エンジニアの中国ブログ

中国の広東省在住、現地企業勤務のエンジニアです。中国生活で体験したことや趣味の話を中心に発信していきます!

手動コーヒーミルの使い方のコツ!| 粒度の揃え方、疲れない挽き方

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最近ハマっているコーヒーの話です。

今回は、特に手動 (手挽き) コーヒーミルを使ってコーヒーを淹れる方で、

  • コーヒーの雑味 (苦味、渋味) が気になる方
  • マキネッタの微粉が気になる方
  • ポーレックスのようなセラミックス製の刃を使用したミルを使用する際、ハンドルを回すのが重く感じている方 (タイムモアのような金属刃のミルでも、重く感じる場合はどうぞご覧下さい!)

に興味を持ってもらえるのではないかと思います。

テーマは、手動コーヒーミルを使い方 (挽き方) を少し工夫することで、微粉をできるだけ減らして、しかも楽に挽くです。

もちろん篩のような道具も使いませんし、ポーレックスのような比較的お手頃価格の手動コーヒーミルをいかに使いこなすかということが念頭にあります。

 

そのため、高級なミルを使っている方には役に立たない情報かもしれません...

また、もっと全般的なコーヒーミル (グラインダー) の使い方に関しては、下記のサイトが分かりやすかったです。

▼参考

初心者必見!コーヒーミルの使い方マニュアル|Perfect coffee

手挽きコーヒーミルの使い方 | 美味しいコーヒー羅針盤 by 南蛮屋

  

 

粒度を揃える使い方のコツ

現在、わたしは毎日手動コーヒーミルを使って豆を挽いてコーヒーを飲んでいます。(ちなみに日本のポーレックスという会社のミルを使っています)

ある日、そのミルの使い方によって、コーヒーの味が変わることに気付きました。

ミルの使い方といっても粒度を設定したら、下記のような円筒状のミルにコーヒー豆を投入してハンドルを回すだけ...変えられる条件は限られます。

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変えられる条件といったら...

そうです、豆を挽く速度、すなわちハンドルを回す速度です。

ある時、ハンドルを急いで回して挽いた粉を使うと、ハンドドリップ時の抽出時間が長くなることに気付きました。

逆にゆっくり回すとその抽出時間が短くなります。

これは挽いた豆の粒子の大きさに差 (粒度に差) があるに違いないということで、下のような篩で違いを確認してみました。

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篩った結果は下記のようになりました。

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同じ量を篩にかけましたが、見てわかるようにゆっくり挽いた豆の方が篩から落ちる豆の量が少なく、かつ篩上に残った豆もかなり均一に見えます。

つまり、ゆっくり挽いた方が粒度が揃っていて (粒度の分布が狭い)、微粉が少ないということ。

微粉の量がことなる理由については、挽く速度により砕け方が異なることや、速く挽いた方がミルの回転軸がブレ易いのではないかと推定しています。

 

これが味にどう影響するのかですが、右側の急いで挽いた不揃いの豆の方がハンドドリップ時も抽出速度が遅いので、過剰に苦味や渋みがでたりしやすく、好みの味に調節するのが難しいです。

微粉自体が表面積が大きいため、そもそも苦味や渋みを出しやすいというのもあるかもしれません。

 

一方、左側のゆっくり挽いた豆は、コーヒーの抽出速度がコントロールし易いため、味の調整が比較的容易です。(抽出速度を遅くしたい場合は、細く注湯すればいいので...)

また、ゆっくり挽いた豆をマキネッタに使用しても微粉が少ないためか、過剰な苦味は出てきにくく、カップに入ってくる微粉も少なくなります。(微粉が減ると圧力が比較的かかり難くなるので、抽出時間がやや短くなっている影響の可能性もあります)

 

なお、ゆっくり挽くと味が変わる理由として摩擦熱が少ないことが挙げられることもありますが、検証が難しいので本ブログではノーコメントです。

また、味と摩擦熱の関係を家庭用のミルで実際に検証した結果も、私が探した限りですが、見つからなかったです... (むしろ摩擦熱は業務用で大量に挽くときぐらいしか問題にならない気がしています…)

 
微粉は不要なのか?>

実は微粉や粒度分布の広がりが、必ずしも悪いことだとは考えていません

その点については下記の記事で考察しましたので、ご興味のある方はどうぞご覧ください。

 

 

以上、超簡単ですがコーヒー豆の挽き方を少し変えるだけで粒度が揃い (微粉が減り)、普段のコーヒーの味を美味しく変化させることが可能です。(少なくとも味の調節がし易くなる)

ゆっくりとできるだけ一定の速度で豆を挽きながら、ミルから漂ってくるコーヒーの香りを楽しむのが、最近けっこう好きになりました!

