エンジニアの中国ブログ

中国の広東省在住、現地企業勤務のエンジニアです。中国生活で体験したことや趣味の話を中心に発信していきます!

【差すだけ】TIMEMORE手動コーヒーミルの電動化【メリットは?】

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普段、TIMEMORE (タイムモア) の手動コーヒーミルを使用していますが、今回はその手動コーヒーミルの電動化にトライしてみたので、その感想と課題をまとめたいと思います。

今まで、手動コーヒーミルの電動化なんて邪道だと思っていたのですが、下の動画を見てしまったら何だか無性にやってみたくなってしまいました...

実は心の奥底にこういう使い方に対する欲求があったのかもしれません…

 

【きっかけの動画】


[HARIO]SmartG Electric Handy Coffee Grinder[EMSG-2]

 

 

どうやって電動化するのか?|まずは有り合わせでトライ

まずは手動コーヒーミルの電動化に関してWebで調査してみました。

下記のサイトは機器の条件等もよくまとまっているので、引用させてもらいます。

 

 

このサイトによると、推奨ドリルの条件は例えば下記のようなものがあります。

  • 最大トルク:7N・m以上
  • 電圧        :7.2V以上

 

残念ながら上記を満たすドリルは身近なところになく、会社にあった下記のBOSCH社製の電動ドライバーGO2.0が動力として唯一の候補でした。(実際にはドリルもあったのですが、古く汚く試す気になれませんでした...GO2.0の方はほぼ新品だったので少し拝借)

 

【BOSCH社製、GO2.0】

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基本スペック

  • 最大トルク:5N・m
  • 電圧        :3.6V

 

スペックを除けば、サイズといい外観のカラーリングといい私の使用しているタイムモアのG1に合いそうで、このときはちょっと興奮しました。(スペックが重要なのは言うまでもありませんが...)

ドライバー取り付け部の六角穴は標準的な6.35mmのタイプで、これもG1にそのまま使えそうなサイズでした。

そして、とりあえず組み合わせてみたところが下の写真です。

 

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やはり取り付けは何のアダプターも必要なく、差すだけでぴったりとセットできました。(ちなみにタイムモアのCだと六角シャフトが一回り細いので、アダプターが必要です)

この状態で電動ドライバーのスイッチを押すだけで豆が挽ける状態です。

というわけで、このBOSCHのGO2.0とTIMEMOREのG1の組み合わせで電動化をテストしてみることにしました。

 

電動化のテスト

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上でTIMEMOREのG1と書きましたが、普段はエスプレッソ向きのG1Sの刃を使用しています。

そのため、今回のテストではエスプレッソ向きのG1Sの刃と、ハンドドリップ向けのG1の刃を共に電動化で試してみることにしました。(普段のハンドドリップはTIMEMOREのCを使用)

 

<テスト方法>

  • 使用するコーヒー豆    :雲南コーヒー (中深煎り、自宅焙煎品)
  • 挽く豆の量                   :15g
  • 手動と電動化との比較:手動は通常のペースで挽いた場合と比較

 

<エスプレッソ向けG1Sの刃で試した結果>

  • 挽き目:14クリック (細挽き、直火式エスプレッソのカミラで通常使用する設定)
  • 手動    :71秒、75秒、77秒 (計三回計測して大差無し)
  • 電動 :134秒 (一回のみ。一回目でモチベーションが大きく低下したため)

 

上記の結果を見てわかるようにG1Sの電動化では逆に時間がかかる結果となりました。

G1Sの刃は高速で豆を挽ける分、豆の噛み込み量が多いため、非常にモーターが止まり易いです。

そのため、ミルを傾けて刃に噛み込まれる豆の量を調整しながら、だましだまし挽いた結果です。

やはり、ドライバーのトルク不足が遅くなる原因です。

 

しかし、トルクを大きいドライバー・ドリルを使用したとしても、電動化で速く挽くとミルを持つ手にかかる負荷もその分増加します

上のトライの感触からは楽に挽けそうなイメージは湧きませんでした。

そもそもG1Sは手動の状態でもミルを傾け、持ち手にかかる負荷を減らして使用しています...

