海外生活をする上で、現地の銀行口座の開設は必要なことが多いと思います。
特に中国での銀行口座の開設は、中国で就労する上で必須です。
最近は国際的な基準の採用もあり、銀行の口座開設の手続きに必要な書類も昔に比べて増えたので、口座開設で自分が経験したことをこの記事にまとめておきます。
中国では正規の手続きに従って就労している場合、問題なく口座開設できるはずです。
ただし、最近は海外で銀行口座を開くのが煩雑になり、必要なものをしっかり準備していかないとスムーズにはいきません。
なぜなら、国際的なマネーロンダリングの防止対策で、だんだんと銀行のチェックが厳しくなっています。
ちなみにそのマネーロンダリング対策の一環で、OECD (経済協力開発機構) の定めたCRS (共通報告基準) に日本も中国も参加しています。
▼参考
共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換に関する情報(「CRSコーナー」)|国税庁
私の場合、2018年に中国で銀行口座を開設しましたが、準備不十分でスムーズに開設できませんでした...
今回、その反省も踏まえ、外国人就労者を想定して必要な資料と口座開設のタイミングをまとめます。
- 中国の携帯電話番号
- パスポート
- 外国人工作許可証
- 在留許可証
◆必要書類は上記と変わりないのですが、法改正により当日の口座開設ができず一ヵ月ほどの審査期間が必要になっています。(2020年7月現在)
また中国で就労していない場合、口座開設がほぼ不可能なようです。
どこの銀行で開設したか?
これまでに深センにある二つの銀行で開設しました。(共に2018年に開設)
最初に中国建設銀行で開設し、次に中国工商銀行で開設しました。
口座開設に必要な資料
外国人が中国の銀行口座を開設する際には、①中国の携帯電話番号、②パスポート、③パスポート以外の顔写真入りの身分証明証が求められます。
中国建設銀行で開設した際は、上の③の身分証明証として使える外国人工作許可証が取得前だったので、日本の運転免許証を使いました。(最初にマイナンバーを要求されましたが持っていなかったため、日本の運転免許証でもOKということになりました)
このとき在留許可証も取得前でしたが、臨時宿泊登記での提示で済みました。
また、口座開設の目的を聞かれますが、私の場合は給与口座のためだったので理由は明らかでした。
しかし、外国人工作許可証をまだ取得前だったので、会社の内定通知書で説得を試みました。(同僚が必要書類を銀行にあらかじめ聞いておいてくれ、口座開設の際も説明してくれました)
外国人工作許可証を持っていれば問題はまだよかったのですが、諸事情により銀行口座が急ぎで必要だったので、やむを得なく今回のような方法になりました。(在留許可証も後から必要と言われました...)
これには窓口の担当も簡単には応じてくれず、中国人の同僚に説得してもらわなければ、今回のケースでは口座開設は難しかったと思います。
最後には顔認証のカメラで写真まで撮られて、やっと許可してもらえました。(普通は必要ないです)
そのため、口座開設のタイミングとしては外国人工作許可証と在留許可証の取得後が、一番スムーズになると思います。(何も文句を言われないと思います)
※2019年に確認したところ、外国人工作許可証と在留許可証は必須だそうです。
外国人の口座開設の理由については、今後、マネロン対策や不正就労防止の点で、ますます重要になってくるはずです。
正規の就労による給与口座の開設であれば全く問題が無いことですが、中国で就労していないにもかかわらず大金を口座で動かしている人が大勢いるとのことです。(少し前までパスポートだけで銀行口座が開設できましたので)
最近、香港を含む中国の銀行から、そのようなあやしい (?) 顧客宛に銀行口座の利用目的を伺うメールが送信されているとのことで、取り締まりはだんだんと厳しくなっていきそうです。(今は既存の大口顧客が目を付けられているようです)
まとめると、中国で就労する場合、銀行口座の開設には下記の4点が必要になります。(そのため、口座開設のタイミングとしては外国人工作許可証と在留許可証の取得後)
- 中国の携帯電話番号
- パスポート
- 外国人工作許可証
- 在留許可証
注意点
銀行での手続きに時間がかかる
上記の資料をそろえて持って行ったにも関わらず、中国工商銀行では口座の開設に1時間以上もかかりました... (全然自動化されておらず、窓口の対応に大きく左右されます)
口座開設する場合、時間にゆとりを持って口座開設に臨んだ方がよいです。
クレジットカードは必要?
ちなみに中国のキャッシュカードには自動的に銀聯のデビットカードの機能が付いてきます。
銀聯のデビットカードが使えないケースがあった場合、VISAのクレジットカードは持っているので、その場合はそれで対応するつもりです。(日本の銀行口座と紐づいているので、できれば使いたくない)
今後、万が一クレジットの銀聯カードが必要性が大きい場合は、会社を保証人にしてコーポレートカードとして発行してもらう予定です。(同僚に聞いたところ、外国人はクレジットカードが作り難いらしく、会社に保証人になってもらうのが一番手っ取り早いそうです。クレジットカードはおそらく必要ないとも言っていますが...)
※2020年現在、使う機会ないのでクレジットカードは作っていません。
日本で使用できない銀行カード (追記:2019年1月)
中国工商銀行のキャッシュカードが日本のATMで使えませんでした。(セブンイレブンと三井住友銀行でトライしました)
理由は裏面の磁気帯が無い仕様のためで、この場合、日本のATMで使うことができないようです。(中国工商銀行の現行カードはICチップのみの仕様です)
ちなみに中国工商銀行のホームページには次のような記載がありました。
ご注意:中国国内で発行された銀聯マーク付き、ICチップのみの(磁気ストライプの無い)カードは日本国内ではご利用になれませんのでご注意ください。
これから中国工商銀行の口座開設される方はご注意ください。
※ただし、買い物はできました。(ヨドバシカメラ等の銀聯&ICカード対応のお店であれば大丈夫です)
海外での現金の引き出し規制とロックした銀行カードの対処 (追記:2020年2月)
現在、海外のATMでは年間10万元相当まで現金が引き出し可能です。(銀行カード合算で10万元相当)
年間10万元を超えて現金を引き出そうとすると銀行カードがロックされます。(中国国内では使用可能)
翌年度になっても自動的にはロックは解除されていませんでしたので、ロックさせた場合は銀行にいってロックを解除しておきましょう。(これは中国建設銀行の場合です。全ての銀行が同じであるかは不明ですので、使用している銀行に確認して下さい)
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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