 

欠点としては、浅煎りや中煎りといった硬い豆ではとても楽しむ余裕なんか無くなって、ゆっくり挽くのはただの苦行... 

私の使用しているポーレックスであれば、たとえ滑り止めのゴムバンドを使ったりしても、握る負担が減るだけで、ハンドルを回して挽くときの負担は減りません…

 

仕方なくもっと高級なコーヒーミルが欲しくなったりするかもしれません… (私はそうでしたが...)

でも、実は高級なミルを購入する前に、試してみてもらいたい挽き方がまだあります!

 

疲れない挽き方のコツ

手挽きコーヒーミルの使い方で、コーヒー豆を挽く速度に加えて重要なこと、それはコーヒーミルの持ち方 (持つ角度) です。

この持ち方を少し変えるだけで、豆を挽く際の苦労は30~50%は減らすことが可能です。(効果は私の主観ということで...)

 

通常は下の写真のようにミルを立てる向きで持って、豆を挽いていると思います。

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これを下の写真のように斜めに傾けて持つようにします。

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こうすることによって、臼刃の中に噛みこまれていくコーヒー豆の量を減らすことできます

臼刃の中で挽かれている豆の量が少ないほど手にかかる負担が小さくなるので、ミルを傾けて臼刃の中の豆を減らし、楽に挽ける角度を探してみて下さい。

 

そうすることで豆を挽く負担が大きく軽減し、楽に挽けるようになります。

これで、ゆっくりと豆をを挽くゆとりもできるはずです。

まだ試したことが無い方はぜひ一度試してみて下さい!

なお、金属製の刃を使用したミルでも刃が豆を噛みこむ量が多いと、ハンドルは重く感じます

そんなときは上と同じようにミルを傾けて、噛みこまれる豆の量を調節すると楽になります。

 

追記ポーレックスのマニュアルを見ると、下記のような記載がありました。

ハンドルを水平に持ち、軽く下に押さえながらゆっくりと挽いてください。 (ハンドルの穴の摩耗を防ぐため)

私が使用している限り穴の摩耗は見られませんが、ポーレックスは力の加減によっては軸が少し偏るので、できるだけ穴に力が加わらないようにご注意ください。(できるだけ本体の蓋とハンドルが平行になるように意識して下さい)

早く挽こうとするときは力が入り易いので、たぶん粒度が揃わなくなるのもこの辺りに起因している気がします。(軸がぶれている可能性)

なので、本体を傾けて力をあまり入れないで挽くことは、粒度を揃えるという意味でも有効だと思います。

 

ゆっくり挽けば美味しくなる!

以上のような話を中国人の同僚に話したところ、こんな中国のことわざを教えてくれました。

 

" 慢工出细活 (màn gōng chū xì huó) ”

 

これは、「成功を急ぐことなく、ゆっくりと心をこめてつくってこそ、よいものができる」という意味だそうです。(慢工出细活|百度百科)

まあ、遅ければいいものできる訳でもないですが、この気持ちのゆとりは重要だと思います。

 

また、下記のようにコーヒー豆が最も香りを放つのは、豆を挽いて粉になった瞬間であることもよく知られています。

コーヒーの大きな魅力の一つが「香り」です。豆を挽いて粉状のコーヒーにした瞬間に最も高い香りが楽しめます。 

手挽きコーヒーミルの使い方 | 美味しいコーヒー羅針盤 by 南蛮屋

 

最近、コーヒー豆が最も香りを放つこの瞬間を、ゆっくりと落ち着いてその香りを楽しむことが最高の贅沢だと感じています。(特に自宅焙煎した鮮度のよい豆は最高です!)

 

ちなみに下記は私が愛用しているポーレックスの日本製コーヒーミルです。(昔から定番のミルで、現在は粒度の安定性がより改良された後継品に切り替わっています)

セラミックス製の刃で耐久性・メンテナンス性に優れているので取り扱いが簡単、初心者に向いたミルです。

また、極細挽き~粗挽きと広く対応できるので、自分の好みのコーヒーの淹れ方をいろいろ確かめられます。

 

シンプルかつここまで広く対応できるミルは少なく、実際に極細挽き~粗挽きと色々挽いてみましたが、実用性はあります。(8ヶ月ほど、ほぼ毎日使った感想です)

ただし、浅〜中煎りとかの硬い豆は挽くのにそれなりに力が必要で、そんなときは、上で述べたように傾けて使えば、何とか切り抜けられるのではないでしょうか...(頻度にもよるでしょうが...)