 

<ハンドドリップ向けG1の刃で試した結果>

  • 挽き目:26クリック (中挽き、ハンドドリップで通常使用する設定)
  • 手動    :43秒、45秒 (計二回計測して大差無し)
  • 電動 :29秒、33秒 (計二回計測して大差無し)

 

上記のようにG1の電動化の方が時間が10秒強ほど短縮できる結果となりました。

G1の方がG1Sよりも 豆の噛み込み量は少ないですが、それでも電動化の方ではミルを傾けて使用しないとトルク不足で途中で止まってしまいました。

こちらは元々手にかかる負荷が少ない刃と挽き目でのテストなので、ドライバーをパワーアップすれば、楽に挽けるかもしれません。

ただし、一人分挽く程度ではメリットは薄く感じます。(ハンドドリップ向けの方は、元々手動でも大して負荷に感じていないので...)

 

また、参考までにG1とG1Sの刃の比較は下記の記事でも検証しました。

 

微粉量の比較 (手動と電動化)

ハンドドリップ向けの方は一応はうまくいったので、手動と電動化で微粉の量を比較してみました。

電動化の方は手動よりもかなり高速で挽いているので、その影響を確認するためです。

確認方法としては下記のような微粉セパレーターを使いました。(安かったので買ってしまいましたが、普段は出番なしです)

 

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この微粉セパレーターを使って、G1の刃で挽いた豆を比較してみました。

この使い方は粉を入れて振るだけですが、私の振り方で60秒ほど振ると微粉はそれ以上分離できなくなるような感じですが、さらに30秒追加して90秒振って比較しました。

この微粉セパレーターのフルイの目開きは不明ですが、下みたいな感じで分別できます。

 

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結果は下記の通りです。

<手動>2回実施

  1. 投入量/微粉量/微粉の割合 :15.1g /1.9g/12.6%
  2. 投入量/微粉量/微粉の割合 :14.9g /1.8g/12.1%

 

<電動化>2回実施

  1. 投入量/微粉量/微粉の割合 :15.0g /1.7g/11.3%
  2. 投入量/微粉量/微粉の割合 :15.1g /1.8g/11.9%

 

見た目は電動化の方が少し良いように見えますが、バラツキも大きい実験なので有意差ではないと考えています。

ちなみに微粉を10%以上も取ってしまったら味が全く変わってしまい、私には物足りなく感じます。

そのため、この微粉セパレーターは使用していませんでした... (微妙に微粉の一部を戻して使うのも何だなと思い...)

 

また、微粉を分けたコーヒー粉はもう一度微粉と混ぜ合わせてコーヒーを入れましたが、やはり味の方は手動と電動で区別できませんでした。

微粉に関しては、今回のテストした条件では影響は無かったようです。

金属刃だとこれくらいの速度アップでは微粉の増加はほぼ無いといっていいのかもしれません。

 

逆にポーレックスのようなセラミックス刃だと速度アップで微粉が増えそうな気もしますが、電動化で軸の振れも少なくなるので、その点は良い方向にも働く要素もありそうです。

もしかしたらポーレックスのようなミルの方が電動化の恩恵が大きいのかもしれません...

 

参考までに、以前にポーレックスを使用して、豆の挽き方を検証した際の記事を下記に挙げておきます。(もちろん手動ですが...)

 

ポーレックスの電動化

上のような成り行きでポーレックスの電動化について調べたところ、なんとよく見ていたハマ珈琲さんの動画リストにありました...

 


コーヒーミルアダプター五角穴のご紹介

 

動画内では強力そうなインパクトドライバーを使っていますね...

楽とは言っても、ミルを持つ手はそれなりに疲れそうな印象です。(特に細挽きや極細挽きは...)

片手鍋の自宅焙煎では下の記事のようにかなり参考にさせてもらいましたが、これに関しては魅かれませんでした。(自分で電動化の検証をしてみて少しイメージが変わった...)

 

 

まとめ|電動化テストの今後

今回使用したBOSCH電動ドライバーでは、やはりパワー不足というのは確認できました。

もっと強力なタイプが必要です。(ドライバーというよりドリルか...)

