今回は実際の中国在住者の立場から、中国生活で必須のVPNサービスについて紹介します。(2021年8月現在、私が実際に使用しているVPNサービスです)
中国に渡航予定の方はVPNに関してあらかじめ調べておくことをお勧めします。
ご存知の方も多いと思いますが、現在、中国ではインターネットの検閲システムが存在し、インターネット環境が規制されています。
このシステムは「金盾(きんじゅん)」と呼ばれ、グレートウォール(万里の長城)をもじって、グレート・ファイアウォールとも呼ばれています。
この規制のため、中国ではYahoo検索、Google、YouTube、Lineなどはサービスやアクセスが制限されていて普通は使えません。
ご参考までに、下記はVPN接続無しで中国からYahoo検索を利用する方法についての記事です。(Google等には適応できませんが...)
この規制対策として使われるのがVPNと呼ばれるインターネットの接続方法です。(多分、中国に住んでいる外国人の多くは使用しているはずです)
VPNの詳細に関しては他のサイトに譲りますが、2018年当時に私が参考にしたブログを参考までに下記に挙げておきます。
2018年9月~2019年8月現在、このVPNによって、私はそれほど不自由無く中国でインターネットを使用することができています。
2019年10月頃から、中国政府の規制がかなり厳しくなったのでネット環境が不自由です。
特にShadowSocks系は一時的にどこのサービスも使えなくなった模様。(2021年3月現在、ShadowSocks系の接続は使えたり、使えなかったりです。VPNサービスの会社も別の方式に移行しつつあります)
下記では、2021年8月現在、私が実際に使用している二つのVPNサービスを紹介します。
かべネコVPN
2019年10月から、従来の小龍茶館1coinVPNに加えて新たに下記のサービスを使い始めました。(2021年8月現在、継続中)
かべネコVPN | KABENEKO VPN – 安心・安全・高速のネット環境を世界中で
かべネコVPNの特徴としては、下記のとおりです。
- 日本語対応
- 高いコストパフォーマンス
- 複数のVPN方式を有している (ShadowSocks、IKEv2、OpenConnect方式)
2021年8月現在、かべネコVPNは完全に接続不能になるようなことはなく、とりあえず使えています。(かべネコVPNで主に使用しているのは IKEv2という接続方式で、Google検索やYouTube、LINEなどに主に使っています)
ShadowSocks系の接続方式は何度か規制を受けていますので、もうShadowSocks系には頼れません... (プロキシ系の類似の方式としてTrojan-GFWという接続方式も用意されています)
下記はかべネコのSadowSocks規制に対する見解です。(2020年2月)
通常,重要な政治日程があるときにVPNへの規制がなされます。
推測ではありますが,シャドウソックスは一般ユーザーが多いため,新型コロナウイルスの風評を防止する意味合いがあると思われます。
他のVPNサービスを検討する際にも、現状では、複数の通信方式も確保しておいた方がよいと思います。(かべネコVPNでいえば、Trojan-GFW、IKEv2、OpenConnect方式の全てが同時に規制されたことは、これまでのところ経験していません。OpenConnectが一番規制を受け難いようですが、通信速度は一番遅いです)
かべネコVPN | KABENEKO VPN – 安心・安全・高速のネット環境を世界中で
小龍茶館1coinVPN
2020年1月現在、従来から使用していた小龍茶館1coinVPNの方は、ShadowSocks系に加えて、V2Rayという新しい接続方式が使えるようになりました。
最近、ShadowSocks系が規制されましたが、その際もV2Rayの方は使用できていました。
なお、小龍茶館1coinVPNも日本語対応のVPNサービスですが、かべネコに比べてサービスは悪いです。(規制時の連絡も遅れ気味)
また、個人経営っぽいので万が一の対応にも不安を感じますが、その分価格は安いので検討時の参考材料にして下さい。
こちらのVPNサービスも、2021年8月現在、継続中です。
価格についてですが、上記の2つのVPNサービスとも1年契約で使用していますが、二つ合わせて月に1000円でおつりが来ます。
