今回は自宅用のコーヒー焙煎器具に関する下記の記事の続きです。
前回から残された課題であった焙煎量のスケールアップについて一応の答えを見出したので、ご参考までに報告します。(下の方に前回の記事のまとめも記載しました)
先に答えを言ってしまいますが、焙煎器具は上の写真にあるように片手鍋でOKでした... (初めからこれを知っていれば...という感じです...)
これからコーヒー豆の自家焙煎を始められる方は、ぜひ参考にして下さい!
<前回の記事のまとめ>
家庭用のコーヒー焙煎器具の入門用としてよく取り上げられる「煎り上手」と「手網」を、私が重要と感じている下記の3点で比較しました。
- 煎りムラが少ない
- 再現性が高い
- 焙煎できる量が多い (大体120〜180gが目標)
結果として、煎りムラと再現性に関しては「煎り上手」は良好ですが、その焙煎量には不満という状況です。
また、「手網に」は上記3点のいずれににおいても「煎り上手」以下と感じています。(あえて「手網に」のメリットを探せば器具の価格が安いところです)
- 煎りムラが少ない → 煎り上手に軍配
- 再現性が高い → 煎り上手に軍配
- 焙煎できる量が多い (大体120〜180gが目標) → どちらにも不満
上記の三つの課題を同時に満たす焙煎器具を見つけたい!というのが前回からの引き続きの課題です...
ネット上で家庭用のコーヒー焙煎器具を調査してみた結果
前回の記事では、焙煎量のスケールアップ対策として、アウベルクラフトの回転式焙煎器に興味があることをお伝えしました。(下の動画の焙煎器です)
しかし、これ、中国で購入するとしたら2万円以上するんですよね...
ちょっとテンションも下がってしまい、もう少しネット上で焙煎器を探してみました...
すると、なんだか興味が湧いてくる動画が見つかりました。(私が心を読まれやすいのか、最近のYouTubeのおススメ機能は結構いいところを突いてきます...)
下記の動画です!
家庭でできる珈琲の焙煎方法をお伝えします!【煎りたてハマ珈琲】
なんと、普通の片手鍋でコーヒー豆を焙煎しています!!
しかも、鍋をずっと振りっぱなしではないところが特に驚きで、このような一定のリズムで鍋を置いたり、振ったりを繰り返すやり方で、ムラがほとんど見られない綺麗な焙煎のお手本を示してくれています!
ちなみに動画作成者のハマ珈琲さんは、喫茶店、業務用の焙煎機製造、焙煎教室などもされています。
焙煎機の製造|珈琲豆の通販|珈琲教室なら【HAMACOFFEE】
え、こんなんでいいの!?という感じだったんですが、費用も別に大して必要無いのでとりあえずやってみようと、なぜか思い立ってしまいました... (今、振り返ると不思議です...)
とりあえず両手鍋で焙煎してみた
上の動画を見つけた当時、片手鍋はもっていなかったので、とりあえず家にあった蓋付きの両手鍋で検証してみました。
両手に軍手着用で、親指で鍋蓋を押さえながら焙煎してみたところ、結構、上手くできました。
むしろ、出てきた水分によって蒸し焼き状態になるので、効率よく焙煎できてると思います。
意外でした…
とりあえず焙煎仕立てのコーヒーを味わってみたい方は、家にある蓋付きの鍋を使えば、何とかなるのではないかと思います。
蓋無しのフライパンも一度試しにトライしてみましたが、開放系で熱が籠もらないためか煎りムラが大きめの印象です。(でも手網よりはマシな感じはします。蓋付きのフライパンだったらもっと良い結果だったかもしれません...)
