エンジニアの中国ブログ

中国の広東省在住、現地企業勤務のエンジニアです。中国生活で体験したことや趣味の話を中心に発信していきます!

チロリアンシューズのあれこれ|安藤製靴のケベックver.の紹介や最近の検索動向など...

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今回は久々に革靴をテーマにしたいと思います。

革靴といってもスーツに合うような革靴ではなくラフに履ける革靴で、チロリアンシューズと呼ばれる下の写真のようなアウトドアシューズです。

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安藤製靴 OR1

 

見ての通り、チロリアンシューズは上の写真のようにぼってりとした感じでスマートではありません。

若いときはおっさん臭い印象が強くて興味なかったのですが、なぜか30代半ばの頃から不思議と魅かれるようになってしまいました。

 

以前に下記の記事でも上の写真のチロリアンシューズを紹介しています。

安藤製靴|登山靴にルーツをもつ堅牢な革靴の紹介 - エンジニアの中国ブログ

ただし、最近は中国の広東省に在住のため暑苦しくてあまり履いていなかったのですが... (広東省は沖縄と同じぐらいの緯度なので、2月でも暑ければ25℃以上になります)

 

そんなわけだったのですが、先月、日本に帰国中にチロリアンシューズを履いていたところ、なんだかまた日常的にそれを履きたい気持ちが湧いてきました...

そして中国に戻る際、中国に持ってきていなかったもう一足の別のチロリアンシューズも勢いで日本から持って来て来ることに!

今回はその紹介がてら、チロリアンシューズについて最近調べたことをまとめたいと思います。

 

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安藤製靴のチロリアンシューズ(ケベックレザー)

安藤製靴製チロリアンシューズ OR-1

上の写真のチロリアンシューズが新しく持って来たものですが、簡単にいうと以前から持ってきていた日本の安藤製靴製のチロリアンシューズの革違い、色違いです。

似たような靴を何足も持っていてバカみたいと思われるかもしれませんが、そこはスルーで...

 

革がイタリアのベスタ社のケベックに変更されていて、色はボルドーです。(黒い方の革はアメリカのホーウィン社のクロムエクセル)

革質はケベックの方がクロムエクセルよりも腰があり伸び難い印象で光沢は抑えめです。(しっとりしていて傷も付き難い感じ...)

私としては黒はクロムエクセルの光沢が、茶系はケベックのややマット調が好みです。

ベスタ社 (公式サイト)

Chromexcel® — Horween Leather Co. (ホーウィン社の公式サイト)

 

3年ぐらい前に購入してからまだあまり履きこんでいないですが、茶系の色なのでこれから経年変化でいい風合いが出てくるのを期待しています。(黒は経年変化があまり楽しめないので...)

二つを並べると下の写真のような感じです。

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安藤製靴のチロリアンシューズ (茶色がケベック、黒色がクロムエクセル)


黒い方は10年近く前に購入したものですが、まだまだ履けそうです。

ちなみに安藤製靴の靴の特徴としては革質縫製の丁寧さ、甲と底を結び付けている細革のウェルト構造なんかで、もっとシンプルなチロリアンシューズも昔はラインナップにありましたが、おそらく人気もあまりなく、既にラインナップから消えています。

ちなみに下の写真の靴のことです。(上のOR1と違いがわかりますか? 構造的にもシンプルで防水性も高いのですが...)

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引用:安藤製靴ホームページ http://www.ando-shoe.com/pulse1/105.ht_

 

チロリアンシューズのデザインそのものは安藤製靴のオリジナルではなく、様々なメーカーが作っていて、簡単に一般的な構造の特徴をまとめると下記のようになります。

  • 甲の部分のモカシン縫い (粗目のステッチワーク)
  • 2穴3穴のレースアップ
  • ノルウィージャン製法ステッチダウン製法といった革製の登山靴に用いられていた製靴方法で作られていることが多い

 

デザインのルーツとしては、アルプスのチロル地方のような傾斜のある土地で働く牧童たちが履いていた伝統的なチロリアンブーツが原型と言われてます。(調べてもなかなか出てこないので見たことないのですが...) 