興味のある方は下記でチェックしてみて下さい。

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました

 

追記

ミルへの興味が高まってしまい、結局、ポーレックスよりも高級な手動 (手挽き) コーヒーミルを購入してしまいました... (最近評判いい中国メーカー "Timemore" のグラインダーです)

Timemore (タイムモア) のミルは当然ポーレックスよりも切れ味がいいですが、それでも硬い豆でエスプレッソ挽きにしたいときは、上で紹介したようにやや傾けて挽くとさらに軽快に挽けます。(しかも軸の上下をベアリングでガッチリ固定されているので、ちょっとやそっと力を入れたぐらいでは軸は偏りません。粒度の揃った挽き豆が得られます)

現在、お気に入りのミルです!

 

下記はタイムモアの手挽きコーヒーミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。(例えば現在のモデルであればタイムモアCとCEなどでも傾向は一致すると思います)

 

下記の記事はタイムモアの手動コーヒーミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMという手挽きコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は2020年夏にリリースされたタイムモアPlusグレードついての記事で、改良された臼刃に関してレビューしています。

 下記は、タイムモアの手動コーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記は手動コーヒーミルの電動化を試してみた記事です。タイムモアG1のシャフトの直径は、標準規格サイズなので簡単に試してみることができます。

 

下記は1Zpressoのコーヒーミル "JE-plus" についての記事です。ハンドルの軽さはタイムモアG1/G1Sよりも上です。ただし、使い勝手や風味の好みもあり、極細や細挽きではタイムモアG1Sを好んで使用しています。JE-plusの方はもっぱらドリップ向けに使用しています。

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。クレマを上手くつくるにはコーヒーミルでの粒度調整は非常に重要です。

 

下記は上の記事にあるカミラを使ってラテアートをした話です。ラテアートの絵に関してはまだ未熟ですが、味の方は自分ではかなり満足していて、楽しみ方のオプションが一つ増えました。

 

下記は自宅焙煎の記事です。自宅焙煎した鮮度の良いコーヒー豆をミルで挽くと最高に良い香りが楽しめます!特に現在は片手鍋を使用して自宅焙煎をしています。

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

 

 

【Before手鍋焙煎】コーヒーの自宅焙煎をはじめました【片手鍋に出会う前の話】

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 ※今回は最近ハマっている自宅焙煎について紹介します。

私は日本に住んでいたころ、一日に4、5杯はコーヒーを飲んでいるくらいのコーヒー好きでした。

でも中国の広東省ではコーヒーはまだまだメジャーではなく、コーヒーショップも少ないし、深センのスーパーでもせいぜいインスタントコーヒーが置いてあるかどうかといったところです。(上海なんかは色々とありそうですが...)

 

こんな状況に非常に物足りなくなり、ついにコーヒーの自宅焙煎というマニアックな領域に足を踏み入れてしまいました...

自宅焙煎の中でも一番お手軽な手振り焙煎というやつです。(家庭用のガスコンロを使用します)

 

参考までに自宅焙煎については下記のUCCのサイトにコンパクトにまとまっています。

>>>焙煎する | おいしいコーヒーの淹れ方 | 知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲

 

コンロでコーヒー豆の焙煎に挑戦!

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用意したのはこの写真にあるような焙煎器と生豆 。(焙煎器の方はすでに50回ほど使い込んだ後です)

これらは日本に帰国した際に購入してきましたが、生豆は中国でもネットで購入できます。(上の豆は日本の生豆本舗さんで購入したもの)

 

 

私が買った焙煎器はこの "煎り上手”。

他にももっと価格も安い銀杏を煎るような網のタイプもありましたが、Amazonのレビューを見てこちらに決めました。(自家焙煎にすると焙煎した豆を購入するのに比べれば、煎り上手にしろ網にしろコーヒーを飲むのにかかる費用かなり安くなります)

決め手は一度に煎る量と掃除の容易さです。(あと、見た目が頑丈そうだから)

 

まず煎る量に関しては、"煎り上手” が一回に50~60gが適量に対し、網の方は大体が100~200gと多めです。(基本的に焙煎器のサイズによって適量が決まり、スカスカに詰めると熱が逃げやすく、詰めすぎるとムラになりやすいです)

量が多いと失敗したときの処理が大変なので、まずは少量で始めたいと思いました。

でも、最近はもう少し焙煎量が欲しいので、網も買ってみるかもしれません...