結論として、片手鍋にかなり可能性を感じたので、片手鍋を購入することにしました。
コーヒー豆の焙煎に適していそうな片手鍋を探してみた
両手鍋による検証を元に、片手鍋の選定にあたり考慮した部分を下記にまとめてみます。
- 蓋が動きづらいこと:選んだ鍋は下の写真のように蓋の端が鍋部分に入り込む部分が長く (22mm)、焙煎時に多少乱暴に振っても外れません。
- 蓋に穴があること:豆から出た水がスムースに出ていくように穴があった方がいいです。(蓋を開けても水は出せますが、温度変化が大きいので再現性が低下すると思います)
- 蓋の材質 (ガラス製):中の豆の色の変化がわかるように当然ガラス製を選びました。
- 鍋のフッ素コーティングは不要:焙煎は空焚きみたいなものなので、どうせ直ぐにコーティングはダメージを受けると考え、コーティングは無いもを選びました。
- 大きさ・重さ:直径は14~16㎝ぐらいでできるだけ軽い方が好ましいですが、結局、直径16㎝で重さが蓋込みで約1㎏の手鍋に落ち着きました。(特に蓋が外れにくいことを重視して選んだ結果です。もう少し軽いものが欲しかったんですが...)
私の場合、上記のようなことを考慮してタオバオで片手鍋を探しました。(タオバオでは ‟Momscook牛奶锅” で検索すれば、私の選んだ鍋は出てきます。価格は2,800円程でした)
で、選んだ片手鍋は下記のものになります。
ただの片手鍋ですが、使っていくうちにだんだんと愛着も出てきました…
底も分厚くて必要以上に堅牢な気も…長持ちしそうです... (ただし、底が厚いと熱容量が大きくなってしまうので冷えにくく、焙煎のコントロールに影響があるかもしれません...ありました...)
【手鍋焙煎2.0】片手鍋にも良し悪しがある!選択のポイントは?【コーヒーの自宅焙煎】 - 現地採用エンジニアの中国ブログ
片手鍋に興味が湧いてきた方は、上記も参考にして探してみて下さい!
あとは練習あるのみ|自家焙煎
左が片手鍋で焙煎中の様子で、右がその焙煎で得られたコーヒー豆です。
焙煎量の目安
ハマ珈琲さんに質問したところ、片手鍋で焙煎できる豆の量の目安は下記のとおりとのでした。
- 直径14cm鍋:生豆で最大150g程度
- 直径16cm鍋:生豆で最大200g程度
私の場合、まだ16㎝鍋で120g程度しかうまく焙煎できません。(量を増やすと豆の平たい部分が焦げたものが増えてきてしまうので...)
※現在は200g程度は問題無く焙煎できるようになりましたが、この辺の量からは2ハゼに到達するような焙煎度だと煙と匂いが気になります...
しかし、すでに「煎り上手」の約2倍の量の焙煎はできています。
今後、もっと攪拌の練習をして焙煎量を増やしていくつもりです。
焙煎練習に役立つ動画
また、基本の中深煎り以外の焙煎度の焙煎に関しても、同じくハマ珈琲さんの下記の動画を参考にして練習しています。
【片手なべ焙煎】浅煎り《前編》コロンビア・マグダレナスプレモ
【片手なべ焙煎】浅煎り《後編》エチオピア・グジ・ゲイシャ・ジャスミンG1
まとめ
下記の点を重視して手軽な家庭用の焙煎器を探しましたが、なんだ結局ただの片手鍋で良かったのか...という感想です... (焙煎用と謳われている器具が、実力以上によく見えてしまっていたということですね、たぶん…)
- 煎りムラが少ない
- 再現性が高い
- 焙煎できる量が多い
片手鍋による焙煎で得られたコーヒー豆です。
今でも、「煎り上手」は軽くて扱いやすいので (空重量で約250g)、軽さを重視する方にはいいと思いますが、もし軽い片手鍋が見つかればそれでいいと思います...
