エンジニアの中国ブログ

中国の広東省在住、現地企業勤務のエンジニアです。中国生活で体験したことや趣味の話を中心に発信していきます!

【手鍋焙煎2.0】片手鍋にも良し悪しがある!選択のポイントは?【コーヒーの自宅焙煎】

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前回、自宅用のコーヒー焙煎器具として片手鍋が一番!という内容の下記の記事を書きました。その片手鍋も使っているうちに課題が見えてきたので、今回はその課題と解決方法について書きたいと思います。

 

 

結論を先に言いますと、前回の鍋の蓋部分はそのまま流用し、鍋本体をアルミ製の底の薄い鍋に変えました。(鍋底サイズは同一の直径16㎝で、蓋無しで500円ほどでした...)

使い勝手は良好で、当分はこれに落ち着きそうです...

 

前回の片手鍋の課題は?

検討した中ではトータルで考えて前回の片手鍋が一番良かったんですが、使っているうちに自分としてはまだ下記の2点で改善したいな~という気持ちが湧いてきました。

  • 軽量化         :もっと軽い鍋がいいかな?(現状は蓋込みで約1㎏の鍋)
  • 煎りムラ低減   :練習不足なのか鍋のせいなのか?

で、再度自分の鍋をよく見たときに、これらの課題と関係ありそうなのが鍋の底

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写真を見てわかる通り、鍋底が厚いんです。(製品説明によると鍋底は3層構造)

この厚い底は保温効果を目的としたもので、本来の用途であるスープを作ったりミルクを温めたりするときに、それらが冷めにくいようにこのような設計になっています。

また、厚い底は熱容量が大きい、すなわち熱を蓄える量が多いということで、薄い底よりも温度が下がるのが遅い反面、火に掛けたときの温度上昇も遅くなります

 

というわけで、再度、タオバオをチェックして、今度は底の薄さにも着目して鍋を探してみました。

そして、選んだのがこれ!(ここまで真剣に鍋を選んだことは、今までの人生で経験がありません...)

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選んだといっても単なるアルミ製の片手鍋ですが、送料込みで470円で入手できました。

日本だったらもう少し高くなるかもしれません...

そして、先に購入したステンンレス製鍋の蓋との相性もバッチリで、むしろガタツキが減って焙煎時に蓋が動く音がわずかになりました。

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アルミ鍋の効果は?

まずは重量の変化を見てみましょう。

  • 軽量化 :1,010g → 620g (蓋:358g / 鍋本体:262g)

というわけで、約40%の軽量化となりました。

蓋の方が重くてバランスが悪いように見えますが、コーヒー豆を含めれば鍋本体の方が重くなるので、バランス的にも問題はありません。

 

次に焙煎の煎りムラですが、180gの焙煎でも煎りムラはかなり減りました

少しわかり難いかもしれませんが、下がその写真です。

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1ハゼ前後から温度をコントロール ()するのが容易になった印象で、1ハゼから2ハゼにかけての時間を調整し易いようです。(中煎りなんかはやり易くなりました...)

※温度コントロールは蓋の開け閉めと火加減の調整で行います。

また、中深煎り程度まで煎っても、時間が経ってからの豆からのオイルの滲みが出しがかなり減ったように感じます。

 

というわけで、底の薄いアルミ鍋に変更したことにより、煎りムラが減り、1ハゼから2ハゼの時間調整 (温度調整) がし易くなった効果を実感しています。

さらに、煎りムラが減ることは可能な焙煎量の増加にもつながります。

 

また、下記のようアルミとステンレスでは熱伝導率が大きく、10倍程度も異なります。(アルミの方が10倍ほど熱を伝えやすいということ)

  • アルミ  :約230W/m・K
  • ステンレス:約20W/m・K

底の厚みの薄さに加えて、この素材としての熱の伝えやすさの違いが焙煎のコントロールのし易さに影響を与えているのかもしれません。(コンロで加熱された部分の熱が速やかに鍋底の面方向に広がり、鍋底の温度が均一になり易いイメージ

底厚のアルミ鍋を探せば底の厚み方向の熱伝導率の影響も検証できますが、そこまでは今はやる気なしです... (現状で不満を感じていないので...)