ただし、強力なタイプを使用するとしてもミルの持ち手が不安になりました。

 

TIMEMOREクラスのミルでは、そもそも手動でもハンドドリップ向けであればそれほど苦労もないので、どうせなら細挽きや極細挽きを電動化でもっと軽やかに挽いてみたいです。

すると、電動化の際は持ち手の負荷は現状の数倍になると思います。(数倍高速で挽くとすれば)

 

今回のテストの感触からは、細挽きや極細挽きはそれほど期待できないかなという印象を持ちました。(結構、持ち手の負荷アップという意味で...)

手動コーヒーミルの電動化に拘るなら、素直に電動ミルを買った方がいいのかなと感じています。
 
そのため、さらなる手動コーヒーミルの電動化の検証は実施未定です。(モチベーション低下のため)
よい勉強になりましたが... (気分的にはすっきりです)
 

追記|パワーの強い電動ドリルドライバーを買ってしまいました...

上で気分はすっきりと書きましたがタオバオで度々電動ドライバーが色々とおススメで表示されるため、ついつい気になってパワーアップした電動ドリルドライバー を買ってしまいました... (AIは凄いですね

 

ドリルドライバーとは
  • 電動ドライバーよりもパワーが強い。
  • トルク調節機能 (トルククラッチ) がついているため、穴あけ用のドリルにもビス締め用のドライバーにも使える。

 

価格が3000円未満だったのもポイントで、下記のようなドリルドライバーです。(インパクトドライバーはミルへの打撃が怖いので避けました)

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このドリルドライバーの主なスペックは下記の通りです。 (価格の割に立派だと思います...)

 

基本スペック

  • 最大トルク:35N・m (調節可能)
  • 電圧        :12V
  • 回転数  :0~400rpm (無段階調整)
 
最大トルクは設定が高すぎると、詰まったりしたときにミルを壊してしまうおそれがあるので、9N・m程度にセットして使用しました。(このぐらいのトルクでもドライバーが豆に負けて止まるようなことはありませんでした)
 
今回は下記のように自分で動画も撮ってみました。 
 
上の動画でのテスト条件は下記です。
  • ミルはTIMEMOREのG1S
  • ミルの粒度調整のダイヤルは14クリック
  • 中深煎りの豆を18g使用
 
直火式のカミラによく使う挽き豆の条件です。
上の条件で購入した電動ドライバーを使用すると、手で挽くよりも30秒以上早く挽けました。(手で楽に挽くと70~80秒くらいかかる)
 
これはメリットですが、下記ようにデメリットもあります。
 
デメリット
  • 騒々しい
  • 排熱がやや匂う (オイルのようななんとも言えない工業的な匂い)
  • ミルを持つ手が非常に疲れる (予想通り)
  • 豆の飛び散り対策は必要 (お試しなら必要ないですが…)
 
排熱とは下のように後方部の穴から出てきます。
モーターを冷やすための仕組みですが、モーターにパワーがあるのでこのような仕組みは必要でしょう...

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また、G1よりもG1Sのような豆を噛み込みやすい刃の方が電動ドライバーの高速回転に付いてこれるようで、挽ける速度がアップしやすいかなと感じました。(電動化にもミルとの相性があるようです...)
その代わり電動ドライバーで挽いている間、ミルを持つ手にその分の負荷がかなり掛かりますが...
 
 
ここまでやってみて、やはり手でジョリジョリと香りを楽しみながらリラックスして豆を挽くのが楽しいとあらためて実感しました...
  
 
以上、ご覧いただき、ありがとうございました。
 
 
下記は今回使用したTIMEMOREのコーヒーミルG1の紹介記事です。よろしければ、合わせてどうぞ!

 

こちらは上のG1よりも安価なタイプのTIMEMOREのCについての記事です。

 

下記は自分なりの手挽きのコーヒーミルの使い方をまとめた記事です。取り合えず挽くのが大変なときは、ミルを傾けて刃に噛み込まれる豆の量を調節してみた方がいいです。挽くのが大変だから電動化というのはおススメしないですね... (あくまでトライしてみての自分の印象ですが...)