そして、片手鍋には上記3点 (煎りムラ、再現性、焙煎量) で優れているのに加えて、安価、中が見えやすい、コンロ周りが汚れ難い、焙煎後に豆が出し易いという更なるメリットもあります。(「煎り上手」や「手網」に対する比較です)
ただし、鍋蓋に関しては何らかの安全対策を考慮した上での使用が望ましいです。
具体的には蓋が外れ難いものを選定する、保護具の着用などです。(外れたら足の上に落ちてくる可能性もありますから…)
というわけで、これからコーヒーの自家焙煎を始めてみたい方や、「煎り上手」や「手網」に不満をお持ちの方には、
焙煎器として片手鍋がおススメです。
(今では回転式の焙煎器を試してみたいという気持ちは完全に消え去りました...)
また、コーヒーミルをまだ持っていない方は、浮かした費用でできるだけグレードの高いコーヒーミルを購入するのもよいのではないかと思います。(私はタイムモアのコーヒーミルが気に入っていて、下の方で紹介記事のリンクも貼ってあります)
焙煎したてのコーヒー豆をミルで挽いた瞬間は、最も香りが楽しめる瞬間です!
以上、ご覧いただき、ありがとうございました!
下記は本記事の続きです。焙煎用の片手鍋をさらに選定し直しました...鍋底は薄いものの方がいいようです。(価格も安いです)
下記の記事では、鍋型の電動コーヒーロースターを使用して気付いたことをまとめました。気に入っている手鍋を使用した焙煎と原理的には同じだと思ったので、試しに買ってみました...
下記は焙煎後の豆を冷やすために冷却器を導入した話です。一度の焙煎量が増えてくると欲しくなってくると思います。
下記の記事では焙煎器具として電子レンジを使用しています。短時間で焙煎する際には鍋焙煎では芯残りや表面の焦げが課題になりますが、電子レンジではそれらは問題になり難く、クリアな風味の焙煎が可能です!
以降では本ブログの他のコーヒー関係の記事を紹介しています。よろしければどうぞ!
下記は自宅焙煎を始めた頃の話です。初めから片手鍋に出会っていればとも思いますが、懐かしい思い出です。
下記は片手鍋に出会う前の記事で、焙煎器具として煎り上手や手網を比較した記事です。しかし、現在、片手鍋が一番気に入っています。
下記の記事では、お気に入りの直火式エスプレッソメーカーのカミラを使い方を中心に紹介しています。自宅焙煎した新鮮なコーヒー豆を使用すると、直火式ながらなめらかなクレマがつくれます。
下記はカミラのフィルターホルダーへのコーヒーの充填性を改善するために、なんちゃってファンネルをつくった話です。
下記は、ロブスタ種のコーヒー豆を使用したときのクレマのつくり易さを、直火式エスプレッソメーカー (マキネッタ) であるカミラで検証した話です。
下記の記事では自分なりの手動コーヒーミルの使い方を紹介しています。焙煎したてのコーヒー豆を自分で挽くのは、一番コーヒー豆の香りを楽しめる瞬間だと思います。
下記は現在お気に入りのコーヒーミル、Timemore (タイムモア) のG1についての紹介記事です。G1は同社のフラッグシップモデルに相当します。
下記はタイムモアのミルのハンドドリップ用とエスプレッソ用の刃の違いを検証した記事です。ここではタイムモアのG1とG1Sで比較していますが、他のモデルと刃の形状は同一なので、傾向は他のモデルにも当てはまると思います。
下記の記事はタイムモアのミルのエントリーモデル、タイムモアCについての記事です。ハンドドリップ用に使っています。
下記はタイムモアのSLIMというコーヒーミルについての記事で、中国の新興企業であるタイムモアのミルを、ドイツの老舗ザッセンハウスが (うっかり?) パクってしまったという話です。
下記は、タイムモアのコーヒーミルの普段のメンテナンスについての記事です。普段はほとんどブラシを使った掃き掃除しかしてないです...
下記はあっさりが特徴と言われる雲南コーヒーの紹介です。現在、私のお気に入りの銘柄です。