 

※追記1) 手網も安かったので中国で買いましたので、比較レビューを下の記事にしました。

簡単に言うと網の方が煎りムラが大きくなり易く (直接火があたる構造であることと、容器の底が比較的平らで形状的に煎り上手よりも混ざりにくいため) 、掃除も大変な印象です。

 

私としては煎り上手の方があっているようです。(ただしスケールアップはしたい...)

 

※追記2) そして2020年1月現在、ついに納得のいく自宅で使える焙煎器具に出会えました。

なんと、蓋付きの片手鍋です...

結局、それでいいのかという感じですが、実際に焙煎してみると明らかに違いがわかります。

香りというか風味が違うのもわかりますし、チャフも飛び散らないのでレンジ回りを汚しません.

片手鍋、おススメです!

 

鍋選びのポイントは下の記事に書いてあります!

 

※追記3)  2020年11月現在、手鍋焙煎からさらに電子レンジ焙煎へと手を広げました。特に短時間焙煎において焦げや芯残りといった問題が非常に少なく、クリアな風味に仕上がります。(現状、電子レンジ焙煎に落ち着いています)

 

また、掃除の容易さについては、下の写真を見てわかるとおり焙煎時に豆から薄皮 (チャフ) が大量に剥がれ落ちます。(片手鍋で焙煎すればほぼ解決します)

 

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"煎り上手” の方は、薄皮がある程度内部に溜まりますが、網の方はコンロの周辺に全て落ちることになります。(とはいっても、"煎り上手” の方も上部の開放部からわらわら出てきますが...)

一方、"煎り上手” のデメリットとしては豆の色の変化が分かりずらいことです。(片手鍋で焙煎すれば解決しますが…)

 

この辺は一瞬焙煎器 "煎り上手” を傾けて光を当てたりして、何とか対応しています。

あとは音の変化、豆が柔らかくなると音も若干変化するので、これを注意して聞いています。

 

追記)結局、煎り上手でもそれなりに掃除は大変なので、コードレスのスティック式掃除機を購入しました。また、豆の色の変化は手網でもわかりずらく、むしろ網越しでなく直接見れる分だけ煎り上手の方がマシに思います...

 

手振り焙煎のやり方は、ザックリ説明すると、焙煎器に生豆入れてガスコンロの火で煎るだけ。(10~15分くらい)

しかし、わからないことだらけなので、最近は下の本で理論武装しつつ試行錯誤を繰り返しています

味がイマイチ、なぜ? → 本を読みつつ理由を考える → 次はここを変えてみよう!

この繰り返しです... (仮説を立てて検証の繰り返し! 製品開発の仕事と同じです...)

詳しいやり方は、また後日書こうと思います。

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)

  • 作者: 旦部幸博
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/02/19
  • メディア: 新書
 

 

▼参考:上記の本の内容が部分的に下記のサイトで公開されています。

旦部 幸博 Yukihiro Tanbe | 現代ビジネス

 

 焙煎初心者は試行錯誤してやってみるしかない

で、出来上がった一例が下の写真です。

 

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まだ慣れていないころの焙煎した豆の写真です。

苦味の多い深煎りにしたので、油が浮き出て光沢が出ています。(決して古いわけではありません)

これ深煎りにしたのは理由がありまして、最初の生豆選びにも関係があります。

 

私はキリマンジャロ (タンザニア) みたいなアフリカ系の豆を若干酸味が残る程度に焙煎したものが好みです。(巷では中深煎り、フルシティローストとか呼ばれている焙煎度合いです)

しかし、後になって知ったのですが、こういったアフリカ産 (特に標高が高いところ) の豆は皮厚で硬く火も通りがたいため、初心者には焙煎がなかなか難しいものということでした。(ついでにインドネシアのマンデリンも難しかった...知っていたらもっと簡単な豆からを購入していました)

 

硬い豆は焙煎が上手くいかないと渋みが残りやすく、失敗すると非常に不味いコーヒーに仕上がります。

ミルクを入れてもどうにも飲めません...渋みとミルクの相性もひどいものです...お店では買えない、やってみた人にしかわからない味です...

 

これを避けるためによく焙煎したのが上の写真で、渋みに痛い思いをしていた頃に焙煎したものです。

渋みよりもよく焙煎して苦くなった方がマシという消極的な理由です。

中煎り、浅煎りなんて、渋みが怖くてなかなか試せませんでした...