 

冷却の際に注意することは? (ドライヤーよりも重要なこと)

上記で焙煎量の増加に触れましたが、その際に注意した方が良いことがあります。

それは焙煎後の豆の冷却についてですが、ポイントとしては焙煎後、なるべく豆同士が重ならないようにすぐに広い容器に打ちあけることです。

狭い容器でドライヤーなんかを使うよりもよっぽど効果が高く、ジャラジャラと容器を振っているだけでもすぐに冷えていきます。(さらに団扇や雑誌で扇げば十分です)

 

参考までに、私の場合、下記のような目開きが5mm程度 (6目) の篩に焙煎後の豆を打ちあけています。

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左の篩が直径20㎝で、右が直径30㎝です。

だいたい焙煎量が100g以下のときは左側の篩を、それ以上のときは右側の篩を使用しています。(冷えるのが早いので、現在は量によらず右側の大きい篩を使用しています...)

下記のように類似品はAmazonでも販売されています。ご参考までに... (ホームセンター等にもあると思います)

 

追記】最近は下のように目開きの異なる二つの篩を組み合わせて使用しています。

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単に二つの篩を重ねて振るだけですが、上側に目開きが6目の篩を、下側に200目の篩をセットして使っています。

チャフのほとんどが下側の篩に落とされて溜まるので掃除が簡単です。

自宅焙煎の一つの懸念はチャフによる汚れとその掃除の大変さですが、片手鍋と上のような二つの篩の組み合わせで、掃除は非常に簡単になりました

 

2020年6月27追記】さらに上記を発展させて冷却器を導入しました... (篩の下側でファンで吸い込む仕組みになっています)

 

結論

底が薄いアルミ鍋は、底が厚いステンレス鍋よりもコーヒーの焙煎に向いているという検証結果となりました。(しかも底が薄いアルミ鍋の方が安い!)

今回、確認した底が薄いアルミ鍋のメリットとしては下記の通りです。

  • 煎りムラの減少 (その結果、焙煎量の増加)
  • 焙煎のコントロール性の向上 (特に1ハゼ以降の温度コントロール)

 

ここまで、真剣に鍋を検討したことは初めてでしたが、そこそこ納得のいく焙煎器具が得られたと思います。

コーヒーの鍋焙煎に興味を持たれた方の参考になれば幸いです!

 

以上、ご覧いただき、ありがとうございました。

 

2020年5月31日追記:上記の鍋を使用していて微妙に不満がでてきました。持ち手が短く熱いという問題です。対策としては鍋が安いので買いなおしました。この辺りも注意した方がいいかもしれません。

下の右側の13.5mmの方が上で紹介した鍋で、左側の15.5mmの方が買いなおした鍋です。

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以降では本ブログのコーヒー関連の記事を紹介します。よろしければどうぞ!

 

下記はこの記事の前編にあたる記事で、片手鍋での焙煎に行きついた経緯などをまとめています。

 

下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています

 

下記は電動の鍋型焙煎機についての記事です。鍋焙煎が気に入っているので、同じような感じで焙煎できそうな電動焙煎機を買ってみました。焙煎条件は限定されますが、まずまずの買い物でした。

 

下記の記事では焙煎器具として電子レンジを使用しています。短時間で焙煎する際には鍋焙煎では芯残りや表面の焦げが課題になりますが、電子レンジではそれらは問題になり難く、クリアな風味の焙煎が可能です!

 

下記の記事では、お気に入りの直火式エスプレッソメーカーのカミラを使い方を中心に紹介しています。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使用すると、直火式ながらなめらかなクレマがつくれます。

 

下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。

 

下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。

 

下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。

 

下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。

 

下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。

 

下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。

 

下記はタイムモアSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。

 

下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...

 

下記はあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーの紹介です。現在、私のお気に入りの銘柄です。