以上、VPNサービスご検討のご参考になれば幸いです。
また、参考までに、下記はVPN接続無しでYahoo検索を利用する方法についての記事です。もしご存じでない場合、知っておいても損はしないと思います。
下記からは古い記事なので、現在では参考になりません。(2018年9月~2019年8月までの状況)
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参考までに、私が使用している二つのVPNを下記に紹介します。(どちらも有料のVPNです。無料のVPNはあまり信頼していないので試していません)
まず一つ目は、小龍茶館1coinVPNです。(2019年8月現在、小龍茶館しか使用していません。VyprVPNは解約しました)
メジャーではありませんが、小龍茶館1coinVPNはYouTubeの動画が快適に見れる回線の速さと、月額500円というコストパフォーマンスの高さが売りです。
接続の安定性に関しては、この2ヵ月の間で2日ほど使用できないことがありましたが、現在は運営側がサーバー増設で対応しており、問題無く快適に使用できています。
また、VPNによっては中国国内でPCやスマホにインストールすることが難しいものもありますが、小龍茶館1coinVPNは中国入国後でもインストール可能です。(設定自体は難しいものではありませんが、全くの素人向けのものでもありません)
実際に半年間使用し、2019年も契約更新しました。(計一年ほど使っています)
二つ目は、大手ベンダーのサービスのVyprVPNです。
※2019年2月現在、VyperVPNの方は私の環境では繋がりません... (昨年末頃からかなり規制されているようで、他の方のブログを見ても使えない方が多いようです)
※2019年8月現在、使わないのでVyperVPNは解約しました。
VyprVPNは、上記の小龍茶館1coinVPNのバックアップとして契約しました。
これらのVPNは接続方式が異なっているため、技術的にも補完になるのではないかと考えています。
小龍茶館1coinVPNの "ShadowSocksR" という接続方式に対し、VyprVPNは中国向け独自開発の "Chameleon(TM)プロトコル" が売りです。
小龍茶館1coinVPNの方ではVPNサーバーを攻撃されると使用できなくなる可能性があるということがわかったので、そもそもVPNだと認識されにくい方式 (そのため規制を受けにくい) のVyprVPNにバックアップを期待しています。(サーバーの数もVyprVPNの方が遥かに多いです)
これまでに小龍茶館1coinVPNが使用できないときは、こちらで対応できました。(そのときは無料のお試し期間で使用していましたが、小龍茶館1coinVPNのバックアップが欲しくなり有料契約へ移行しました)
VyprVPNは大手のベンダーなのでサービス体制も期待できますが、私の使用環境では小龍茶館1coinVPNと比べて接続速度は遅いです。(YouTubeは何とか見れますが...)
そのため、普段は小龍茶館1coinVPNを基本的に使用しています。
また、PCとスマホのそれぞれにこれらのVPNをインストールしています。
VPNの設定は全く予備知識が無いと、けっこう面倒なものです。
これから中国に来られる方は、色々なWebサイトで渡航前にVPNの下調べをすることをお勧めします。(私の周りの中国人はVPNに興味がないので、全く頼りになりません...)
また、現地で中国向けスマホを購入すると、VPN以外にもアプリの導入で苦労するかもしれません。
私の場合、中国でHuawei P20 Proを会社で買ってもらいましたが、Google Playが入っていませんし、普通にはGoogle Playはインストールできません。(Google Playが入っていないと欲しい日本のアプリがインストールできないので、必死にネット検索しながら、Google Playをインストールしましたが...)
やはり、スマホは香港あたりでグローバルモデルを購入した方が、設定の苦労が少ないと思います。(今回は急ぎの銀行口座の開設にあたり、とりあえず携帯電話が必要だったので、そこまで頭が回りませんでした...)
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。