 

ゆっくり時間をかけて焙煎すれば渋みを失くすことは簡単ですが、時間とともに風味も減っていきます。(同時に色はマイルドでも苦味も強くなってしまいます)

風味を残しつつ、渋みを失くすには火加減と時間の調節をひたすら試行錯誤することがとても重要です。

 

で、その上で重要だと思ったのは焙煎中に何が起こっているのか、イメージしながら実際に焙煎してみることです。(焙煎は物理変化と化学反応のミックスです)

そしてできたコーヒーが予想したのと違った場合、何が原因なのかイメージしていきます。(例えば最初に含水が十分減る前に強火で煎ってしまったなど…)

 

そしたらそのイメージを元に次はこう焙煎したら、こんな味になるんじゃないのかなと予想し、実際に再度焙煎してみる。

好みの味に近づけるには、この繰り返しです。(やみくもに焙煎していたら、上達するのに超〜時間がかかると思いますよ。これは科学実験にも通じるところなので、エンジニアの私にはある程度確信があります...)

 

そのイメージを作るためには上述した書籍 " コーヒーの科学 (ブルーバックス)なんか理論的に書かれているので大いに役に立ちます。(私は最初にこういった本で勉強していなかったので、適当にもタンザニアやマンデリンを購入したりもして、その特徴も把握せずに焙煎に挑戦し、散々渋いコーヒーを飲むハメに...)

 

例えば生豆の原産地によっても焙煎のし易さは異なり、それはなぜなのか?

調べたところ、焙煎初期の水抜きと呼ばれる工程もとても重要で、水抜き不十分だと非常に渋いコーヒーができ易いのですが、硬い皮のタンザニアやマンデリンの生豆はこの水抜きが難しい方に分類されます。

 

逆にブラジルの豆 (※) は皮が柔らかく水抜きが容易で焙煎し易く、実際に焙煎してみても、初心者にも色々と焙煎度合いを変化させて楽しめることがわかりました。

※ブラジルにも種類がたくさんありますが、私が試したのは産地がセラード地区、処理方法がナチュラル処理で、豆の種類は黄色カツアイです。(中国で購入)

 

そして、硬い豆を上手く焙煎するには、水抜き工程が初心者にとっての最初の課題で、少なくともこれをクリアしないとこタンザニアやマンデリンを自家焙煎で楽しむことができません。

こういった豆の違いは実際に煎ってみれば初心者にも一目瞭然で、コーヒーは本当に身近なところにある科学実験の素材みたいなものです。

 

追記)ブラジルの豆を穀物に例えるなら、果物っぽいのが中国雲南産のコーヒー豆です。こちらも焙煎し易く自家焙煎の醍醐味を楽しめるので、最近は雲南コーヒーを飲むことが多くなりました。

 

 自宅焙煎、楽しいです!

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というわけで、実際に自家焙煎をやってみて、やはり市販の焙煎豆とは鮮度がまったく異なるためか、格別に美味しく感じられます。

自分で焙煎しているので思い入れもかなり入っています。


でも、まだまだ自分のイメージした味に近づけるのはなかなか難しいので、ひたすら実験しています。

レンジ回り汚したって怒る人もいませんし... (なお掃除機は購入済み)

たぶん実験が好きな人はハマる可能性が高いです...

 

コーヒーの自宅焙煎、かなり楽しいです! 

 

追記過去の自分にアドバイスできるとしたら絶対にこう言います...

早めに片手鍋に切り替えて焙煎スキルを磨いた方がもっと楽しいよ!

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

以降では本ブログのコーヒー関係の記事を紹介しています。よろしければご覧ください!

 

下記はお気に入りの直火式エスプレッソメーカーのKamira (カミラ) についての記事です。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使うと、直火式ながらなめらかなクレマもつくれます。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記も片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は、コーヒーの焙煎用器具として片手鍋を初めて知った話です。ずいぶん遠回りしてしまいました...まさに灯台下暗しでした...自宅焙煎に興味のある方は是非ご覧ください!

 

下記の記事で紹介している片手鍋が現在焙煎に使用しているもので、上記の記事で紹介している片手鍋よりも鍋底が薄いタイプです。(価格も安いです)

 

下記の記事では焙煎器具として電子レンジを使用しています。短時間で焙煎する際には鍋焙煎では芯残りや表面の焦げが課題になりますが、電子レンジではそれらは問題になり難く、クリアな風味の焙煎が可能です!

 

下記ではあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーを紹介しています。現在、お気に入りのコーヒー銘柄です。