先日 (2019年8月)、中国工商銀行の深セン市の支店から、日本の自分の銀行口座に海外送金 をしてきました。
初めての海外送金で不安もあったので、勤務している会社の会計の方にも付き添ってもらいました。
なお、人民元のままでは日本に送金できないので、外貨の円に両替してからの送金という流れでした。(両替と送金は同時に手続きできました)
今回、その体験に基づき、中国から日本への送金手続きの流れと必要書類を紹介します。(Web上には古い情報も多いので)
中国で頑張って稼いだお金をきちんと日本に送金できるのか、不安に思う方もいると思いますので参考にして下さい。
- 2020年3月現在:また日本に国際送金しましたが、手続きに特に変更はありませんでした。
- 2020年7月現在:外国人が中国で銀行口座を開設するのに、法改正により一ヵ月ほどの審査期間が設けられるように変更になっていました。(ただし、会社指定の給与口座の場合はこの限りではありません。(当日開設も可能))
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2021年1月現在:送金原資の確認資料として、受け取り側のソニー銀行から送金口座の入出金履歴 (約半年分) の提出を求められました。(毎回ではありませんが、適時、何らかの確認資料を要求することがあるそうです)
- 2022年8月現在:昨年以降、送金原資の確認資料は毎回求められています。送金口座の入出金履歴は銀行アプリですぐに入手できることがわかったので、特に手間ではなくなりました。
- 銀行で中国から日本に国外送金するために準備するもの
- 中国の銀行での手続き、所要時間はどのくらい?
- なぜ手続きにそんなに時間がかかるの?
- できるだけスムーズに日本へ送金するために
- 最後の手続き|最終的に中国から海外送金に要した日数は?
銀行で中国から日本に国外送金するために準備するもの
2019年8月現在、中国の銀行から現地の給与を日本へ送金する場合は、金額によらず (※) 以下の6つが必要です。(送金限度額や規制はなく、納税証明できる分だけ送金可能です(手取り分))
①会社発行の給与の証明書(必要事項は事前に銀行に確認して作成してもらいました。雇用契約書の写しも各ページにサインして提出しました)
②税務署発行の納税証明書 (税単)
③パスポート
④外国人工作許可証
⑤銀行カード (自分の銀行口座 (給与口座) からそのまま送金しました)
⑥銀行発行の給与振り込み金額・時期の証明書 (指定した期間の給与金額と振り込まれた時期が記載されていて、支店のATMのような機械で直ぐに発行できました。銀行ではこれと税務署発行の証明書とを比べながらチェックすることになっているそうです)
※①、②で証明できる期間分に相当する金額しか送金できません。(要は送金する金額分の証明が必要です)
※②は税務署で発行してもらいますが、こちらは受付から20分程で入手できました。(混み具合によって変わるかもしれませんが...)
※単に元を日本円に両替して現金を銀行から引き出すだけであれば、事前予約が必要ですが就労者はパスポートのみでOK。この両替の限度は1回に10,000ドル相当以下とのことでした。(ただし、中国出国時の無申告の現金の持ち出し限度額は、毎回5,000ドル相当以下に制限されていますが...)
中国の銀行での手続き、所要時間はどのくらい?
今回、所要時間はなんと2時間10分でした...
別に混んでいて並んでいたわけではありません。
手続きにそれだけの時間を要しました... (こちらで必要な書類記入や作業が全て終わっても、銀行側の作業が全部終わるまで待っていてくれと言われ、なかなか帰らせてもらえませんでした)
中国からの海外送金、結構、面倒でした。
なぜ手続きにそんなに時間がかかるの?
聞いたところ、この深セン市の支店にとって今年初めて (既に8月ですが...) の外国人の国外送金だったそうで、担当者もその上司も全く慣れていませんでした。
見ていると、途中、どこかに電話して確認しながらシステムにデータを入力... (非常に遅いです...)
見ていてこちらも不安になってきます...
