重量      :G1 (560g) / NANO (360g) / SLIM (440g) / C (430g)
  • 刃のタイプ           :従来のノーマルの臼刃に加えて、従来の上位機種のSタイプと同一形状の刃が追加されました (エスプレッソ向けのCE)。ただし、材質は炭素鋼からステンレスに変更され、チタンコーティングもありません。しかし、特性は従来のSタイプの刃と大きくは異ならないと思いますので、それぞれの刃の特徴が知りたい方は下記の記事もご参考下さい) 

   ※2021年1月現在、CEは現地の商品リストから外れました。

 

 

▼こちらはCに関する参考記事です。なんだかんだで自分が1年間で最も使用したミルです。今でもたまにハンドドリップにCを使っています。(SLIM Plusはマニュアル式や直火式エスプレッソ向けに固定、ハンドドリップの主力は栗子X)

 

6. 製品の選び方 (Timemore自身の推奨)

新しくXやPlusが加わり、製品選びに迷われる方もいらっしゃると思います。

XやPlus、Cで使用されているそれぞれ臼刃の違いや選び方について、Timemore自身の見解の記載されている記事を翻訳しました。(出典は微信のTimemore公式アカウントです)

興味ある方はご覧ください!

 

▼参考

 

 タイムモアの手動コーヒーミルG1を購入した経緯【2019年9月】

購入したのは中国の上海にあるTIMEMORE (タイムモア/泰摩咖啡) という最近評判のメーカーの手動 (手挽き) コーヒーミル。

>> TIMEMORE (公式HP)

 

今や「中国製」と侮ることはできません、これがかなり質感も高くてカッコいいです。(世界三大デザイン賞であるレッド・ドット・デザイン賞も2017年度に受賞しています)

レッド・ドット・デザイン賞 - Wikipedia

 

ちなみに下はメーカーのプロモーション動画で、時間のある方は少しだけでも見てみて下さい。


TIMEMORE: Chestnut G1 Manual Grinder

 

ちょうど最近は、これまで使っていた日本製ミルの "ポーレックス" の切れ味にも不満を感じ始めていました。

なぜかというとポーレックスでは浅~中煎りの豆を挽くことや、中深煎りあたりでも細挽きが大変に感じ、世の中にはもっといいミルがあるんではないかと...

それで金属製の刃を使ったドイツ製なんかの高級ミルにも手が出そうになりました。(一般的にポーレックスが使用しているようなセラミック製の刃は、金属製に比べて切れ味が劣るとされているので)

 

しかし、ここは中国在住者として中国メーカーを選択せねばと、最近評判のTIMEMORE (タイムモア) のミルの購入に踏み切りました...(国内品のためとてもお買い得!ってのも大きいですが...)

購入したミルは同社の “Chestnut G1” (以下G1) という製品で、使ってみた感じ、豆を挽いているときに伝わってくる手の感触と、同時に漂ってくるコーヒーの匂いが、何とも言えないくらいとても心地いいです。(中煎り、浅煎り豆も全然苦ではありません!)

 

かなり満足しているので、今回はこのTIMEMOREのコーヒーミルをレビューします。

内心、日本でもTIMEMOREが流行るんじゃないかと思っています。

ちなみにこのミルの名称にあるChestnutは “栗” の意味で、中国語でこのミルは “栗子 G1” という名称です。

 

 タイムモア "G1" と "G1S" では何が異なるのか?(追記有り)

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上の写真は実際に購入したTIMEMORE "G1" の写真ですが、実物をみても作りがしっかりしていて、頑丈なアルミ削り出しの本体クルミの木を使った部品は高級感があります。

TIMEMOREには同じデザイン・容量で、G1とG1Sの二種類のミルがあります。

 

2020年10月追記:中国ではG1は既にPlusグレードに統合されているので、本記事の刃に関する内容は参考程度に留めて下さい。(ノーマル刃とSタイプの刃が廃盤のため)

なお、刃以外に関しては変更はありません。

 