また、ノルウィージャン製法については下記の記事も以前に書きました。

ノルウィージャンとグッドイヤーウェルト製法の違い|安藤製靴の製法について調べてみた - エンジニアの中国ブログ

 

履くときの注意点

こういった靴を履くときの注意点を二つ挙げておきたいと思います。

まず一つ目ですが、踵が抜けやすいことが挙げられます。

靴紐が甲の上部しかないので、構造上、足のホールドは高くないです。

国産の登山靴を作っているメーカーにありがちのようですが、履き始めは底が固くて返り難いです。(特にOR1は特徴の一つであるウェルトの影響もありそう...細革のウェルトがないホットスタッフなんかは最初から底の返りが良好だったので...)

 

一応、安藤製靴の靴も下の写真のように最初から底の返しは形状的に付いているのですが、それでも履き始めは踵が抜け易かったです。

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安藤製靴のチロリアンシューズ(真横から)


で、これを解決するために中敷きを入れてみたり、紐をきつく結んでみたりしましたが、あまり効果ありませんでした。(私の黒のチロリアンは最初から貼ってある半敷革を剥がしてみたりと格闘の後が残っています...)

結局、踵抜け対策で一番効果があったのは底を柔らかくすることで、底の返りを意識して多少をクセを付けるような感じでしばらく履いていれば踵抜けは解消されました。(同社のOR2なんかも一緒です)

特に初めてこの類の靴を履く人で踵が抜ける場合、簡単に諦めないで馴染んでくると信じて履くことが重要です。

 

二番目の注意点ですが、縫い目からの浸水です。(靴にもよりますが...)

ノルウィージャン製法の場合は縫い糸も太く縫い穴も大きいため、下の写真でいうと内側の縫い目 (すくい縫いの部分) から浸水し易いです。(目止め処理していなければですが...)

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 安藤製靴のチロリアンシューズ (つま先付近)

登山靴製法による重厚な作りのチロリアン・シューズは防水性に優れており、雪にも強いため、軽登山の普段履きとされています。

チロリアン・シューズとは | 靴の種類や製法、修理に関する用語集

 

上記のように "チロリアンシューズ=防水性が高い" といった感じで記載しているサイトも多いですが、登山靴メーカーが作っていてもチロリアンシューズは登山靴ではないので、防水性が考慮されているかどうかは別の話です。

縫い目の防水性が考慮されていないOR1みたいな靴だと、縫い目にワックスをよく塗り込んでおいた方がいいでしょう。(一度や二度だと効果が薄く、メンテの度にワックスを塗り込んで、ブラシでよく刷り込むようにしていたら、浸水は気にならなくなりました...上のボルドー色のOR1の方はあまりメンテしていないのでたぶん浸水してくると思います...)

 

ケベックの経年変化

というわけで、今後、ケベックレザーのOR1を履き込んでいって、革靴の醍醐味の一つである経年変化 (エイジング) も見てみていくつもりです。(完全に自己満足の世界で、見る人によってはただの汚い靴かもしれませんが...)

その代わりにこれまでスタメンだった下のホットスタッフは会社で履く予定です...

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 安藤製靴のホットスタッフ

 

続いて、この記事を書くにあたり久々にチロリアンシューズについて軽く調べてみたので、それに対して思うことを備忘録も兼ねて書き残します。

 

Googleの検索サジェストをチェック

今、チロリアンシューズに関心を持っている人が特にどんな点に関心を持っているのか知りたいとき、Googleの検索サジェストが一つのヒントになることがあります。

Googleで表示される検索サジェスト (オートコンプリート)は、他の検索ユーザーが興味を持っているキーワードや、過去に検索した回数などに基いて決まるようですが、チロリアンシューズの検索サジェストは下記のようになりました...

 

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・・・

ダサい

・・・

・・・

別に人目なんか気にする方ではないですが、なんなんだよこのキーワードはと...

これに対する答えを用意すればブログのPV上がるんだろうか...

どういうつもりでこんなキーワードで検索しているのでしょうか?

私には履きたい靴を履けとしか言えません...でもサジェストの3番目にあるスーツは止めた方がいい...絶対合わないから...

 

他のファッション系を取り扱っているサイトにも下記のように記載があります...

チロリアンシューズは、ビジネス用の革靴としては一般的に使われることはありません、もちろん冠婚葬祭も避けましょう。カジュアルな場面で活躍する革靴です。 

人気の革靴:チロリアンシューズの魅力と特徴 | ピントル

 

ちなみに「チロリアンシューズ+ダサい」で検索すると、2020年3月4日の時点で下記のような検索結果になります。

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なんと検索結果は1~3位まで、フランスのメーカーであるパラブーツ絡みの記事が独占です。

しかも記事を見てみても内容的にダサいとどう関係あるのかわかりませんでしたが、Googleのアルゴリズム的にはこれが「チロリアンシューズ+ダサい」に対する答えです

パラブーツはお店で試し履きしか経験がないのですが、底が柔らかくて履き易そうでしたが個人的に好みではありません... (特に革の質感が...)