深センは発展が目まぐるしく、先進的なイメージを持つ方もいると思いますが、銀行窓口業務はあまり進歩していないように感じます。
英語もホテルを除いたらあまり通じません。(通じるのはおそらく外人の多い地域だけでしょう)
今回は会社の人に付いてきてもらって手続きをしましたが、現地の中国人のサポートがないと手続きは無理だったと思います。
できるだけスムーズに日本へ送金するために
もう次回はこの支店には行かないと思います。
海外送金の手続きの流れと必要な書類は把握できたので、次は外人の多い地域の支店で手続きしたいと思います。
また、予め、下記の記入用紙ももらってきました。(銀行で記入すると面倒だし時間もかかるので)
【2020年3月追記】別の支店を探すのも面倒になってもう一度同じ支店に行ってしまいました...下記の書類に記入して持っていきましたが、内容が前回と同じだ伝えると、銀行側から前回の記録を印字した書類を渡してくれ、その書類の確認とサインだけで済みました。(ただし送金金額は変更。時間は前回よりも少しだけ短縮されましたましたが、結局2時間弱かかりました...)
中国工商銀行の場合だと、海外送金は送金主本人の口座にしか送金できないそうです。(個人送金の場合です)
また、中国工商銀行で日本への送金手続きをする場合、コルレス銀行 (中継銀行) は必要ないです。(直接、中国工商銀行で送金手続きします)
記入は英語ですが、英語の住所は予め正確な住所表記を確認しておいた方がよいです。(中国の現住所と送金先の日本の銀行の住所)
あとは日本の銀行のSWIFTコードの事前確認も...
最後の手続き|最終的に中国から海外送金に要した日数は?
日本側の銀行で振り込みが確認されたら、本人にメールで確認が届きます。
中国で振り込み後、中1日で連絡がありましたので、中国からの海外送金に要した日数は2日ほどでした。
ソニー銀行の場合だったら、ネットで送金目的や送金主 (本人) との関係をウェブ上で記入して終了です。
ソニー銀行の方には、予めマイナンバーのコピーや海外転居の届け出はしてありました。そうしないと海外からの送金がスムーズにいかない可能性があるとのこと。(下記参照)
【2021年1月追記】送金原資の確認資料として、受け取り側のソニー銀行から送金口座の入出金履歴 (約半年分) の提出を求められました。
毎回ではありませんが、適時、何らかの確認資料を要求することがあるそうです。(マネーロンダリング防止の観点から)
▼ソニー銀行のホームページから引用
ソニー銀行では、マネー・ローンダリングやテロリストへの資金供与への対策を強化しております。
外貨送金のご利用にあたっては「外国為替及び外国貿易法(外為法)」やその他関連法令に、より一層適切・厳格に対応すべく、被仕向け送金お受け取り時の審査を強化しています。
これにより、送金内容の詳細を追加で確認させていただく場合があり、口座への入金までに日数がかかることがございますので、日程的な余裕をもってお手続きいただきますようお願いいたします。
また、審査結果によっては口座への入金をお断りする場合もございます。お客さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
ソニー銀行への外貨送金(被仕向け送金)|MONEYKit - ソニー銀行
なお、送金手数料は送金する中国側の銀行の分に加えて、受け取り側の日本の銀行の被仕向送金手数料も発生しますが、ソニー銀行では被仕向送金手数料は無料です。
調べた限りでは受け取り銀行にメガバンク等 (三井住友銀行など) を指定すると、大抵の場合被仕向送金手数料が発生しますので、ご注意ください。
▼ソニー銀行のホームページから引用
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被仕向け送金手数料は0円!金額・回数制限もありません。
被仕向け送金をご利用の際、ソニー銀行側でかかる手数料はありません。ご利用金額や回数の制限もなく、いくらでも、何度でもご利用いただけます。
ご資金が到着するまでの間に、経由する中継銀行にて手数料が発生する場合があります。
ソニー銀行への外貨送金(被仕向け送金)|MONEYKit - ソニー銀行
中国生活、日本への送金が一番面倒かな...
10万元/年までだったら、やはり一番簡単な中国から日本へ送金する方法は、日本のATMで引き出すことですね。(私の工商銀行のカードは磁気帯が無いので日本のATMでは使えませんが...)
以上、ご覧いただき、ありがとうございました。
こちらは中国での銀行口座開設に関する記事です!
マネーロンダリング対策の一環で、OECD (経済協力開発機構) の定めたCRS (共通報告基準) に日本も中国も参加して、銀行口座開設に伴う必要書類は昔よりも増えています。(CRSに基づく自動的情報交換に関する情報|国税庁)
ご参考までに。
下記はAlipay (支付宝) のバスポート情報の更新についての記事です。海外送金に次いで、パスポートの更新は中国生活では面倒なものに挙げられます。興味のある方はどうぞ!