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前回の記事で、中国で新たに工場を立ち上げるサポートのために、深センから東莞へ引っ越した話をしました。
先日、その新規工場の開業式をしたので、今回はその開業式までの簡単な経緯を書いてみたいと思います。
工場は賃貸?
結構、色々と問題はあったのですが、先日、ようやくこぎつけた工場の開業式。
今も問題は山積していますが、春節前に無理やり開業式をしてしまいました...切りがよいからと...
まだ装置は予定の半分も入っておらず、入った装置もまだまだ調整中で試運転も不十分な状況です... (当然、まだ操業できません)
私が中国に来た半年前のときは下の写真のような感じで、内装は手付かずの状態でした。
ちなみに今回の工場はまずは、賃貸スペースを活用しての立ち上げとなります。
中国のいたるところにこのような企業向けの大規模な賃貸物件があり、内装は借り手が自由に造ります。(もちろん法規制の範囲内で)
また、ここは工業団地になっていて、敷地内に併設されている食堂や社員寮 (主に工場現場のワーカー向け) はいくつかの企業で共用します。
そのため企業にとっては自己負担金が少なく、速やかに新規な事業を始めやすい環境です。(特に中小企業にとってはありがたい)
そして半年後、下のような感じに仕上がりました。(下は事務所の部分です)
開業式の日には客人を招いているので、掃除にも力を入れてあります。(客人といっても社長の友人関係が大半で、特に取引先みたいなところは招きませんでした)
その友人にはこの地域の役人も含まれて、社長の大学時代の同級生でした。
やはり仲のよい役人がいることも、工場の設立にこの地域が選ばれた要因です。(最近は賄賂等は厳しく規制されていますが、いまだに役人との関係づくりは企業にとって重要です)
最近は役人の接待には呼ぶ方も呼ばれる方もかなり気を使っていて、賄賂どころか、高価なところや目立つところでの飲食は避けなければなりません。(習近平が主導する厳しい反腐敗運動の一環で、政府から指示されています。一昔前まではかなり派手だったそうですが...)
そのため、今の役人たちの飲み会はイメージしていたよりかなり地味です。(酒の量自体はかなりスゴイですが...何度か連れていかれました...)
中国人は風水が好き
そして、建物内のいたるところに植物を置くのが一般的だそうです。
下のような植物が廊下や部屋の中にあります。
また、龍の置物や水槽なんかも設置しました。
こういったものは風水の先生の指示に従って準備し、それらの置き場所もアドバイスをもらっています。
中国では風水を考慮することは普通とのことで、会社名なんかを決めるときでも占いを重視することも珍しくありません。
工場のワーカーの募集と待遇 (東莞周辺)
工場というからには、当たり前ですがよいワーカーをいかに集めるかは重要なことです。
ワーカーを普通に一般募集するかというと、それは最終手段のようで、ワーカー候補はまずは社長や幹部の親類、その知り合いに一通り当たってからとのこと。(簡単に辞められたり、裏切られたりするのをできるだけ避けたいのがその背景)
ちなみに、この地域のワーカーの一般的な賃金は7~9万円/月 (手取額) 程度で、会社によっては住居、光熱費、食事は無償提供しています。
ワーカー賃金が高騰したといっても、日本よりはまだまだ安い状態ですね。
うちの場合はこの地域に新規参入なので、ワーカーの待遇は必然的に上記以上の設定。(待遇が周辺よりも低いとよい人が集め難いですから...といっても待遇目当てで転職を繰り返している人もお断りしています)
工場自体はまだ稼働していませんが、既に数名のワーカーの方に入社してもらって、工場立ち上げの準備をしてもらっています。(思ったよりも真面目な方たちです。特に若い人の方が)
開業式に欠かせないもの
最後に開業式に欠かせないイベント、それはやはり爆竹です。
家にいても時々、爆竹の音は聞こえてきます。(さすがに深センにいた時は聞いた覚えがありませんが...)
この音を聞くと、どこかで店がオープンしたのかな~と思っています。
その爆竹をうちの工場の開業式でも当然やりました。(下が鳴らしている最中の写真です)
そして下が爆竹を鳴らし終わった後の写真です。(残骸が散らばっています)
本音をいうと、爆竹の何がよいのかまだわかりません...
というわけで、無事に開業式が終わり、工場立ち上げに向けて日々邁進しています。(まだまだ先は長そうですが...)
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。