この記事では中国で現地採用として働いている私が、渡航前に受けた健康診断と予防接種の内容と費用についてまとめました。
特に健康診断は中国の就労ビザ (Zビザ) の申請に必要な外国人工作許可通知を取得するために必須なものです。
健康診断は指定がある (外国人工作許可通知を申請する場合)
まず健康診断ですが、次のリンク先の中国大使館HPに掲載の “PHYSICAL EXMINATION RECORD FOR FOREIGNER” が指定の書式です。
この指定の書式に沿って健康診断書を作成してもらい、中国での外国人工作許可通知の申請時 (コピー) と居留許可の申請時 (原本) に、それぞれ提出する必要があります。
中国大使館HPによると、この診断書の作成は国立病院または日中友好病院であれば行ってもらえると記載されています。
私の場合は東京/代々木にある日中友好病院で診断書を作成してもらいました。(国立病院の場合は事前に確認した方がよいかもしれません)
中国向けの健康診断であれば日中友好病院が一番慣れていると思いますので、興味がある方は下のリンク先の日中友好病院HPを確認してみてください。
Home|日中友好医院 (JR代々木駅西口30秒/渡航者検診や渡航予防接種といった海外赴任に必要な検診から一般診療や漢方外来、人間ドックまで幅広い診療を行っている。
また、中国で申請する地域や担当によっては、この診断書をそのまま受理してもらえずに現地で再検査や追加検査を求められることもあるそうですが、日中友好病院ではこちらから連絡すれば日中友好病院のスタッフが相手と交渉してくれるとのことです。(中国の地域によって必要な検査内容が若干異なることがあるそうですが、日中友好医院では中国側の状況を定期的に確認しているそうです)
日中友好医院で健康診断を受けた際の所要時間は1時間未満で、時間はそれほどかかりませんでした。
費用に関しては下記の通りです。(保険が効かないので結構高いです...)
健康診断料 (中国指定の内容):¥27,000
予防接種は任意だが推奨されている
次は予防接種に関して説明します。
予防接種は特に義務ではありませんので、受ける/受けないは各自が判断することになります。(医者と相談した方が好ましいです)
日中友好医院で特に推奨された予防接種は、破傷風、日本脳炎、狂犬病の3種でした。(中国も広いので渡航先によって推奨は異なると思いますが、私の場合は深セン付近に駐在予定と伝えました)
その他調べたところ、一般的にはA/B型肝炎も一般的に推奨されていました。
また、これらの予防接種の中で、国産品と輸入品で効果や接種回数/期間が異なるものがあります。
未承認の輸入品の場合、副反応による健康被害が起きた際の補償がなかったり、あったとしても国産品より劣りますが、効果や接種回数などでメリットがあるそうです。(A/B型肝炎、狂犬病など)
輸入品の副反応に関してのリスクは国産品と同程度に小さいものが推奨されていて、海外での使用実績も十分にあるものを紹介されました。
また、予防接種の中でも接種間隔を数か月~1年ほど開けなければならないものは、初めから輸入品で接種しておけば、渡航してから現地で続きの接種を受けることも可能だそうです。(基本的に国産品は海外現地では取り扱っていないため)
私の場合、狂犬病以外の予防接種を近所の病院で受けました。(狂犬病は近所の病院で取り扱っていなかった)
また、輸入品に関してはその病院で説明も無かったのでその存在も知りませんでしたが、そこで紹介してもらった下記リンク先の病院で説明してもらい、その存在を知りました。
Home|The King Clinic (JR原宿駅表参道口4分/外交官や外資系企業で日本に派遣される駐在員などを中心に65年以上の診療実績)
狂犬病に関しては国産品と輸入品で下記のような違いがありました。
◆国産品 (3回接種/5年間有効)
1回目 → (4週間後) → 2回目 → (6~12ヶ月後) → 3回目
◆輸入品 (2回接種/10年間有効)
1回目 → (1週間後) → 2回目
狂犬病に関しては、国産品に比べて輸入品の方が接種回数も少なく、有効期間も長いということでした。
費用に関しても一回当たりのコストが国産品も輸入品も大差ないため、輸入品の方が安くなります。
私は渡航まで時間も無かったので輸入品を選択しました。(国産品だと2回目までに4週間の接種間隔を空ける必要があるので)
また、A/B型肝炎に関しても、免疫獲得率 (特にB型) や有効期間の点で、輸入品の方がメリットが大きいとのことでした。
A/B型肝炎について私は国産品を接種していましたが、最初から輸入品のことを知らされていれば、輸入品を接種したかもしれません。(輸入品の方が価格が高いとのことですが...)
これから接種する予定がある方は、参考にしてください。
さらに、破傷風や日本脳炎に関しては、子供のときに受けていれば1回接種でOKという考えと最初から受け直した方が好ましい (計3回接種) という考えの医師がいます。
この辺も担当の医師とよく相談して決めた方がよいと思います。(私は受け直すことにしましたが…)
上記のように予防接種は接種間隔が必要なものもありますので、渡航が決まったら、直ぐに接種の検討を始めた方がよいです。
さて、気になる費用ですが下記のようになりました。
保険が効かないので、結構、高くなりました。(家族で渡航するとなると更に大変です)
接種する病院によっても費用に違いがでると思いますので、目安にしてください。
破傷風 :¥3,300/回、渡航前2回&約半年後1回の計3回接種=¥9,900
日本脳炎:¥10,300/回、渡航前2回&約8ヶ月後1回の計3回接種=¥30,900
狂犬病 :¥15,300/回、渡航前2回接種=¥30,600
A型肝炎 :¥6,500/回、渡航前2回&約半年後1回の計3回接種=¥19,500
B型肝炎 :¥4,500/回、渡航前2回&約半年後1回の計3回接種=¥13,500
予防接種の合計: ¥104,400
破傷風、日本脳炎、A/B型肝炎の3回目接種を除いた金額 (これらは一時帰国を利用して接種予定) でも¥79,800とかなり高額です。
今回、健康診断料と予防接種を合計すると、渡航前に¥106,800の費用が掛かりました。
以上、ご参考までに。
中国への渡航準備として、中国での自由なインターネット接続に必須なVPNサービスと翻訳アプリも必要になると思います。
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