なので、別にパラブーツに興味がある訳でもないので、このキーワードに関しては掘り下げるのは止めました。(この記事が引っかかっるのは避けねば...)

 

チロリアンシューズの国産メーカー

あとはGoogleのサジェストに出ている「国産」、「GU」、「リーガル」、「ゴロー」なんかはチロリアンシューズのメーカーを探していそうです。(パラブーツは出ていない...)

ゴロー含め「国産」キーワードでチロリアンシューズを探している人は日本製の中でも特に登山靴メーカーの作っているものを探しているのではないかと推定しているのですが、その場合、上で述べた靴底の返り (踵抜け) には注意した方がいいと思います。(逆にリーガルやGUは最初から底が柔らかくて履き易そうなイメージ)

 

下記が私が知っている登山靴系の国産メーカーのリンクです。

安藤製靴

登山靴 手作り職人の店 中山製靴

中森商店 - Yosemite ヨセミテ 通販 (ここは独自の公式サイトは持っていないようです)

有限会社 ゴロー

 

この中で安藤製靴以外に靴を購入したことがあるのはゴローで、軽登山靴のブーティーエルを買ったことがあります。(もう10数年前の話ですが...早いな~)

ゴローの靴は実用性重視で機能的には全く問題ないですが、たぶん安藤製靴に興味を持っているような人はここの靴は選ばないのかなと思います。

 

意外だったのは、たまたま見つけた下記の記事。

 

上の記事では女性向けに中森商店のチロリアンシューズを紹介しています。

ここの靴は結構造りがハードに見えるけど、踵抜け大丈夫なんだろうか?(たぶん体重が軽いと底がなかなか柔らかくならないかも...)

実際に今までに女性がチロリアンシューズを履いているのは見たことないような気がしますが...

 
ちなみに検索サジェストですが、前方補完の場合はアンダーバー "_" を付けることで得ることができます

例えば「_チロリアンシューズ」で検索サジェストは下記のようになります。

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前方補完される場合、保管されるキーワードはメーカーやブランド名で、興味のあるメーカーやブランドが既にある人がよく使うキーワードなのかもしれません...

ここでは新たに「クレマン (Kleman)」、「GU」、「ダナー」、「安藤製靴」、「アイガーエイス (中森商店)」が出てきました。

先に紹介した安藤製靴もそれなりに認知されているのだと思います...
 

過去5年間の検索数のトレンド

Google トレンドで過去5年間の検索数のトレンドも調べてみました。

「チロリアンシューズ」の他、「安藤製靴」、「リーガル 靴」も比較として加えています。(下がその結果)

 

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ご覧の通り、リーガルに比べたら10分の1も検索数は無いですが、過去5年間、チロリアンシューズは安定して検索されています

ちなみに「安藤製靴」というキーワードは本ブログで最も表示回数の多いキーワードになるので、チロリアンシューズというキーワードは結構検索されているのではないかという印象です。

ただし、「安藤製靴」というキーワードでは本ブログはあまりクリックされていないです。(本ブログの検索されるキーワードのトップ10にも入らないですね...)

 

というわけで、検索件数やそのトレンドから、チロリアンシューズは意外に安定して人気があるのではないかという印象を持ちました。(Googleのサジェストにいきなりダサいとか出てきたんで、人気が無いのかもとも思いましたが...)

 

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というわけで日本から新しく持ち出してきたケベックレザーのチロリアンシューズをしばらく履きこんでみるつもりです。

いい感じに経年変化 (エイジング) していくことを期待しつつ、折を見て状況をまた紹介していくつもりです。(あまり需要はないかもしれませんが、完全自己満足なので...)

また、チロリアンシューズの底堅い人気 (と言い切っていいかはわかりませんが...) を確認できて安心しました。(当分買い足す予定はないですが、製品自体が無くなっていくと寂しいので)

 

以上、ご覧いただきありがとうございました!

 

 

以降は本ブログの安藤製靴やノルウィージャン製法関連の記事です。よろしければどうぞ!