▼参考:Plusグレードの刃の特性が知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。 

 

ちなみに自分のG1には、plusの臼刃のみを購入して換装しました。

粗挽きの粒度の揃い方だけは、従来の刃に対して同等かやや劣るかなという印象ですが、中~極細挽きに関しては粒度の揃い方も挽ける速度も従来品よりも優れていると思います

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G1シリーズは同社の中で最も大きいサイズの持ち運び可能な手挽きのミルで、一度に最大25g程挽けます。

購入するときにG1とG1Sの違いをお店に聞いてみました。

一言で言うと、"G1がハンドドリップ中心の人向け、G1Sがエスプレッソ中心の人向け” だそうです。

 

G1とG1Sの違いは使っている臼刃だけで、ちなみに私は追加でG1Sの臼刃も買ってしまいました... (なぜかというと、最近、ユニークな直火式エスプレッソメーカーにハマってしまい、それで濃厚なコーヒーを淹れるために (極) 細挽き豆の使用頻度がかなり増えましたので...)

 

参考までに、下記がそのユニークな直火式エスプレッソメーカー "Kamira (カミラ)" についての記事です!

  

ちなみに下の写真が、その直火式エスプレッソメーカーで濃厚なコーヒーを淹れているところ。

こんな感じでクレマが出るような淹れ方をするには細挽きの豆が必要で、細挽きが心地よく挽けるミルが欲しくなったわけです... (深煎りであればポーレックスでもなんとかいけますが、焙煎度が浅くなるにつれて大変になっていきます...)

 

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話はコーヒーミルに戻りますが、下がそのG1とG1Sの臼刃の実物の写真です。(G1とG1Sの刃は形状と材質が異なります)

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材質は左側のG1の刃がステンレス製右側のG1Sの方が炭素鋼 (※) で、共にチタンコーティングされていて、表面の摩擦抵抗が下がると共に耐蝕性や耐久性が向上しています。

 

昔のモデルは炭素鋼製の刃にチタンコーティングがなく水洗い不可と記載されていましたが、チタンコーティングされているものは水洗い可となっています。(ただし非推奨とのこと)

ステンレス製の方はチタンコーティングの有無によらず水洗い可と記載があります。

 

刃の特徴としては、G1の刃の方が微粉が少ない反面、(極) 細挽きが苦手 (G1Sよりも遅い)。

一方、G1Sの刃の方は (極) 細引きが短時間で挽ける反面、中~粗挽きでも微粉がやや多めです。(G1の刃に比べたらの話で、ポーレックスよりは微粉は少ないです)

 

刃以外にも挽き目を揃える仕組みが内蔵されていて、下の図に示してあるように二つの金属製ベアリングで軸をしっかり固定しているのも特徴です。

簡単に言えば軸がガタガタ動きません。(ポーレックスは手で触るとガタつくのが分かりますが、価格帯が違うので仕方ないかも...)

下の左図のオレンジ色の枠の部分がベアリング、それぞれに対応するのが右側の上下の写真で、共に日本製でよく見ると“JAPAN” の文字が見えます。(中国では水洗いしたい人向けに、オプションでセラミック製ベアリングも用意されています)

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※左側の断面図はタオバオのTIMEMORE直営店の製品説明から引用しています。

 

なお、粒度調整を含めこの辺の機構で特許が取得されていて、製品説明には下記の特許が引用されています。(リンクは英文翻訳です)

CN205795545U - Manual bean grinder - Google Patents

 

挽き目についてはTIMEMOREの目盛りでいうと6~12が (極) 細挽きの範囲になりますが、実際にG1で6~9のレンジは挽ける速度が遅く、頻繁に使うのには向いていないと感じました。(お試しならいいですが...)

私の用途では6~9のレンジは、挽き目が細か過ぎるので使っていませんが...

 

ちなみに私の使用している直火式エスプレッソメーカーは圧力が約4気圧までかけられるので、実際に3~4気圧程度の圧力がかかるように挽き目を調整しています。

そのぐらいの圧力をかけようとすると、このG1で10~12ぐらいの目盛りで豆を挽くのがちょうど良いようです。

 

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モカエキスプレスのような一般的な直火式エスプレッソメーカーであれば、1~2気圧ほどしか圧力がかけられないので、挽き目はもっと粗いものを使用することになります。

ハンドドリップであれば、さらに粗い挽き目 (G1でだいたい15~) を使用します。

そのため、機械式エスプレッソ、もしくはそれに近い高圧でコーヒー抽出しないのであれば、たいていはG1の方が快適に使えるはずです

 

しかしながら、G1の目盛りで10~12に相当する範囲の使用ではG1Sの方がより早く豆を挽ける () メリットは残ります。 (抽出圧力のかかり具合からG1Sだと目盛り14~16程度に相当)

 

ただしG1Sの方が早く挽けますが、その分手に感じる負荷はやや増加します。

G1の方は挽くのに少し時間がかかりますが軽快に挽ける印象で、自動車のギアに例えたら、G1がローギア、G1Sが少しハイギアみたいな感じです。

楽に挽くため、G1Sでは挽くときに本体を傾けて臼に入る豆の量をコントロールしながら挽いています。

 

私の場合は、挽ける速度抽出時の圧力調整という2つ観点で、G1とG1Sのどちらが使い易いのかを探っていて、もう少し使ってみて傾向が見えたら追記しようと思います。▼次の記事を追記しました。

TIMEMORE コーヒーミル|エスプレッソ向けとハンドドリップ向けの違いを比較検証!【タイムモア】

 

 サイズ、握り心地、重さについて (ポーレックスとも比較してみる)

写真を見てもらえばわかるように、高さはポーレックスよりもG1はの方がやや低く、太さ的にはG1の方がやや角ばっているので、直径がやや太く感じます。(内部の空間の直径はほぼ一緒なんですが...)

 

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正面からみたところ(左がポーレックス、右がTIMEMOREのG1)

G1の高さは168mmです。

 

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上部の蓋を取って上から見たところ (左がポーレックス、右がTIMEMOREのG1)

G1の空洞部分の直径は47mmです。

 

G1の方が手の小さい人には持ちにくく感じるかもしれませんが、G1は刃の切れ味がかなりよいため、豆を挽く際に実際に手にかかる負荷はポーレックスよりもだいぶ小さく感じます。(豆の焙煎度がだんだんと浅くなってくるとその差が顕著になってきます)

そのため、G1の方は豆を挽く際に本体を握る力はそれほど必要がありません。(ここの違いは大きい)

 

また、G1の方は角ばっているのを利用して、うまく手にフィットするような角度を見つけると、持つのはより楽になります。

そのため、握り心地をトータルで考えるとG1の方が好きです。(実際に挽いてみると疲れ難いですから...)

 重さに関しては、G1が約560gで、ポーレックスが約275gと重さが倍ほど異なります。

 

一度に挽ける豆の量はG1が約25gで、ポーレックスが約30gでポーレックスの方がやや多めです。

私の場合、マキネッタでいうと一度に使用する量はモカエキスプレスの3cupで約20gカミラで約17gハンドドリップでは約15gなので、G1で十分に足りています。

 

携帯性については、G1の方は重さがペットボトル一本分ほどありますので、携帯できないことはないですが、持ち運びする用途にそれほど向いているとは言えません。

携帯性が気になる方はサイズがより小さい同社の “Nano” シリーズも検討された方が良いと思います。(Nanoは一度に挽ける量がこちらは約15gに減りますが、豆を挽く基本性能はG1シリーズと同等です。ちなみにNanoシリーズの重量は約360gで、G1よりは軽いですが、ポーレックスよりは重いです)

 

ちなみに下の写真がG1とNanoを並べた写真です。(タオバオのTIMEMORE直営店の製品説明の資料からの引用です)

サイズ感のご参考に。

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>> TIMEMORE NANO 手挽きミル (Amazonで見る)

>>TIMEMORE NANO Plus手挽きミル (Amazonで見る)

 

 刃の交換にはトルクス型ドライバーが必要

TIMEMORE製品が既にレビューされている動画やサイトも色々ありますので、ここでは不足している点を挙げておきます。

例えば下記のようなYoutube動画があります (製品が同社のNanoシリーズですが、ほとんど同じです)


動画で解説! 「TIMEMORE コーヒーグラインダー NANO & NANOs」 その1 「挽き具合、清掃、分解、組立」編〔#242〕

 

で、何が不足しているのかというと、13:50~ぐらいのところからの補足です。

 

実はもっと分解できます。

 

下記のねじを外すんですが、これは少し特殊な種類のねじです。

トルクスねじと呼ばれるねじで、通常の+ネジよりもネジ山が壊れにくいメリットがあります。(上位グレードらしく細かいところにも気を使っています)

 

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しかし、このねじを外すためには下記のようなトルクス型のドライバーが必要で、このねじを外さないと臼刃の交換も下側のベアリングの交換もできません。(説明書にサイズの記載がありませんが、T8のサイズ (サイズはお店に確認済み) が必要です。私はこのドライバーを使用して臼刃の交換をしました)

 

 

臼刃の外側の刃を本体から取り外してきっちりメンテナンスをしたい人も、このドライバーを持っていた方がよいでしょう。

ポーレックスよりもパーツは多いので、バラして清掃しようとすると、G1の方がやや大変です。

この点は慣れが必要かもしれません... (私は慣れました...15分くらいで掃除できます)

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初めのうちはこまめに上のようにバラして掃除していましたが、実際は大して汚れているようには見えません。

現状では分解掃除の頻度の目安は、何か擦れるような音が鳴りだしたときにしています。(臼刃周りの未分解のままではブラシの届かない場所に粉が溜まってくるとそうなるようです)

 

これは普段細かい粒度で挽いている方が汚れる頻度は高そうです。(細かい粒度で挽いているG1Sと粗い粒度で挽いているCとの比較から)

具体的に私の使用例で言えば、G1Sの方は2~3ヵ月に一度くらいの頻度です。(Cの方は半年ほどたって一度分解掃除しただけ)

 

 普段の手入れ (メンテナンス)

タイムモア G1やCの普段のメンテナンスについて下記の記事にまとめました。

普段はブラシでの掃除が中心で、上記のような分解はしていません。

 

 切れ味は当然、質感やデザインまで求めるか?

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セラミック刃のミルよりも切れ味のよい高級なミルを探している方にとって、TIMEMOREのG1シリーズはきっとその要求を満たしてくれるミルだと思います。

コーヒーを味わうだけでなく、豆を挽くところから手に伝わってくる感触や漂ってくる香りを、ゆとりをもって楽しめています。(コーヒーの香りが最も放たれるのが焙煎豆を挽いた瞬間で、むしろ挽きたてのこの香りの方がコーヒーよりも好きかもしれません...)

 

また、好みも入ってくるとは思いますが、その質感もTIMEMORE G1シリーズはかなり高く、機能面以外にもデザイン面からも検討する価値ありです。

一方、メンテナンス性に関しては部品点数の少ないポーレックスのようなシンプルな製品にはやや劣ります。(ただし、普段のメンテナンスではそれほど違いは生じないと思います...)

 

以上のような点をトータルで考えて、セラミックス刃のミルの切れ味に不満を持っている方や、ミルの質感やデザインにこだわる方には、TIMEMOREのG1シリーズは是非おススメしたいミルです。

 

 

新型のPlusグレードは上記のノーマル刃の製品に対して、細挽き~極細挽きの挽ける速度が大幅に改善されています。(細かくなるほど速度差は実感できます)

マキネッタやFlairなどのマニュアル式のエスプレッソを想定される方はこちらの方が向いています。(G1のノーマル刃でも極細挽きは可能ですが、挽けるのが遅いので...)

 

 

※Plusグレードの挽き特性については、同形状の刃を使用しているSLIM Plusの記事を参考にして下さい。(少し下部に記事へのリンクがあります)

 

また、G1シリーズの携帯性に懸念がある場合、下記のTIMEMOREのNanoシリーズも候補になると思います。(ただし、Nanoシリーズの一度に豆を挽ける量は15g程度で、マニュアル式エスプレッソのダブル、カミラやモカエキ3cupにはやや不足と思います)

SLIM plusが絶賛おススメです!(購入済み)

 

▼参考記事

 

私としてはSLIMがおススメなのですが、タイムモアの記事によるとNANOは日本で大人気らしいです。

泰摩做手摇磨豆机已经六年了,从获得红点奖的G1,到被人觊觎的Slim,到日本超高人气的Nano,到新手之王栗子C,因为做磨做得太多,导致很多人一直以为泰摩的名字叫“泰磨”。

https://mp.weixin.qq.com/s/Qh_OND1Q9UuVgvwDitp_0Q

 

サイズ以外に折り畳み式のハンドルなど、G1とは異なった機構やデザインも決め手にしてもいいのかなと思います。(唯一Nanoだけ持っていませんが...)

 

  

上記では触れていませんでしたが、セラミックス製の刃を使用したポーレックスのようなミルとG1シリーズやNanoシリーズはそもそも価格がぜんぜん違います

そのためTIMEMOREの方が切れ味がいいとか、質感が高いとかはある意味当然といえば当然で...

そんなとき、価格を抑えながらも上位モデルのG1とほぼ同等の切れ味をもったTIMEMORE Chestnut "C" (TIMEMORE "C")という製品があります。(中国語名称:栗子 C)

 

 "C" は過剰な機能・材料を省き、残すべきところ (切れ味) を残して価格を抑えたエントリーモデルです。

クルミの木や金属の代わりに樹脂部品が増えましたが、臼刃は上位モデルと同一で、粒度を揃えるためのベアリング機構も同様に備えています

 

ちなみに後日 "C" も購入しましたので切れ味は確認済みです (ハンドドリップ用に使っています。G1と同じくエスプレッソにはそれほど向いているとは思えませんが、モカエキスプレスのようなマキネッタであればOKです。一度に挽ける豆の量も約20gでNanoよりも多いです)

下記はそのタイムモアのCについての記事です。興味が湧いた方はどうぞご覧ください!

【レビュー】タイムモアC 手挽きコーヒーミル | 質実剛健なエントリーモデル - エンジニアの中国ブログ

 

 

以上、TIMEMOREのコーヒーミルのレビューでした。

長くなってしまいましたが、ご覧いただき、ありがとうございました。

※質問等があればコメント欄、もしくはTwitterからお願いします。

 

 

以降では本ブログのコーヒー関係の記事を紹介しています。よろしければご覧ください!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。クレマを上手くつくるにはコーヒーミルでの粒度調整は非常に重要です。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は1Zpressoのコーヒーミル "JE-plus" についての記事です。ハンドルの軽さはG1/G1Sよりも上です。ただし、使い勝手や風味の好みもあり、極細や細挽きではG1Sを好んで使用しています。JE-plusの方はもっぱらドリップ向けに使用しています。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのコーヒーミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMという手動コーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記はタイムモアSLIM Plusという新規設計の臼刃を使用した手動コーヒーミルについての記事です。エスプレッソ挽きが超速いので、マニュアル式のエスプレッソメーカーに使用しています。

 

下記は、タイムモアの手挽きコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記はTIMEMOREのコーヒーミルの電動化を試してみた記事です。邪道とは思っていたのですが、勢いでテストしてみました!

 

下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記ではあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーを紹介しています。現在、お気に入りのコーヒー銘柄です。

 

下記はちょっと毛色が異なりますが、中国語のコーヒー用語をまとめました。